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2024年5月の読書メーターまとめ

かわかみ
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2024年5月に読んだ本
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

かわかみ
サスペンスの4つの短編小説のオムニバス。事件は3つ同じ町で起きる。交通事故とその復讐、中国出身の少年が経験した恐怖、新興宗教の女性幹部の謎めいた死だが、終章でそれらの事件や関係者が繋がっていることがわかる。特色はそれぞれの事件を扱った章で解決が明示されずに、最後に示された絵や写真で暗示される点である。文庫化にあたって「物語がががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて」という宣伝文句が付されたが大げさだ。でも、面白い試みだし、この作者独特の世界観を堪能できる。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
24

かわかみ
図書館で借りて読んだが、著者の発想のユニークさを味わうのによい本だと思う。ただし、よほどの道尾秀介ファン以外には、買ってまで読むべき本かどうかはわからない。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
6つの短編小説が収められているが読者は、どういう順番で読んでもかまわないという。一つ一つの作品は、サスペンスあり人情噺あり、味わい深い。しかも、登場人物や事件が少しずつ重なり合っているので、読むにつれて先に読んだ作品の理解が深まる仕掛けになっている。相当に緻密な短編集である。ちなみに自分は⑥⇒②⇒③⇒⑤⇒④⇒①の順番で読んだが、最初に読んだ作品と最後に読んだ作品が見事に繋がった。
かわかみ
2024/05/29 10:28

(ネタバレ)ちなみに、それぞれの概要は…⑥同僚を出し抜いて事件の鍵となりそうな犬の行方をペット探偵に探させる女刑事⇒②兄はエースピッチャーという野球少年が言葉を喋る鳥に出会い⇒③妻を亡くした英語教師が異国で物乞いをする少女に出会い⇒⑤アイルランドで終末医療に従事する日本人男性と孤児になってしまう少女の交流⇒④腐れ縁の男に殺されそうになった女は見知らぬ男に助けられたのだが⇒①婚約者が友人とペット探偵を始めた女教師には気になる男子生徒がいて…。

が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
サスペンスの4つの短編小説のオムニバス。事件は3つ同じ町で起きる。交通事故とその復讐、中国出身の少年が経験した恐怖、新興宗教の女性幹部の謎めいた死だが、終章でそれらの事件や関係者が繋がっていることがわかる。特色はそれぞれの事件を扱った章で解決が明示されずに、最後に示された絵や写真で暗示される点である。文庫化にあたって「物語がががらりと変貌するトリックが仕掛けられていて」という宣伝文句が付されたが大げさだ。でも、面白い試みだし、この作者独特の世界観を堪能できる。
が「ナイス!」と言っています。
かわかみ
前作の首都圏篇が香取神宮で終わったのに対して、本作では鹿島神宮から始まり、諏訪大社でクライマックスを迎え、富士山に近い山梨県の縄文神社で巻を閉じるという構成。なかなか読み応えがあった。日本三大神宮が伊勢の他には、香取と鹿島だという事実も関東縄文人とその子孫たちが連綿と繋いで来た営みの重さを思わせる。諏訪大社の項で「ミシャグジ」という神様についての言及があったが、古い神様で具体的なことはよくわからないようだ。だが、本書でたびたび出てくる石神(シャクジン)信仰と何らかの関連性があるのだろう。
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かわかみ
御神域のような聖域が縄文時代からあったとしても驚かないが、それが今の神社にまで繋がっているとは思わなかった。もちろん弥生時代より後に創建された神社も数多いはずだが、本書で紹介されているような立地条件で、付近に縄文遺跡があるような神社は縄文時代から崇められきた聖域と考えられるそうだ。縄文神社は東京にもいくつもあり、そういう意識で参拝してみたいと思った。広範な専門知識を駆使しながら易しい言葉でそれぞれの神社について、解説がされている。神社と縄文時代のご先祖たちに敬意を払いつつ記された中身が濃い本。
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かわかみ
読書メーターを始める前から何回か読んでいる本であり、最初にいつ読んだのかおぼえていないが、コンパクトにユングの思想をまとめたよい入門書である。林道義さんの本を読んだので、思い出して再読した。林さんは文献学的にロジカルに鋭い見識を述べているが、河合隼雄さんはユング心理学を用いた心理療法の臨床家である。言わば現場感覚が豊かなことによる説得力がある。この方には、日本文化についての著書も数冊あるようだが、読んだことはない。村上春樹が世界中で読まれている現代にも通用する日本文化論(日本的自我論)なのか…?
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かわかみ
相互に関連はない5つの短編ミステリーのオムニバス。ただし、物語の真相は重要な登場人物たちにとっても謎を残して終わっている。作品中に掲載されているQRコードを読み取ることで、それぞれの物語の真相のヒントになる音声を聴くことができ、それによって著者の描く事件の世界観に近づくことができるという仕掛けである。その音声を聴けばスッキリと謎が解決するわけでもないところが、何とも言えない余韻を残すのだが。
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かわかみ
良くも悪しくも著者のキャラが立った三部作の最終巻である。無意識に押し込めた自分の性質や傾向を意識化して再統合することが自己の成長となる「個性化」であり、ユングの思想の目指すところというのは理解できる。しかし、その真実の個性がなお普遍的な価値を体現していなければならないと言った時に、「集合的意識」と普遍的価値とをどう区別するのだろうか。ここらへんは言葉で示せる範囲を超えているのだろうか。ユングのナチズム分析はフロムやドラッカーより自分には理解しやすい。ワイマール的現代日本文化の評価も陳腐化していない。
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かわかみ
著者のキャラクターのエグいところも垣間見えるが、総じてわかりやすい入門書である。自我と意識vs.コンプレックスと無意識の関連や、ヌミノーゼを伴う元型の意味、シンボルの意義、正しい夢分析など類書とは一味違う切れ味がある。
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かわかみ
若い頃にJ.P.ホーガンの「星を継ぐもの」を読んだ時は、その結末と想像力に驚愕した。あのSF的発想とストーリーの驚きをまだ味わっていない方は、星野さんのコミックを読む前に原作を味わっていただきたい。
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かわかみ
結局、ドンパチやるのだが、ここまでの展開は実は原作の「星を継ぐもの」の範囲を超えている。星野之宣は「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」の範囲までを含めてコミック化している
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かわかみ
J.P.モーガンの筆による壮大なサイエンス・ファンタジーが原作で、人類の文明の起源まで視野に収める。だが、背景には第二次大戦が終わった後も、冷戦が続いた国際関係の現実があり、それを反映したようにも思える。つまり、平和を希求するモチーフがあるのだが、それだけではエンターテインメントにはならないので…。
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かわかみ
地元にまんがと絵本専門の有料図書館があることは知っていたのですが、初めて訪れたのでした。
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かわかみ
著者は日本におけるユング心理学の権威の一人である。河合隼雄氏のように臨床を行ったわけではなく文献からユングの思想を読み解いて、時には自分流に翻案しながら紹介に努めてきた人である。本巻では性格(タイプ)論、異性の元型イメージ、神と人間についてのユングの思想が語られている。クセも感じられるが、これまで他の有識者の著述を読んでもわからなかった点について、踏み込んで解説されており、自分にとっては有益だった。三部作の第二作を最初に読んでしまったので、これから第一作を読もうと思う。
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かわかみ
社会学者がテレビのコメンテーターとして意見を求められる機会もあるようだが、カオスのような学問だから当てにしていない。本書も暇つぶしに手にしたに過ぎないのだが、意外に面白かった。終盤の現代社会学を扱った章ではカオス感が拭えなかったが全体として、社会学の学説を上手く整理して、標準理論のように提示してくれている。社会学の厄介なのは社会調査や統計を駆使した仮説ー検証の科学的な方法に基づく見解と、思想や哲学みたいなフワッとした話が混交しているところだろう。そういう自分も社会学部卒なのだが。
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かわかみ
1571年にヴェネツィアは欧州諸国や法王庁に呼びかけて戦ったレパントの海戦でトルコに勝利した。しかし、時代は都市国家の時代から君主を戴く領域国家が海外植民地を開拓する時代に移り変わっていった。またヴェネツィア国内では、17世紀から進んだ工業化による一部貴族の没落や新興階級の閉塞感のために、指導層の硬直化と社会の分断も見られるようになった。18世紀には最早強国ではなく文化のみが残ったが、終にはナポレオンの軍門に降って独立を失った。ヴェネツィア人が愚かだったのではなくて時の流れには逆らえなかったのだ。
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かわかみ
ヴェネツィアには、マクニールの著書を読んでから、興味を抱いた。本書は、蛮族の侵略を駆逐できなくなった西ローマ帝国末期、災禍を避けて海辺の僻地に集まった民草たちが、交易に活路を見出し、協力して強国を創り上げ文化を花開かせた奇跡のような物語の前半。個人主義的で自由だが内紛が絶えなかったジェノヴァと、民主制だが個人の突出を嫌い企業のように合理的、効率的に統率されたヴェネツィアはライバルとして争った。国柄と制度の優劣は何とも評し難いが結果的に残ったのはヴェネツィアだった。一貫した現実主義が弱者を勝者にした。
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かわかみ
多岐にわたる現下の経済事象について、一つ一つ整理して趨勢を予想し対応を述べた本。難しい経済理論は使わず、ふつうのサラリーマンや投資家にも理解できるように咀嚼している点と、著者の守備範囲の広さは評価したい。ただし、著者の誠実さ故にでもあるが、個々の事象の解説から日本や世界全体の動向が浮かび上がっているかというと話は別だろう。小さな政府の新自由主義路線で来た日本だが、今後は政府の役割を増やしていってはという提言など目を引く見解もあったけれど。自分の頭で考えるために多くの材料をくれる本かなと思った。
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かわかみ
最終巻はアレキサンダー大王の東征とヘレニズム世界の創出に充てられた。父の早逝のため若くして王となった彼は、小が大を破る天才的な戦術で采配を揮っただけではなく先見性と戦略性を備えた賢王でもあった。彼の東征はペルシャに圧迫されて来たギリシャ世界の歴史的経緯を踏まえたもので闇雲な征服欲に駆られたものではなかった。兵を大切にし、征服地は搾取せず同化することによってコスモポリタン的なヘレニズム世界を創出し、ローマに継承された。竹馬の友を病で失ってから間もなく彼自身も33歳で病没したが、偉大な生涯だった。
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かわかみ
ネタバレやっと工学校を卒業できた平太の親父は村長さん。建築士の実力はないが、公共施設の建築を請け負うと大工たちも愛想はよい。でも格好だけつけている平太が可笑しくて下を向く。完成したら設計ミスの欠陥建築。恥ずかしくて東京に逃げたが実力がないから、邪険にされる。でも実家への便りには、さも東京で成功したかのように伝える。そのうち、おふくろさんが病に伏せた報せを受けて故郷に帰る。荷物なんてないのに見栄をはって革製の大きなトランクを新調するから移動するにも一苦労。戦前の村長は公選ではなく有力者が就く名誉職。バカ息子の滑稽譚
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かわかみ
ペロポネソス戦争の敗北後、アテネは軍事的にも経済的にも凋落したが、他方でスパルタもリクルゴスが定めた体制から脱皮することができなかった。後にテーベがスパルタを破ったものの中規模ポリスであり覇権を得るに至らず、ギリシャのポリス世界にはリーダーが不在となった。この間に力をつけてきたのがフィリッポスが率いるマケドニア王国だった。テーベとアテネは連合を組み、カイロネイアでマケドニアに決戦を挑むが大敗し、戦後処理でテーベは滅びた。フィリッポスは連邦という形でのギリシャ統合、ペルシャへの侵攻を決めた矢先に暗殺された。
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かわかみ
陰謀論ではないが、今後の国際政治経済は民主的ナショナリズム、独裁的ナショナリズム、無国籍企業的グローバリズムの3つの勢力の相克で動いていくというのが基本認識。最後の無国籍企業的グローバリズムというのがわかりにくい。本書を離れるが、ジェフ・ベゾスが国際会議で米政府がベーシックインカムと似た政策を導入することを訴えて会場の喝采を浴びたそうだ。しかし、この話は一皮剥くと多国籍(無国籍)企業であるAmazonは米国に税金を納めたくないが、米国民にはAmazonで買って欲しいという話。真偽不明だけど。
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かわかみ
本号の特集は「藤原道長」。NHK大河ドラマを睨んでの企画だろうが、大雑把に言うと一族の中で宮廷における地位を争って勝ち残り、栄華を極めたと言うだけの人である。紫式部が源氏物語を執筆する上で何らかの貢献はしたかも知れないが、兄の娘(定子)が既に皇后に収まっているのに自分の娘(彰子)まで皇后にゴリ押しして一帝二后を強いるなどえげつなさ過ぎる。この人が生まれたのは966年だが、その27年前の939年には将門と純友が朝廷に謀反を起こしている。空也が市井で念仏を勧めたのも10世紀半ばのことだった。呑気なものだ。
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かわかみ
理を説いて民衆を納得させる弁舌力と将来を見通す先見性とで民主政のアテネを繁栄に導いたのはペリクレスだったが、彼が病没してからは民衆の情に訴えて扇動するデマゴーグが跋扈するようになり、ついにはペロポネソス戦争で国を滅ぼした。しかも、この戦争は終盤になるまでアテネとスパルタの直接的な対戦はなく、戦争を終結させるチャンスは何度かあったにも関わらずである。その都度、戦争を長引かせたのはデマゴーグと彼らに扇動された民衆であった。著者は<ソクラテスは正しかった。己を知らなかったアテネは自滅したのだ>と総括した。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/08/18(1779日経過)
記録初日
2007/05/13(6259日経過)
読んだ本
812冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
203209ページ(1日平均32ページ)
感想・レビュー
812件(投稿率100.0%)
本棚
23棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/mshr3033
自己紹介

会社勤めをリタイアして、東京の多摩地域で悠々自適の日々を送っています。 趣味として、クラシックギターを下手の横好きで習っています。

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