「まっとうであるとは、複合差別状況の中でも、他者と自分に対する繊細な想像力を持ち続けられること、葛藤し続けられることです。戸惑いや葛藤を抱えた男性のままに、社会変革的=性平等的な男性であろうとすること。社会/自分の中に差別と被差別、加害と被害などが交差的に複合し、絡み合っているがゆえに、何らかの失語や沈黙を経験せざるをえないけれども、それでもなお永続的な努力によってまっとうさや社会正義を──個人的なレベルと集団的なレベルのいずれでも──漸進的に目指していく。大切なのはそういうことではないでしょうか」116
男性の被害者意識について 「重要なのは、この私の「傷」と一般的な被害者意識は微妙に異なる、ということです。(〜)グッドマンは、スイスの精神分析医アリス・ミラーの研究を参照しつつ、次のように述べています。《意識に上っていない過去の傷と向き合い、検証する機会を持たないかぎり、他者の苦しみを認めることはできない》(〜)《他者の苦痛を認めようとしないのは、自分自身の苦痛に向き合うことを避けるためでもある。自分の受けた傷に意識的に向き合わない限り、他者に共感を持てず虐待してしまう可能性は高まるのである》」45-46
同様の問題意識を持つ男性同士で連帯したいのだけれど、身の回りに人脈がなさすぎて、本当にいない。
あ、この本なんとポピュラーカルチャーの内、いくつかの映画作品の批評も入ってます!個人的には『マッドマックス 怒りのデスロード』と『ジョーカー』の批評が楽しめました。特に助力者としての男性に興味があるので前者は本当に良かった。私は私の男として生まれ生きてきてしまった自身への落とし前をつけるために、マックスのような居心地の悪さを感じていかなければならないと考えることができました。
特権にはしがみつかない。もしそれがいずれ覇権的(ヘゲモニック)な男性性になるとしても相互に矛盾するはずだから、安心して下駄を脱ごう。
メモ:フェミニズムを簒奪するな。それはどうしようもなく男であるお前が他のどうしようもなく男である男を一方的に責め立て断罪し気持ちよくなるための思想ではない。
自分を中心とした半径5mが安全基地になれるように。もう誤らないように。誤字脱字ご容赦。本棚「まいばいぶる」では自分を作り変えてくれたり、寄り添ってくれた本たちを並べています。
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「まっとうであるとは、複合差別状況の中でも、他者と自分に対する繊細な想像力を持ち続けられること、葛藤し続けられることです。戸惑いや葛藤を抱えた男性のままに、社会変革的=性平等的な男性であろうとすること。社会/自分の中に差別と被差別、加害と被害などが交差的に複合し、絡み合っているがゆえに、何らかの失語や沈黙を経験せざるをえないけれども、それでもなお永続的な努力によってまっとうさや社会正義を──個人的なレベルと集団的なレベルのいずれでも──漸進的に目指していく。大切なのはそういうことではないでしょうか」116
男性の被害者意識について 「重要なのは、この私の「傷」と一般的な被害者意識は微妙に異なる、ということです。(〜)グッドマンは、スイスの精神分析医アリス・ミラーの研究を参照しつつ、次のように述べています。《意識に上っていない過去の傷と向き合い、検証する機会を持たないかぎり、他者の苦しみを認めることはできない》(〜)《他者の苦痛を認めようとしないのは、自分自身の苦痛に向き合うことを避けるためでもある。自分の受けた傷に意識的に向き合わない限り、他者に共感を持てず虐待してしまう可能性は高まるのである》」45-46
同様の問題意識を持つ男性同士で連帯したいのだけれど、身の回りに人脈がなさすぎて、本当にいない。
あ、この本なんとポピュラーカルチャーの内、いくつかの映画作品の批評も入ってます!個人的には『マッドマックス 怒りのデスロード』と『ジョーカー』の批評が楽しめました。特に助力者としての男性に興味があるので前者は本当に良かった。私は私の男として生まれ生きてきてしまった自身への落とし前をつけるために、マックスのような居心地の悪さを感じていかなければならないと考えることができました。
特権にはしがみつかない。もしそれがいずれ覇権的(ヘゲモニック)な男性性になるとしても相互に矛盾するはずだから、安心して下駄を脱ごう。
メモ:フェミニズムを簒奪するな。それはどうしようもなく男であるお前が他のどうしようもなく男である男を一方的に責め立て断罪し気持ちよくなるための思想ではない。