形式:文庫
出版社:宝島社
「主人公はレモンが書店で爆発する場面を想像して、辛気くさい思いを晴らしたんやったな」――五年前に失意の美星を救ったのは、いまは亡き大叔母が仕掛けた小さな“謎”だった――。京都にひっそりとたたずむ珈琲店《タレーラン》の庭に植えられたレモンの樹の秘密を描いた「純喫茶タレーランの庭で」をはじめ、五つの事件と書き下ろしショート・ショートを特別収録したミステリー短編集。
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アオヤマと進展してほしいものです
➡️京都の、ある意味名所を創造した梶井基次郎『檸檬』の「あの」くだりを用いた、失意の日々からの救済を描いた作品。書き下ろしで加えられたショート・ショートは、短篇集の結びとして冒頭作と呼応する。純喫茶タレーランの登場場面はこれまでより少ないが、最初に掲げられた北原白秋の歌「やはらかに誰が喫(の)みさしし珈琲(コオヒイ)ぞ紫の吐息ゆるくのぼれる」の余韻が作全体を優しく包む。
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