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水のかたち 下 (集英社文庫)

感想・レビュー
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月の子 竹の子
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ネタバレ主人公・志乃子が、江戸時代に作られた文机の机上の、両肘を付く辺りに出来たゆるやかな窪みが見たくて、その文机が置いてあるかささぎ堂へ歩き出す、という上巻冒頭で、この作品が書こうとしている世界に一気に連れていかれた感じ。カバーの有元利夫さんの陶器人形も、作品の世界観を表すのに一役買っていると思う。現実として、主人公のような幸運の連鎖なんて起こらないけれど、でも、日常をもう少し肩の力を抜いて生きようかなあ、と思った。
0255文字
burarararara
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ネタバレ欲を言えばですが 「グールド」が再開してから一ヶ月ぐらい経った後に この一ヶ月間にこんなことがあったっていう 後日談?エピローグ?があったら良かったかな?って思いました。 けどここまで書いて・・・(って少しですけど) 思ったんですが「グールド」って無事に再開できたのだろうか?少し心配になってきた(笑)。 人と人との繋がりがテーマであり その中心で人を寄せてしまう志乃子さんだから 大丈夫だったとは思うけど、ぎっくり腰にならない程度に 頑張ってください。
0255文字
東西南北
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ネタバレ50代の更年期で五十肩でギックリ腰に見舞われるような志乃子が鼠志野の茶碗に出会ってから、一年も経たないうちにたくさんの善き人とめぐり合い骨董を扱う喫茶店を営むことになるまでのお話。終戦後の北朝鮮で日本人がロシア兵と朝鮮人に惨殺された描写が、戦争や他国を占領する罪深さを今更ながら感じ苦しくさせた。
0255文字
🍣
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ネタバレ上巻の中盤までは面白く、早苗の祖母宅へ行く辺りでだるく、下巻の最初はしっかり読めて、積もっていた主人公の性格が無理になる。剛海について、“どうして何でもかんでも自分ひとりでやろうとはしない。~何かが欠落している”とか言うけど、いやあなたも三好老人に話さないと何一つ決断できないしいつも優柔不断よ笑。手文庫の持ち主がそんな苦労せずすんなり見つかる。著書の作品には必ず美味しそうな食事、糖尿病持ちの食事制限、四方山話を吹聴する描写がやたら出てくる。あとがきと解説は良かったけど、特に掴み所がない話。
0255文字
ろくせい@やまもとかねよし
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ネタバレ(上巻から)人間の思考や行為に善悪があるのかと問いながら物語が進む。4つの主張を感じた。老女が大切にする遠い昔の記憶から、利己と利他の折り合いには「他者の畏敬」が不可欠であること。老師の人生経験は、その折り合いは「水の流れ」ではなく「水のかたち」のような多様で自由な思考で立ち向かうこと。朝鮮戦争時に帰還した民間人の偉業は、個人の損得勘定を超えた強い利他的想いやりが継承されていくこと。そして、偶然に重なる経験が良い結果を結ぶには、自然に素直で謙虚で礼儀正しく対峙し、その中で人間として生きる学びが必要だと。
0255文字
鈴木正大
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ネタバレ門前仲町に住む更年期に差し掛かった平凡な専業主婦、志乃子が元古道具屋の喫茶店で茶碗と手文庫を貰い受けた処から人生が変わり始める。善き人々との出会い、人生の転機を経て変り行く運命を源流から海迄様々な水の流れのかたちになぞらえて描いている。
0255文字
りぞっと
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ネタバレただで貰った鼠志野の茶碗が三千万円で売れた。そのお金をもらう事に罪悪感を感じる志乃子。『罪悪感て、人間をいちばん弱らせるんだって気がするのよ』(P21)志乃子は鼠志野の元の持ち主に三千万円を渡すと決め、それを三好老人に話す。三好老人は一喝する『正直も度が過ぎるとただの馬鹿正直だし、お人好しも度が過ぎると、間抜け者ということになる。志乃ちゃんの潔癖さは、あの鼠志野の名品の売り買いに尽力してくれた人の好意に泥を塗ってしまうんだよ』(P79)と。志乃子の言う罪悪感も分かるし、三好老人の言う事も成る程と感心した。
0255文字
ma
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ネタバレ🔖 自分を、自分以上のものに見せようとはせず、自分以下のものに見せようともしない。
0255文字
カナティ
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ネタバレ単行本の頃からずーっと読みたくてようやく読めました。初の宮本さん。もの凄く大事件が起きるわけでもなく、静かに淡々と流れていくかのような物語です。主人公の志乃子は50歳。この世代のイメージとしては今あるものを壊さず、現状維持で波風立たない生活を求めそうなものですが、志乃子はそうとは違い、上手くいきすぎな展開も多いけど、新しいことにチャレンジしていく精神はカッコいいなぁ、と思いました。志乃子の店が今後どのような店になっていくのかがとても気になりました。宮本さん、他の作品も読んでみたいです。
0255文字
dorala13
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ネタバレ「私よりも分別があり知恵があり、私よりもはるかに他者の凄さを知っていて、他者への思いやりを持っている。 みんな、それをこれみよがしに表に出さないだけなのだ。」 「筋を通して、正々堂々と生きてたら、怖いもんなんて何もない」 「自分を、自分以上のものに見せようとはせず、自分以下のものに見せようともしない、というのは至難の業だ。」
0255文字
みゆまみゆ
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ネタバレ2つの感想。①北朝鮮からの帰国話しに感動した。自分と家族だけが助かればいいとは考えずに行動した人が実在したとは…。自分の徳だけを考えない善き人たちのつながりが、素晴らしい流れを作っていく、時々 読み返したい本です。②50才平凡な主婦が棚からボタモチのラッキーに恵まれていく話しとも言えます。三千万で売れたとか四百万とか、喫茶店の家賃はタダとか、読んでいたら、羨ましかったり、バカバカしく感じたりしてしまった。おとぎ話と思えばいいんだろうけど。お金はないけど気品のある人の話が読みたい!
0255文字
香乃
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ネタバレ家事をやりくりする様子などは、どこの主婦も同じなんだなと思う反面、志乃子の周りには主婦の当たり前の日常では考えられないような数奇な運命が渦を巻いていると感じられた。小説なのだから、そうでなくては話にならないし、敗戦後に命懸けで38度線を越えて帰国した家族の話も当然フィクションだと思っていたのだが、あとがきを読んで、実話を基にしていたというのには正直驚いた。宮本さんの小説は、自ら体験した話や実の父親など、身近な人たちをモデルに描かれることも多いが、さすがにこの話は違うだろうと思っていたので。
0255文字
よっと
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ネタバレ幸せの連鎖はわかるし、引き揚げの話を入れたかったのもわかるが。 周りの人は魅力的だけど、志乃子の良さが最後までわからなかった。昔の人が書いた少し前の話だからか、こんな幼稚な50歳。純粋や清らかさと幼稚は違う。 宮本輝さんファンの方は、良いと思うのか。
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水のかたち 下 (集英社文庫)評価64感想・レビュー13