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2025年1月の読書メーターまとめ

ガーネット
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706ナイス

2025年1月に読んだ本
18

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ガーネット
(薦められて、読了)悲しい話だった…と、感想を書きそうになり、果たしてそうか?と問い直す。確かに慟哭としか表現できない場面ではある。でも、それほどの全身全霊の「愛」を向けられる対象と出会うこと、その愛を貫くために自身の「軸」を成す論理力を搾り切ることは、もしかしたら、類い稀なる幸せと言えないか。感情と利害絡まる人間関係にも、無限に美しい数学の世界にも、居場所を見出せなかった男が、自分の存在価値を知った時、灰色だった世界は反転しただろう。色彩を取り戻した世界で、友と数学に挑み、酔って笑う彼に、また会いたい。
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2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

ガーネット

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2025年1月の感想・レビュー一覧
18

ガーネット
これまで数冊読んできたもののおかげで、点と点がゆるく繋がり、線として見えてきた。「理屈」で読む順番を考えるのと、「感覚」で選ぶのと、どちらも意味がある。その天秤をグラグラと揺らしながら学んでいる。ゴリゴリの精神分析に、息苦しさを覚えてから「相互作用論的観点」に出会い、ほっと一息ついて、今回「対人関係精神分析」を読むと、ゴリゴリの精神分析が誤解されてきた経緯もわかった。やはり、どんな学派も理論も、人に対して真剣に全力で向き合って、何かしら役に立つものを目指すと、そこには共通の態度が生じるものだ。
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彩瀬さんの描く、痛みが好きだ。それをなくしたことで、とても大切なものだったと、深いところから確認させてくれる痛み。それがない中でも、自分なりに道を取り戻していく痛み。痛みは、なくしたことの痛みだけじゃなく、回復するときの痛みや、別れたり出会ったりする流れをコントロールできない痛みもある。それらの痛みを、著者は「回避し、否定し、排除すべきもの」とはせず、痛みがくれるものを受け取れるような窓を、いつもどこかに開けている。その窓から入ってるものは、痛みの残響を含みつつも、人生の後押しとなっていく。
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(読友さんレビューきっかけ)文句なしに美しいのに、間違いなく惹かれるのに、とても怖かった。「いつまでも此処に居たい」とは思わず「早く帰らないと」という焦りや不安が、どんどん膨らんでいく。人も生き物も描かれていて、それなりに「生活」があるはずなのに、どうしても「良からぬモノに騙されている」感覚が濃い。昔話で、駄目な方向へ誘われて行った末路的な。美しければ美しいほど、怖さや不安も比例して強まる。こんな気持ちになるのは、この頃、仕事モードでイメージ世界を深掘りしている副作用なのか。あぁ、怖かった。
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ガーネット
大御所の先生方が「人生の〆」を見据えて書かれた文章を、目にする機会が増えた。本書あとがきの「ではさようなら」が、どうにも寂しい。老いること、いつか死ぬこと、を敬遠しているつもりはない。でも、自分のそれより先達の覚悟が、肌身に痛いのは何故だろう。本文から学んだ知識より、この感覚が前景に在る。とはいえ、援助者の自己開示にまつわる複雑性を、「生身の関係と、職業としての関係が、双方にとって混ざりやすい構造」と整理してもらい、数日前に読んだ「相互作用論的観点」とも絡めて理解が深まった。寂しさも含めて、学びとする。
yumi..✽
2025/01/28 20:40

人生のシメの時期に「ではさようなら」とあとがきする先生って、かっこいいですね。老いて、もういいと言う人と、もう少しまだまだの生命力の違い、患者自身の思いと医療の乖離に戸惑うことがあります。医療はそれほど偉いのか、傲慢なのではないか、反対に医療の限界と無力感を感じることもあります。その人の意思や気持ちを尊重しつつ現実的な落とし所。諦めや妥協でなく、双方寄り添ってさ納得するのは難しいのか。人生のシメは精神や魂レベルになるので、読んでみたい気がしました。

ガーネット
2025/01/28 21:18

ゆっこさん コメントありがとうございます( ´ ▽ ` )日頃の誠実なお仕事振りが伝わってきます。誠実ゆえに、悩みも尽きないことでしょう。成田先生は、精神科医ですけども、総合病院で勤務されていた経験もあります。本書は、ここ数年の講演集で、総合病院勤務から考えたことを話されている部分は、ゆっこさんも身近に感じられるかもしれません。医師や看護師も「職業として」「生身の人として」のバランスが難しいですよね。患者さんに対して、縦の関係の要素と、横の関係の要素の両方ありますし…(~_~;)

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ガーネット
(読友さんのレビューきっかけ)100年以上前も、今と変わらず青年期は大変だ。生きるための知識も技術もたいして備えていない上、理想やプライドはどっさりで、そのアンバランスに足元が常に揺れ動く。死ぬの生きるのの極論も、本人は真剣だ。主人公は、真っ暗な地の底で、全身を食い荒らす南京虫や、人とも思えぬ獣のような鉱夫たちに蔑まれ、人智の及ぶ限界を知る。天界から垂らされた蜘蛛の糸のような「心の指針」との会話は、彼のたましいに刻み込まれ、細胞の一つ一つを再生しただろう。出会いが奇跡になるのも、青年期の醍醐味なのだ。
yumi..✽
2025/01/28 20:13

みんなが通る道だからとか、君の悩みなんか後から振り返るとちっぽけだとか言われるほど反発のバネが大きくなるのが、青年期の苦悩でしょうか?明治の坑夫の世界のなかで揉みくちゃにされる青年の立ち振る舞いがおもしろかったです。

ガーネット
2025/01/28 21:31

ゆっこさん コメントありがとうございます(о´∀`о)その「反発のバネ」を、脳みそ筋肉キャラだったら、真っ直ぐにガーッとぶつけるんでしょうけど、なにしろ夏目漱石。そんなにこじらせて、どうすんの…大変やな君…と、苦笑いしたくなる感じは、西村賢太さんや又吉直樹さんを、ちょっと思い出しました。一方で「どこへ向かうかわからない汽車に乗る」「足元の見えない山越え」なども、アイデンティティ模索中の青年期そのものやなぁと思ったり、「地下の坑道→無意識の闘い」と思ったりもしました。

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ガーネット
初版は60年前。ゴンクール賞受賞作家さんの手による児童文学。タイトルと表紙絵のおじいさんに「読んでみなされ」と誘われた。このきれいな作品を、寓話だとか風刺だとか、解釈するより「ほんとにチトみたいな子がやって来て、ほんとに世界が花で満ちて、ほんとに明日を楽しみにできたらなぁ!」と、真っ直ぐに受けとめたい。一欠片でも、チトの真っ直ぐな心をもって暮らしたい。そこら中で戦争や差別が絶えない世界で、こんなきれいな物語を生み出す人がいるのだから。著者は、戦争の悲しさもよく知っていて、なおこの物語を書いたのだから。
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読みたかった内容に出会えた。「入門書」とあるが、ある程度経験を積んだ人の方が、感覚的に納得しやすいだろう。「相互作用論的観点」と言うと、なんだソレ?となるかもしれないが、「来談者側の変化や原因にだけ注目しすぎじゃない?そこに二人がいるのなら、二人ともに変化や原因があるものでしょ?」という事。無意識にばかりフォーカスすると、胡散臭くなりがち。でも、私がそれを肯定しているのは「見えないところでのお互い様」や「思いがけず起きる変化」を実感しており、それは臨床においても、毒と薬になるからだ。
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ガーネット
「ちくまプリマーやから、きっとわかりやすく書いてくれてはるやろぅ」の考えは、どうやら甘かった。これまでに読んだ『臨床の知』や、ナラティブ関連の本とのつながりも、時々拾えるものの「現象学≒哲学」の部分にはお手上げ。現象学は、もともと興味のある分野だけれど、興味があれば理解できるかと言えば、そんなことはない。かつて自分の修論で取り組んだ、質的研究が浅〜い薄〜い分析でしかなく、とにかく恥ずかしいシロモノだという事はわかった。マジョリティである自分が、マイノリティの人に暴力的存在である可能性を自覚していたい。
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ガーネット
笑いたくて購入したのに、一回も笑わず読了。三浦しをんさんの小説で、まさかこんな退屈を…と寂しくなった。その時、目に飛び込んできた「2021年4月に刊行」の文字。あぁ、コロナ禍の始まりだ。県を跨いでの移動を最小限に、重症化リスクの高い人には会わないで、大きな声で話したり笑ったりすると、視線が刺さる…あの頃。それなら、この小説の「やらなくてもいいような事で、子どもも大人も走り回り、皆でやる馬鹿騒ぎは楽しい」の存在感はキラキラと輝き、眩しいほどだろう。そのような暮らしに戻りたいと、切望していたから。
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ガーネット
援助者は「何をすべきか」の前に「どのように在るべきか」は、よく言われること。でも、実際に援助者の内側で起きている感情・思考・感覚は、視覚化できない。見えないものを、他者に伝えるのは難しい。村瀬先生は、そこを伝えるために、ご自身の事例を多く紹介されている。イチローの名プレイ集を観ているようで「あなたは凄いけど、とても私には…」と言いたくなる。では、名プレイからは何も学べないか?いや、人は観察によって「自分がそれを体験したかのように、感じる力」がある。説明や理論だけより、名プレイはイメトレとして上達を助ける。
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ガーネット
読みたかった内容は、最後の約30頁だけだったのは、かなり残念。とはいえ、これは心理職を目指す院生や学部生には、とても良いテキストだと思う。「やってみないと」「行ってみないと」わからない心理職の現実を、著者の体験も踏まえつつ、繰り返し述べる。ふんわり、ぼんやり(どうやら薔薇色に近い)心理職イメージを、少しでもクリアにする助けとなるだろう。そんなに甘いもんじゃない、でも、そんなに絶望しなくても大丈夫…そして「自分の健康第一」を忘れずに。案外、これが一番むずかしいかも?
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ガーネット
(薦められて、読了)悲しい話だった…と、感想を書きそうになり、果たしてそうか?と問い直す。確かに慟哭としか表現できない場面ではある。でも、それほどの全身全霊の「愛」を向けられる対象と出会うこと、その愛を貫くために自身の「軸」を成す論理力を搾り切ることは、もしかしたら、類い稀なる幸せと言えないか。感情と利害絡まる人間関係にも、無限に美しい数学の世界にも、居場所を見出せなかった男が、自分の存在価値を知った時、灰色だった世界は反転しただろう。色彩を取り戻した世界で、友と数学に挑み、酔って笑う彼に、また会いたい。
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ガーネット
シリーズの2作目と気付かず、図書館で借りて…1作目を未読でも、それなりに説明が挟まれるので、安心して読み進め…「よし、今度は1作目を借りて来よう」という気分になっていたら…まさかの「この続きは、また来週☆」な終わりだった…!え…続くの?わたし、シリーズものをリアルタイムで読むの、覚えてられないから苦手なんですけど?そのせいで途中退場したシリーズが、いくつも…。だから、完結してから一気読みと、決めているのに。「どーしたもんかしらん…」と、埴輪みたいな顔で読了。
ぶぶ
2025/01/14 09:59

埴輪みたいな顔…!🤣意図せず2作目で、しかも途中で終わったら、無理もないですね。というか私もこちらの作品、興味があったのですが、シリーズとは知りませんでした。どうしようかな…保留にしようかな…。

ガーネット
2025/01/14 11:49

ぶぶさん 「聞いて無いわー」って言っても仕方ないんですけど、埴輪にもなります。目と口が、虚ろな穴に。面白いか、面白くないかだけで言えば、面白いです。だからこそ、途中退場したくない。完結を待ちます( ˘ω˘ )ぶぶさんは、どうしはるんかなぁ〜。

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ガーネット
執筆者、総勢19名。学びや研究の経験値、現在の活動ジャンルに、かなり幅のある執筆陣。東日本大震災の前後に書かれたとのことで、「揺れるたましい」を、ダイレクトに地震の揺れとして捉えたものから、震災とは違うフレームで語る揺れまで。私にとっての「揺れるたましい」とは何か。spiritualではなく、soulが近い。宇宙より大地に近い。熱や密度を感じる。揺れによって、拡散していくのでなく、変容もしくは連帯していく。臨床の場で出会う揺れるたましいを、どう感じて、どう関わるのか(もしくは関わらないのか)
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ガーネット
また、本と本が引き合っている。「ガザ・パレスチナ」に関する本を読んでいた、その時、図書館で目に止まって借りた本が、「ポーランド生まれのユダヤ人が、移り住んだアメリカで祖国を思い、イディシュ語で綴った物語」だった。著者は、1978年にノーベル文学賞を受賞しているとのこと。でも、本作は子どもたちが笑って読める作品だ。大人の目には、シニカルに読める部分もあるけれど、全体を包み込む「なんとかなるもんだよ。信じるってことは、悪いこっちゃない」の暖かさ。世界中の子どもたちに、こんな物語を読んで笑っていてほしい。
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ガーネット
どうしたらいいんだろう。どうしたら。私は、どうしてこの本を読んでいるのか。読む資格は、読む意味はあるのか。「ガザ」「パレスチナ」が何を表しているのか、何も知らなかった。世界中に、いや国内でも、私の知らない辺獄がある。それを知って、どうしようと言うのか。「イスラエル」に嫌悪感を抱きそうになることが、怖い。それは、また次の戦争になるだけ。そうではなくて。支援関連NGOに募金する?それも違う。常に忘れずにいる?それで私が壊れても、誰も喜ばない。役にも立たない。私は、どうしたらいいんだろう。
ぶぶ
2025/01/06 19:55

そうでしたか〜、お誕生日おめでとうございます!🎂ガーネットさんにとって、幸多いすてきな年になりますように☺️ガーネットさんの思慮深いレビューやお茶目なレビュー、これからも楽しみにしています♪

ガーネット
2025/01/06 21:23

ぶぶさん ありがとうございます(о´∀`о)ぶぶさんのレビューは、読みたくなる率が高いので、読書ライフが充実して助かってます☆

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ガーネット
550頁の二段組み、SF短編が20作収録!「これは、年末年始やないと無理」と、心の積読本にしていた。ケン・リュウの他作品が、とても良い印象だったので、意を決して挑戦した(大袈裟)…いやぁ長い旅だった。楽しくても疲れたような、疲れたけどまた行きたいような。著者は「常識や価値観が異なる関係で、相互理解はどこまで可能か」を問う。異星人と地球人ならばSFだけれど、宗教や経済や歴史の違いなら、ここにある日常だ。「わかったつもり」の怖さ。「わからないよ」の無責任。「わかるかもしれない」の希望。どれも身に覚えがある。
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ガーネット
「読み流せる」部分がなく、常に「考えよ、咀嚼せよ」と迫られながらの読書で、時間がかかった。全ての心理士が河合隼雄になれる訳なく、全ての精神科医が中井久夫になれる訳ではない。それでも、昨日の自分より今日の自分を1グラムでも役に立つ(せめて害の少ない)存在にする努力をしたい。「我こそは」の気負いや使命感は、臨床の質を低下させるリスクでもある。それも時々思い出せる余裕を持って臨みたい。中井先生が、これでもかと細やかにこころを配って整え続けた臨床に、1ミリでも近付ける。そのために、遊んで、学んで、笑って、眠る。
yumi..✽
2025/01/03 19:54

新年から深く考えさせられます。相手とのいい距離感をとるのは難しいんだろうなと思います。寄り添うことは時に引っ張られたり消耗してしまうことがある気がします。まずは自分をフラットにニュートラルでいるために、よく遊んで学んで笑って眠ることが大切なんでしょうか。今年もよろしくお願いします。

ガーネット
2025/01/03 20:29

ゆっこさん わぁ〜コメント嬉しいです( ´ ▽ ` )めでたい(笑)新年明けましておめでとうございます。難しいですねぇ。寄り添ってるつもりでも、患者さんには「近い、近い!」とか「重いんですが…」とかの、圧や熱が感じられる場合もあったり。権威的な空気が漂うと「そうではなくて」とは、言いにくかったり。遊んで学んで笑って眠るのは、「自分自身が人生を楽しむ」のも大事だと考えてますし、「そこそこの気力体力を維持して、その場に臨むため」ですかね〜(๑˃̵ᴗ˂̵)こちらこそ、今年もよろしくお願いします♪♪

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/04/01(5071日経過)
記録初日
2010/10/22(5232日経過)
読んだ本
2122冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
619406ページ(1日平均118ページ)
感想・レビュー
1916件(投稿率90.3%)
本棚
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自己紹介

アホゥであることを隠さない。
イタイと評されるのを恐れない。
わたしの良さは、他にある。
/2025

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