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重い内容の小説だった。第二次世界大戦に突入する前にヨーロッパに赴任していた外交官の多くがドイツと与する危険を本国に報告していたに違いない。しかし国の中心が決めた方向はどれほど危険でも、それに煽られた国民にも後押しされてしまう。東京渋谷のヒカリエが建つ前にあったパンテオンが開館して間もなく「地下水道」という映画がかかった。ワルシャワ蜂起の場面を読んだ時、あの如何にも悲惨に見えた大きな壁面広告が何10年ぶりに蘇った。ポーランドを描いた作品だという知識はあったが、正にこの本にとりあげられた事件だった。→
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国の方針に従うのが公務員と判っていても棚倉慎は国と自分の方針がいずれは重なるに違いないと信じて、その道を行った。彼の生き方は国の前では抹殺されるしかない。しかし、理解した人もいた。彼自信は人として悔いることがなかっただろう。たとえ、規定された公務員の道からでもはずれようとも。調べるとイエジは戦後かなり長く存命していたようだ。ポーランドを内側から語れる人物が居て、圧政側からではない歴史が記されたことは大切である。

09/18 14:08
  • 藍原
  • ヨーイチ
0255文字
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登録日
2016/08/31(3131日経過)
記録初日
2016/08/31(3131日経過)
読んだ本
309冊(1日平均0.10冊)
読んだページ
98856ページ(1日平均31ページ)
感想・レビュー
282件(投稿率91.3%)
本棚
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