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朝ですよね
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朝ですよね
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日華事変・太平洋戦争の期間(1937~1944)で日銀のB/Sは約10倍になった(30億→320億、当座預金が積み上がっただけではない)。この間に発行された国債986億円の大部分を引き受けた結果である。一方、同期間の消費者物価上昇率は84%(年率換算約9%)であった。民間金融機関も含めて国債を消化したこと、外地の戦費を内地と切り離したこと、などがインフレ抑制につながったと見られている。戦時中と言えば国債の日銀引受→ハイパーインフレというイメージだったが、実態は少し穏当だった。
朝ですよね

本書は軍拡の歴史、金融政策発展の歴史の概要という側面がある。ただし著者の真骨頂は、儲備⇔正金(のち外資金庫)→政府のような現地調弁のスキームを詳しく書いている辺りにあると思う。ここから法幣との通貨戦争に議論が発展するのも興味深いし、外資金庫は金塊で清算したという結末もいろいろな含みが感じられる。

10/11 17:39
  • ころこ
  • skunk_c
0255文字
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朝ですよね
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読書データ

プロフィール

登録日
2019/07/03(2096日経過)
記録初日
2010/07/31(5355日経過)
読んだ本
462冊(1日平均0.09冊)
読んだページ
127756ページ(1日平均23ページ)
感想・レビュー
432件(投稿率93.5%)
本棚
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