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新しい世界の文学〈第23〉九時半の玉突き (1965年)

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kero385
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フォークナー「アブサロム、アブサロム!」の読後の余勢をかって、久しぶりにこの小説を読んだ。ドイツの作家ハインリヒ・ベルの「九時半の玉突き」。いわゆる「意識の流れ」を使って書かれたドイツ現代文学の傑作。この小説が今図書館や古書店でしか読めないのは惜しい限り。主人公のローベルト・フェーメルは建築家で、父のハインリヒも息子のヨーゼフも建築家という一族。物語は、父ハインリヒの80歳の誕生日1958年9月6日の朝方から夕方までの半日だけを描いているが、そこに「意識の流れ」を使って、ドイツの戦前戦後を描いてゆく。
kero385

父親ハインリヒの設計建設した美しい聖アントニウス修道院を、戦中ローベルトが破壊せざるを得ず、それを戦後の修復プロジェクトに参加していた息子ヨーゼフが父が破壊した証拠を見つけるというエピソードは、戦後世代が、ナチスドイツを容認した世代を批判する言説のような、そんな単純なことではないそれぞれの複雑な状況を見事に小説として描いている。

11/29 07:44
0255文字
sabosashi
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海外文学シリーズでは席巻する新潮クレスト・ブックスに恨みを抱くわけではないがいつも白水社の「新しい世界の文学」シリーズが懐かしい。ということでここで一冊読み出してみた。ストーリーが人物でも時間でもかなり入り組んでいるようで入っていくのに手間取る。でも、そうか、フラッシュ・バックなのか。中途からかなり洗練された作品であることに遅まきながら気づく。さらに読み出したときはカタリーナ・ブルームとおなじ著者であるとも気づいていなかった。
sabosashi

ということでドイツの三代の家族のナチズムにまつわる入り組んだ関係、しかもこの家族だけにかかわるのではなく、緻密な(感情)世界が拡がる。緻密な、というよりもどろどろした何か、といったほうが正しいかもしれないが。

11/15 14:19
mitu

sabosashiさん、こんにちは。色々調べましたが不勉強で失礼しました。ハインリヒ・ベルはノーベル賞受賞作家なのですね。反ナチということですね。sabosashiさんの文面から察しますと、このご呈示の著作が白水社なのですね。Amazonの情報では、画像を拡大して本の帯にやっと「白水社」が観て撮れましたが一般的なブック情報の出版社やページ数や出版年月日やISBNもなどの紙の本の情報も見つからず基本的なところで話題に付いていけず失礼しました。ここまで情報が少ないことは珍しいいですが。お陰様で勉強になりました

11/15 15:14
0255文字
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