読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

azi_tarou
読んだ本
14
読んだページ
5012ページ
感想・レビュー
14
ナイス
110ナイス

2024年10月に読んだ本
14

2024年10月のお気に入り登録
2

  • 相楽(twitter:sagara1)
  • 一会

2024年10月のお気に入られ登録
2

  • 木
  • 一会

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

azi_tarou
ネタバレすごい。本編の大半が作中小説という構成にまずは息を呑む(当然目次は別にあるし奥付まで用意されてる!)。迷路館という舞台は過去作の館同様仕掛けに溢れているが、今回はそれにとどまらずこの作中小説を読んだ上での真犯人推理という、更に一レイヤー上のギミックを仕込んでいて思わず唸ってしまう。作中でのミステリ談義は十角館から更に踏み込んで現実味があり、この小説が書かれた当時のミステリ界隈が忍ばれると同時にこの作品で読者を楽しませてやるぞ、という作者の気概が感じられて本当に面白い。すごく良かった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
14

azi_tarou
ネタバレ超面白い。猟奇的殺人事件で叙述トリックで淡い青春でライトノベルで本格ミステリでもある。残酷な犯行も淡々とした描写によって文章に臭みはなく、殺人犯の孤独感や残された遺族の感情もフラットで表現されていて読みやすく、そして先が気になりすぎてページをめくる手が止まらない。死のファムファタっぽかった森野さんがその実巻き込まれ系ヒロインで、マジでヤバいヤツだったのは主人公くんという種明かしは痛快ですらある。これまでのエピソードをまるっと伏線にした「声」の顛末にデカい声が出た。確かにさあ!愛想振りまいてたけどさあ!
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
お、おもしれ……。殺人に異様に興味のある少年少女が猟奇殺人事件に遭遇し、好奇心から犯人調査に乗り出すクレイジーダークミステリで「教室で犯罪とか殺人の本を読んでるぼっち陰キャ学生」ド真ん中すぎて本当にビビるが、このナリで(失礼!)ちゃんとミステリをやっているのが変なところで真面目で関心する。いつ残酷物語に転げ落ちるのかヒヤヒヤしたが、主人公くんと森野さんの滑らかな殺人&自殺トークが非常に心地よく、ジュブナイルらしささえ感じるのは思わぬ収穫だった。陰鬱で死体がいくつも転がってるのに素晴らしく爽やかな読了感。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
児童文学チックな物語かと思ったがブラックユーモアに改変された童話がいくつも織り込まれており、なかなかにエグい内容。とは言えそれらもデイヴィッドが見て聞いて感じたことと心情描写に深く根付いており、ただただナンセンスな要素というわけではない。「君たちはどう生きるか」が影響を受けた本というのも分かるが、読んでいる間に感じたものとしては宮部みゆきのブレイブ・ストーリーに近いかもしれないと思いつつ、そしてそれらにはない最終章の重みに思わず長い息を吐いてしまった。子どもが大人へと成長する階段の踊り場に置くべき本。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
マレーシアの風土がよく描写されていて観光気分が味わえるミステリ。何と言ってもウリは密室殺人だが、そのトリックが解明されないまま次の事件が発生するのでヤキモキする。マレーシアが舞台といいつつ事件の関係人物は日本人や日系人で固められているのでそれほどカルチャーギャップを感じることもなく、マレー警察も割と捜査に協力的なのはご愛嬌か。それにしても、火村の真犯人と相対した時の異常性というか、悪や犯罪に対する異様な姿勢は終始ハラハラするし、個人的にここが一番刺さるシリーズだと感じる。アリスと一緒にヒヤヒヤしてます。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
後半へ差し掛かるにつれて「思ってた流れと違うぞ……?」という感覚はからくり館が定番化しつつある作品を逆手に取っていて異色作と言われるのも頷ける。序盤も序盤から語り手の謎が散りばめられ怪しさ満点なのだが、どこからが真実でどこからが真実でないのか、このシリーズで殺人トリック以外のミステリ要素はなかなか新鮮味がある。事の真相は読み終えた後では成る程と思える一方で、読んでる最中の犯人探しのタネはあまりパンチがなかったかもしれない。推理よりも語り手の心境の方が趣深い。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
ネタバレ生まれてくるはずだった姉のいる世界に迷い込むと、そこは自分のいた世界よりもちょっとずつ良い世界だった。両親は仲睦まじく、兄は事故に遭わず、そして……恋人も生きている。自分と姉、二つの世界を照らし合わせるうちに「お前は間違い探しの間違い側だった」を突き付けてくる残酷さ。正直言ってリョウが悪いことは何一つもないのだが、こうも姉との違いを見せつけるのがマジでキツく、特にラスト一行には思わず「クソがよ〜〜〜!!」と本を放り投げそうになった。こんな薄い本なのに容赦なく心をベコベコに凹ませてくる。スナック感覚の猛毒。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
ネタバレ最高のエンタメ推理小説。おぞましい男の所業、忌まわしい因習、戦前の古い価値観が至るところに残る貧村で起こる連続殺人。全てが疑わしく見える登場人物に翻弄され、謎が謎を呼ぶ証拠品に頭を捻り、隠し穴から続く鍾乳洞の広大さに驚愕し、そして疑心と怒気に駆られた人間の恐ろしさにヒリヒリする。そして陰鬱なタイトルから想像もできないほどの大団円を迎える素晴らしい体験。犯人探しのミステリに宝探しの冒険にラブストーリーに本当の父親を巡る人情話と、今読んでも全く色褪せない面白さがある。本当にすごい。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
ジンクス・ショップという眉唾ものの店を中心に能力バトル、組織間抗争、一般シリアルキラーの介入と、要素も多く登場人物も入り乱れる群像劇だったが、赤い糸に導かれていくようにどんどん脱落者が出ていく様は気持ちがいいくらいでありキャラクターと構成の舵取りが痛快。終わって振り返るとありふれたひとつの流行り廃りの終焉でしかないのだが、失ったもの得られたものの教訓の描き方が胸をすく思い。それにしても野良のMPLSがどんどん出てくるのでどうなってんだこの世界はよォ!!
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
少年少女にボニーとクライドじみた犯罪逃避行をやらせるのが日本一うまい小説。犯罪そのものの描写はあっさりしていてクライムアクション感はあまりないのだが、実行犯のみならず頭脳犯までジュブナイルたっぷりでめちゃくちゃ面白い。対照的な性格のバディがかえってバランスが良く見えてくるのが絶妙で、青臭く、若さに溢れ、恋愛とも言い難い間柄がユニーク。パンドラとはまた違うロードムービー感があり、改めて引き出しの多さに舌を巻く。プロローグからエピローグまでノンストップでガーッと進行していくのが映像的。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
シリーズものをやりながら独立した話を創造するのが巧すぎて本当にすごい。強くしたたかで、されど等身大の少女による嘘で飾られた物語。能力が、家族が、交友関係も嘘で塗り固められながらも、自分のあるべき居場所を何処かに見いだしているようでやはりジュブナイルの味だし、霧間凪は強く賢く友人思いの気持ちのいいやつだ。タフな物語にどこか哀れな悪役、そしてブギーポップは超然とそれらを見下ろす。爽やかな風のような読了感。めちゃくちゃ面白い。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
ネタバレすごい。本編の大半が作中小説という構成にまずは息を呑む(当然目次は別にあるし奥付まで用意されてる!)。迷路館という舞台は過去作の館同様仕掛けに溢れているが、今回はそれにとどまらずこの作中小説を読んだ上での真犯人推理という、更に一レイヤー上のギミックを仕込んでいて思わず唸ってしまう。作中でのミステリ談義は十角館から更に踏み込んで現実味があり、この小説が書かれた当時のミステリ界隈が忍ばれると同時にこの作品で読者を楽しませてやるぞ、という作者の気概が感じられて本当に面白い。すごく良かった。
が「ナイス!」と言っています。
azi_tarou
決闘、果たし合いとも言うべき展開できっちり魅せてくれたことが嬉しい。思えばこれまでの異能力描写は恐ろしさ、不可思議さに重きが置かれていたのでスーパー超常バトルもやれるんだぞ、という声明のようにも思える。もちろん戦闘パートだけでなくエンブリオがもたらした力のおぞましさや正体もこれまでのブギーポップらしいものだったので満足感があり、今後の話の本筋らしき伏線もブワッと撒かれたのでいい意味でラノベらしくなってきた。フォルテッシモ、いいキャラしてる。
azi_tarou
異能の力を呼び覚ますたまごっち……ってコト?本格的な能力バトル展開に若干戸惑う。対象を直接殺傷するフォルテッシモの能力も強いのだが、これまでの概念的な「世界の敵」に比べるとダウンスケール感はある。死線が見える、空間を引き裂くなど、陰謀ではなく戦いにロジックを持ち込む形にシフトしつつ、節々に剣客小説のエッセンスが感じられるのは嫌いじゃない。
azi_tarou
さんざん異能力でドンパチやってきたのに、何でこの場に及んでアイスクリームの話を?という疑問は早々に消え去ってしまった。人の痛みをアイスクリームで消し去るという不思議な力に説得力を感じるのは、嗜好品の持つ特別感のためだろうか。過去に退場した人物も代わる代わる登場し関わり合いを見せる様は同窓会のようで楽しくもあるが、「痛み」の能力が明かされた後には何もかもが綺麗さっぱり無くなってしまった。形あるものだったはずの人間が溶けてなくなり、甘さの欠片もなくただ苦味だけが残ったかのような読後感。名作すぎる。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/09/04(1906日経過)
記録初日
2020/02/21(1736日経過)
読んだ本
232冊(1日平均0.13冊)
読んだページ
73808ページ(1日平均42ページ)
感想・レビュー
227件(投稿率97.8%)
本棚
2棚
外部サイト
URL/ブログ
https://note.mu/azitarou0
自己紹介

雑食です。小説、漫画、その他いろいろ。エンターテイメントを血肉に変えてクオリティオブライフを高める活動をしています。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう