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2024年3月の読書メーターまとめ

ガーネット
読んだ本
12
読んだページ
4171ページ
感想・レビュー
12
ナイス
599ナイス

2024年3月に読んだ本
12

2024年3月のお気に入られ登録
3

  • 圭
  • とら
  • Tonzo

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ガーネット
小説の力を、体感する。ここに居ながらにして、遠くの見知らぬ湿地へ、遥かな時間の流れへと導かれる。その少女は、常に暴力や略奪に怯え、ちっぽけな信頼は打ち砕かれ、普通に息をすることすら難しい。皮肉にも、自衛手段は研ぎ澄まされ「簡単には死ねない」彼女となっていく。湿地の自然を魂のレベルで愛しているからこそ、一瞬の美しさに「明日もここに生きる」と決意する。誰とも関わらずにいたい、誰かと支え合いたい、矛盾する欲求を恨み、自分に翻弄される姿は、他人事ではない。読み終えて、大切な親友を看取ったような気持ちになっている。
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2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

ガーネット

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2024年3月の感想・レビュー一覧
12

ガーネット
嵐の中をびしょ濡れになって歩いてきて、やっと軒先で一息…という読後感。ふぅ。母子の思いの行き違いも、身体的な暴力も、認知症も、全てが肩にズシっと食い込む重さ。著者は執筆している間に、ご飯が食べられなくなったり、悪夢にうなされたりしないのか心配になる。でも、この現実を生きている人が、いるのだ。私に何ができる?何もできないなら、読む資格も、語る資格もない?生きる資格も…?という落ち方をするのは、物語の迫力故か。毎日を誠実に生きて、どこかで追い込まれている誰かと出会ったなら、私にできることを共に考えよう。
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ガーネット
「情報システムに疎くても楽しめる」というレビューに惹かれて。自称何でも屋のプログラマーを中心とした連作短編集。情報システムや経済の仕組みは、わからない部分も多かった。だから、私は「彼らにとっての善悪は何か」「仕事の価値基準は何か」を追うことにした。そこには、自由や権利を得ようと、また守ろうとする戦士たちの打鍵と、目まぐるしい頭脳戦があった。どんな手段であれ、自由を求めて走る人が輝くのは、どうしてだろう。「意を異にする者を蹴落として進む」革命家でなく、「異なる意が、互いの利を模索する」先導者たれ。
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ガーネット
小説の力を、体感する。ここに居ながらにして、遠くの見知らぬ湿地へ、遥かな時間の流れへと導かれる。その少女は、常に暴力や略奪に怯え、ちっぽけな信頼は打ち砕かれ、普通に息をすることすら難しい。皮肉にも、自衛手段は研ぎ澄まされ「簡単には死ねない」彼女となっていく。湿地の自然を魂のレベルで愛しているからこそ、一瞬の美しさに「明日もここに生きる」と決意する。誰とも関わらずにいたい、誰かと支え合いたい、矛盾する欲求を恨み、自分に翻弄される姿は、他人事ではない。読み終えて、大切な親友を看取ったような気持ちになっている。
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ガーネット
(辛口レビュー、ご容赦を)20〜30代ヒロインの喪失と再生系短編、3話。大切な何かを失った時に、自暴自棄になったり、周囲に八つ当たりしたりするのは、仕方ない。あらゆることへの抑制がききにくくなるから。それはわかるが、ヒロイン達の「私は何も悪くない、誰か助けて」と解決の魔法を待つ姿勢や、そこへ都合よく降ってくる魔法には、なんだか釈然としない。魔法がない世界で、細い道を拓こうと這い進むような人達もいる。そういう人にこそ、光が差して欲しい。魔法ではなく、その人が「よし、もう一歩行ける」と思えるくらいの光を。
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ガーネット
「まず障害というものが、前提として存在するのではない。人と人との間に生じるものが、ときに障害となる」と、社会が障害をつくっている視点に立ち、「障害として生じさせない=発達障害を生きない」ために大事なことが沢山書いてある。しかし、とにかく情報量が多い。その多さに疲れてしまい、大事なことを理解して、定着させるのが難しくなる。繰り返される内容も、復習できるメリットではあるが、読み手を疲労させるデメリットにもなる。大事な事を、しっかり社会に浸透させるのが目的なら、グッと情報量を抑えた構成も一手ではないか。
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ガーネット
翻訳フェチのお二人だから、こんなに楽しげな短編集になる。良い意味で「訳のわからん話」のオンパレード。訳のわからん話は、5W1Hを正確に翻訳しただけでは、あらすじさえ成立しない。訳のわからんところに潜む魅力を、違う言語に置き換えるなんて、フェチじゃないとできない。そんなお二人の、翻訳愛溢れるミニ対談「競訳余話」も、一緒にテーブルを囲んでいるような気持ちになれる。翻訳する作品を選ぶ理由として「わかるから、ではなく、惹かれるから、でいい」という言葉に、安心する私がいた。訳のわからん話を、これからも読む。
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ガーネット
丸山さんは「嫌いになれない人間」を描くのが上手い。たとえ犯罪者であろうと、利己的であろうと、背景にあるその人ならではの事情を知ると、もう嫌いにはなれない。どの人も。「精一杯に生きろ」みたいな熱血理念ではなくて、「私にも彼にも理由があり、結果としてここに居る人間に抱く、対等の敬意」が、あらゆる視線に含まれている。老若男女問わず。こんなふうに人と向き合えたなら、私達の世界は少し平和になるかもしれない。せめて、自分自身と目の前の人達には、この対等の敬意を持とう。
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ガーネット
3月11日の今日、再読した。あの震災を扱っているのを忘れていた。忘れていた自分に罪悪感を持つ。その罪悪感が偽善のようで、胸が悪くなる。昨夜は、津波を連想する夢にうなされていた。(ものすごく大規模なベルトコンベアーのような装置に、人も物も引き摺り込まれていくのを、必死で止めようとしている夢)あの夢も、この本の再読も、「…忘れないでよ」と、遠くの誰かから呼ばれたのだろうか。私のなかには、「鎮魂」という言葉が、ぽつんと置かれた石のように在る。
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ガーネット
読み応えのあるエンタメ。直前の「良くも悪くもストレートでシンプルな、小さめエナジードリンク的な読書」体験と比べてしまうが、本書は「良くも悪くも手の込んだ構造で、装飾豊富な重ね着を思わせる言葉を用い、深く長い旅路へ連れ出すガイドブック的な読書」体験となった。小説とはいえ、子どもが辛い境遇にあるエピソードは、ラクに読めるものではない。また物理的にも心理的にも「汚なさの描写」に余念が無く、悪臭がページから漂ってきそうだ。そうであっても、なお読み応えのあるエンタメだったと私は言いたい。
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ガーネット
漫画化されそうな、パニックSF。良くも悪くも展開がストレートで、構造はシンプル。なのに、落とし所は…。緻密な、また壮大なSFが好みの層には、物足りないかと。ガーッと読めて、気分が沈み込まないものを求めているなら、有りだと思われる。ただし、原発問題が絡むので、その辺りで現実に引き戻されるかもしれない。小さめのエナジードリンク的な読書。
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ガーネット
私が海外旅行が好きだ。数えるほどしか経験はないし、語学も中1英語レベル。でも、行ってみたい所がいくらでも。ところが何故かアメリカは、候補に挙がらない(嫌いではなくて)その理由の一端が、本書を読んで明らかになった。大き過ぎる、多過ぎる、真っ直ぐ過ぎる、明る過ぎる…何もかもが「私にとっての適量」を超えていて、超えていればいるほど良いと謳う看板が、強い照明を浴びてそびえ立っている。これは、私の偏見だ。時間にルーズな日本人も、恋に消極的なイタリア人もいる。でもこの小説は、私の偏見を否定せず、ともに考えてくれた。
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ガーネット
私が勝手に「踊り場系」と名付けているカテゴリーだ。階段を昇る読書も好きだけれど、踊り場も必要。そういうニーズにぴったりかと。個人的な好みとしては、随所に「前時代的」な価値観が垣間見えるのが、今の自分やマイノリティの生き方を否定されているようで、しんどさもあった。そのちょっと懐古的な空気が、本書の魅力でもあるのだろうし、私も建築物や生活雑貨なら、前時代や懐古を見出すと嬉しい。小説も、そのように受け取りたいが「親切なんだけど、ちょっと狭量な親戚のおばさんに、やんわりとお説教されている気持ち」にもなる。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/04/01(4775日経過)
記録初日
2010/10/22(4936日経過)
読んだ本
1968冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
578509ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
1762件(投稿率89.5%)
本棚
8棚
自己紹介

自分の機嫌は、自分でとる。
世界への扉を開けるため、英会話の力を伸ばす。
わからないことは、面白きこと。
/2024

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