読書メーター KADOKAWA Group

キャルの独断と偏見の音楽専科&ホラー映画の考察(レビュー)。

1970年代のホラー映画。
トピック

キャル
2020/11/22 15:29

70年代に入ると、ホラー映画は新しい時代を迎えつつあった。古典的な怪奇(ホラー)映画(例えば、ハマー、AIP製作の作品など)は、徐々に衰退していく。オカルト映画を皮切りに、SF色やゾンビ物、不条理なパニック物、視覚的な刺激系、そして(ジャーロ映画から)スラッシャー映画へ移行など、特殊メイク・特殊効果の進化とともに、様々なサブジャンルに枝分かれしていく。

このトピックのコメント
171

データの取得中にエラーが発生しました
このトピックのコメントはありません
キャル
新着

アラン・ロブ=グリエ監督作「エデン、その後」(仏・捷・突、1970)。印象的な色彩を持つロブ=グリエ初のカラー作品。集団ドッペルゲンガーとSM猟奇ゲーム、乾いたユーモア、論理的矛盾と曖昧な思考、官能と暴力が交錯するサイケデリック・スリラーの傑作。シュルレアリスムの手法(デイヴィッド・リンチより遥かに上のレベル)を遺憾なく発揮している。個人的には尼サイトのプロフィール画像に使った作品でした。当然お気に入りです(笑)。https://youtu.be/6Q90_ZjuKgo

キャル
新着

ミシェル・レヴェスク監督作「爆走!狼男」(米・1971)。呪われたバイカーギャング「走る狼男」登場、異色のオカルト・バイオレンス&ロードムービー・ホラー超・怪作。呪われた修道院、悪魔崇拝の僧侶、黒魔術、顔面パンチと乱闘騒ぎ、火の中の幻想と予知夢、憑依型人狼と仲間割れバイカー、人食いの成れの果て・・・。「サイコマニア」と並ぶ独特な世界観を持った作品。歯車の狂気(呪文の連鎖)を断ち切れずに幕を閉じる。狼男のメイクはポール・ナッチーを連想させる(笑)。
https://youtu.be/YQDDGbSJN0o

キャル
新着

アラステア・リード監督作「ナイトディガー」(英・1970)。ロンドン郊外の古びた邸宅に住む二人の中年女性の前に忽然と現れたバイクに乗った儚い青年ビリー(ニコラス・クレイ)。彼は便利屋として雇用を要求し、家に住み込みで働くことになった訳だが・・・。派手な殺人シーンや残酷描写はないものの、統合失調症の連続レイプ殺人犯が暗躍する奇妙で捻くれたストーリー展開で、損傷した人々の絶望的な相互作用を描いたサイコ・サスペンス&ドラマ・スリラーの怪作。
https://youtu.be/H3Lnq2xSofA

キャル
新着

ロバート・ハートフォード・デービス監督作「吸血者」(英・1970)。ギリシャで研究中に行方不明になった才能のある学生を友人グループが捜索する。異国で闇の勢力に導かれるまま麻薬で道を踏み外し、吸血症に罹ってしまう怪奇事件。グルーヴィーなヒッピーの乱交パーティーやサイケデリックな照明効果が印象的。パトリック・マクニーとピーター・カッシングが脇役として出演。撮影は1969年の夏に中止され、数か月後に別の監督のもとで再開された曰くつきの怪作ホラー。
https://youtu.be/nrm4hC5OZHk

キャル
新着

ロベルト・ガバルドン監督作「ドニャ・マカブラ」(墨・1971)。見た目は穏やかな老婦人や怪しい人達が住む家は、死体が蓄積される狂気の館だった・・・。切断された人体の四肢、肉、内臓などの切株描写あり。一種のマッドサイエンティスト映画なのか、狂った人達の物語である(笑)。グラン・ギニョールの遺産を活用した怪奇コメディ・ホラー怪作。好事家向け。https://youtu.be/hx2Z9GNPi0U

キャル
新着

ルネ・カルドナ監督作「死者の侵略」(墨・1972)。宇宙からの侵略者が死者を蘇らせて人類を滅ぼそうとするSFアクション・アドベンチャー・ホラー、支離滅裂なゾンビ&怪奇モンスター映画怪作。メキシコのレスラー:ブルーデーモンとゾベック(ヘリコプターによるスタントシーンの撮影中に惜しくも事故死)出演作。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」やウルトラQの「ガラダマ」からの影響も見られる(笑)。
https://youtu.be/DyemSk8ji_c

キャル
新着

周旭江監督作「鬼屋麗人」(香・台、1970)。ショウ・ブラザーズ出品によるファンタジー・ホラー怪作。「寳島玉女」と呼ばれて絶大な人気を博した大女優張美瑤と歌仔戯の大スター楊麗花の共演で送る陽気でちょっと不気味な幽霊映画。日本の四谷怪談の影響も垣間見られるかと思うが、最も怖くない怨霊復讐譚でもある(笑)。終盤亡霊が3体に増え、相手を惑わす展開が面白い。
https://youtu.be/Bh9whaYjbEk

キャル
新着

ジュリオ・クエスティ監督作「アルカナ」(伊・1971)。夫を事故で亡くした為、魔術と占いで生計を立てる未亡人の母と不穏な息子の危うい絆(関係)を、オカルト、パラノーマル、エロスを織り交ぜながら描く知的で実験的な超現実的ジャーロ映画。形而上学的なテーマを扱いつつ、崩壊寸前の社会を示唆している異色ホラーの秀作でもある。母親はペテン師だが、息子は超能力保持者である。口から飛び出してくるカエルの描写は、「新エクソシスト/死肉のダンス」に影響を与えたのか。https://youtu.be/P44yrVEdRQU

キャル
新着

フランチェスコ・マッツェイ監督作「尼僧院殺人事件」(伊・1972)。教会を舞台にしたジャーロ映画怪作。尼僧の連続殺人は起こらないし、派手な見せ場もない。女たらしの司祭が二人の既婚女性との同時不倫を解消した後、何者かに殺害される。捜査を担当した刑事が容疑者と恋に落ちる中、新たな殺人事件が発生する。道徳的に堕落した登場人物、邪悪なエロティシズム、骸骨と聖なる像で飾られた修道院の装飾美術などは印象的。孤児の覗き見少年のビー玉が事件解決の決め手となる。
https://youtu.be/dt3d5UUY4eo

キャル
新着

薛群監督作「狐鬼嬉春」(香・1971)。医薬の道術を学ぶ男と画道に専念する男が旅の道中、奇々怪々な出来事に遭遇し、奇妙な事件に巻き込まれる。狐の精霊と妖怪の両方に求愛され、取り憑かれる二人の男の運命や如何に。狐狸妖怪、妖怪変化、悪鬼羅殺といった魑魅魍魎の類いが、神出鬼没に出現しては戦いを仕掛けてくるショウ・ブラザーズ製作による武侠アクション・コメディ・ホラー怪作。終盤ショッカーの戦闘員のような骸骨軍団が暴れ回る展開は、大いに笑えるだろう(爆)。
https://youtu.be/-yhIp7ixwKY

キャル
新着

ウィリアム・グルフェ監督作「残酷ヘビ地獄」(米・1972)。「ウイラード」(1971)に便乗した動物パニック系スリラー映画怪作。ベトナム戦争から帰還した青年が、ガラガラヘビにスタンレーと名付け、ペットとして飼う訳だが、ヘビを殺す人間を憎み、(亡き父の復讐も兼ねて)ヘビを使って殺人を重ねるストーリー展開。実際ネズミをヘビに置き換えた(「ジョーズ:鮫」→「グリズリー:熊」も同様)、言い逃れの余地のないパクリ映画である(笑)。https://youtu.be/QlAJrYe6Kw8

キャル
新着

アラン・ジェシュア監督作「ショック療法」(伊・仏、1972)。永遠の若さや不老不死の妙薬の探索をテーマにした医療スリラー。不安や老いや死への恐怖に直面した富裕層の人々が登場。自分の欲望を満たすために他人を打ち砕き、単純な物体として無制限に利用しようとする人たちがいることを描いた本作は、消費社会の限界と人と人との間の関係を徐々に非人間的にする、といった荒廃した人間の心の闇に皮肉が込められている。アラン・ドロンの全裸ヌードシーンが有名だが(笑)。
https://youtu.be/DGbUk4UTMgg

キャル
新着

ウィリアム・A・レビィ監督作「ブラッケンシュタイン」(米・1972)。「吸血鬼ブラキャラ」に便乗したブラックスプロイテーション映画の怪作。スタイン博士(ジョン・ハート)は、重傷を負ったベトナム退役軍人エディ(ジョー・デ・スー)に、四肢の修復手術と改変されたDNAの注射を組み合わせた新しい実験的手法を採用した。が、スタインの助手がエディのガールフレンドに嫉妬し、DNA注入を切り替えたとき、問題が発生する。人造怪物を喰い殺すドーベルマンの勝利!(笑)。https://youtu.be/4ssgzY03JvE

キャル
新着

アルフレッド・B・クレヴェンナ監督作「サント対黒魔術」(墨・1972)。サント映画怪奇路線の1本。今回のサントの任務は東洋の共和国のエージェントからジョーダン教授と爆弾の製造法を守ること。ブードゥーの本場ハイチを舞台に黒魔術を駆使する女呪術師ベラミア(サーシャ・モンテネグロ)が登場。ゾンビ軍団も出現するが、十字架型のレンチを振り上げるサントを見て逃げ出す始末。吸血鬼かよ(笑)。サントを絶体絶命のピンチに追い込むサーシャ・モンテネグロの怪演が見もの。
https://youtu.be/2KxJjl-oOx0

キャル
新着

エディ・ロメロ監督作「半獣要塞ドクター・ゴードン」(比・米、1971)。H・G・ウェルズの古典的SF小説「モロー博士の島」をパクったSFホラー映画怪作。ロメロ自身「この時代のものは私のキャリアで最も出来の悪い映画・・・略」と後に語っているが、グラインドハウス系映画ならではの面白さがあるマニア向けの珍作。ブレーク前のパム・グリアが豹女役で出演。終盤に活躍する蝙蝠男の空中飛行シーンは迫力満点、伝説的な存在となっている(笑)。https://youtu.be/yJsmKijnfik

キャル
新着

ホセ・ルイス・マドリッド監督作「スコットランドヤードの七人殺人事件」(伊・西牙、1971)。ロンドンで娼婦連続殺人事件が発生。被害者を刺した上、臓器を抉り出す切り裂きジャックのような残虐な手口によるものだった。元サーカスの曲芸師で現在は足を引きずり、アルコール依存症の生活を送る最有力容疑者役をポール・ナッチーが怪演。個性豊かな女優陣が次々と殺害されていくスペイン産ジャーロ映画の怪作だが、ゴア描写はチラ見せ程度、特殊メイクは稚拙なものだった(笑)。
https://youtu.be/sCEetFxeOG8

キャル
新着

ウンベルト・レンツィ監督作「ガラスの旅」(伊・仏、1971)。レンツィは当初「イージー・ライダー」に似た作品を撮るはずだったのだが、(プロデューサーの横やりもあって)出来上がったものはジャーロ系青春ロードムービーとなってしまった。トランクで遺体が発見されるという展開のみに依存しているため、非定型的なミステリーで殺人描写もない。つまり、スリラー(ホラー)としては、中途半端な仕上がりとなってしまった。https://youtu.be/ssQlu_h5wGU
1970年代前半の作品は、まだまだ続く(笑)。

キャル
新着

ドゥッチョ・テッサリ監督作「血の羽を持つ蝶」(伊・1971)。本作は、殺人事件の捜査が実際どのように行われるかという(警察側の)視点に重きを置き、有用な証拠資料の収集、証拠内容の検証や事件との関連の分析、有罪判決を受けた容疑者の法廷シーン、そして登場人物の心の動きなどを盛り込みながら描いていく。つまり、血と暴力による派手な殺人シーンの様式美の追求ではなく、犯罪や事件の謎を論理的に解決していくという(賛否両論ある)ジャーロ映画である。
https://youtu.be/B3l-AlGZs58

キャル
新着

ケント・ベイトマン監督作「首のない目」(米・1971)。独り暮らしの女性の部屋に押し入った無一文のエセ芸術家の男が、逆に目玉をくり抜かれ、撃退される。以後片目眼帯姿となった男は、同じ方法で多くの女性を殺して自分のスタイルを変えようと決心する。殺した死体から摘出した目玉を収集する変態的な連続殺人鬼の抑えられない殺人欲求と凶行を描いたゴア/スラッシャー映画の怪作。「恐怖の火あぶり」(1979)「マニアック」(1980)などの先駆をなした作品だと言える。https://youtu.be/CC5N0pkNMaE

キャル
新着

ルベン・ガリンド監督作「サント対異世界からの暗殺者」(墨・1971)。サント映画怪奇路線の1本。今回の強敵は、世界征服を企む犯罪組織が操る不定形怪物(ブロブ)。人間相手の肉弾戦を得意とするサントは決死覚悟で怪物と対峙し、逃げ回るという作戦(プロレス技を封印し、頭脳プレー)モードに切り替える(笑)。
https://youtu.be/09hUB59E8U4

全171件中 1-20 件を表示