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必読書150を読破しよう

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hitotoseno
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ボードレール『悪の華』を読了しました。ボードレールといえば象徴主義の代表的詩人として偉大なイメージがつきまとい、敬遠しがちですが、実際に詩を読んでみると仰々しい詩句の中に意外な単語が混ぜ込まれて驚きました。それは「猫」です。しかも猫はボードレールのお気に入りだったのか、特権的な役割をもって詩にたびたび登場してきます。例えばこんな感じで……「おいで、私の美しい猫、恋に脈打つ私の心臓の上に。/その足の爪を引っこめて、/金属と瑪瑙の混じり合う、きみの美しい眼の中に/私をとびこませてくれたまえ」なんともキュートな詩です。なぜボードレールが猫を詩の中に登場させたのか、このあたりの研究もそれなりに進んでいるようで、愛猫家でない者なれど興味が湧いてくるところです。