読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

原玉幸子
読んだ本
12
読んだページ
4043ページ
感想・レビュー
12
ナイス
279ナイス

2024年3月に読んだ本
12

2024年3月のお気に入り登録
1

  • hasegawa noboru

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

原玉幸子
(相も変わらずですが)関わる人達を余り死なせないで欲しいなぁ、と思うこと以外は、「人は其々事情を抱えて生きている」ことを大きな枠組みに、小説という手法で、感性が理性を凌駕してしまう恋愛の瞬間の言語化する難しさを、登場人物の設定と展開で表現していて、凄くいい作品だと思います。作者の意図的な演出と思いますが、主人公の食への欲動(の描写)が、フィクションを唯のフィクションとせずに、現実的実際的な感覚に思わせてくれるのは、妙味でした。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
12

原玉幸子
(相も変わらずですが)関わる人達を余り死なせないで欲しいなぁ、と思うこと以外は、「人は其々事情を抱えて生きている」ことを大きな枠組みに、小説という手法で、感性が理性を凌駕してしまう恋愛の瞬間の言語化する難しさを、登場人物の設定と展開で表現していて、凄くいい作品だと思います。作者の意図的な演出と思いますが、主人公の食への欲動(の描写)が、フィクションを唯のフィクションとせずに、現実的実際的な感覚に思わせてくれるのは、妙味でした。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
ガキの頃の絵本と「小人の国の次は馬鹿でかい人間の国が出て来る」とのイメージぐらいしかありませんでしたが、それよりも、ほら話や空想話として面白いとは言え、全てが政治や社会に対する皮肉がベースになっているで、「よくこの作品を絵本にしたもんだなぁ」と、最初に目を付けた人の炯眼に感心しました。章毎、冒険毎に段々その批判の度合いが強まっていって、最後の馬の国(フウイヌム族とヤフー)の話は強烈。でも、本作品を通じて学ぶところはなく、湧き起こるのが楽しみよりも嫌悪感とせば、何これ、となります。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
『ノースライト』以来の横山2作目。腐さずとも「人が死ぬのはなぁ」とか「ドンパチ映画みたい」とかエンターテインメント小説を娯楽批判的に言っていましたが、精神的に疲れた時の気分転換には最適で、本作品も、話の展開が次から次で切れないので途中で止められずに、感覚的には略一気読みでした。いい人と悪い人の書き分けが極端な構成には笑ってしまいますが、何より、完全なハッピーエンドにせず、「人は其々事情を抱えて生きている」を、作品の余韻として残してところに好感が持てます。スペシャルいい感じ。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
「思索は言語化」との、哲学が言語学に収斂されることには感覚的に同意するので、気持ちは完全に向き合っていたのですが、正直なところ、読み終えるのが辛かった本でした。要素主義、命題関数、文脈原理、合成原理、確定記述、記述理論、全体論的言語観、指示対象、意義…… いや、分かったから。で? 無理に記号と論理で全てを語り尽くそうとすることに無理があるのでは。印度哲学の流れを汲んだ、仏教用語の「観照」で、「そこに何かがある」ことを理解すればいいのではないでしょうか。(●2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
Sexualityの反義語的なAsexualityの頭3文字を取ってASE=ACEを呼ぶ、性的指向者に関するレポートです。今となっては、若い時ほどには「性こそが自身を語る」とは思わなくなりましたし、性的指向は完全プライベート、即ち他人に口外しないなら何を求めてもいい、逆に常人ぶって他人に(社会的にも)指向を押し付けないことで皆が理解・納得(世界が形成)出来るのであれば、ACEって敢えて分類や定義せずに全ては事足りる様な気がします。「理解が無いから偏見が残る」とは、格好つけ過ぎな言い方?(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
体にいいと言われるトマト。それが缶詰にされるトマトピューレの原料生産(収穫)~製造~販売は……真っ先に思いついた『チョコレートの真実』(キャロル・オフ 北村陽子訳:英治出版)もそうでしたが、行き過ぎたグローバル資本主義が作り出す歪と言うか、正しく地獄。取材時期と場所が章毎に錯綜し、又抒情的記述もあるので「ん?」と感じたりもしますが、本ルポタージュの問題の核心の捉え方と取材力は秀逸です(本当にイタリアで出版停止になったの?)。中国人は、やっぱり拝金主義者なだけなのかと。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
「色覚異常は悪いことでも何でもない」と自分に言い聞かせていたものの、ガキの頃はその人との違いに落ち込むこともありました。歳を取ってからは、常人と見えて感じている世界がどのように違うのだろうと考えるようになり、時に、斯かる本にヒントを求めるのです。でも残念乍ら本書は、歴史的社会的に取り上げられた流行色を解説してあっても、一言で言えば流行を追っただけの記録の羅列なので、感慨深く成程なぁと思うことはありませんでした。(マスターズのグリーンジャケットに言及しなくていいのかな、と。)(●2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズを愛読していたので、ポーの作品も昔読んだはず。でも、全く記憶がありませんでしたし、改めて『黄金虫』がどこかで推奨されていたので、入眠用に読みました。(今や「通勤時間」が無くなったので、読書全てが入眠用ですが。)サイモン・シン『暗号解読』を思い出させる『黄金虫』が、正しく「これが推理小説だ!」ですが、展開やオチに、あっと驚く大どんでん返しがあるとかどうとかではなく、「推理小説」とのジャンルを創造したポーという作家の歴史的な作品として読むものです。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
文字通り、青少年にありがちな典型的な悩み「私は生まれてこないほうが良かったのでは……」への答え考える哲学で、文学、ショーペンハウアー、インド哲学、仏教、そして、西洋哲学に戻ってニーチェを追う構成に、著者の思考の重ね方が見えます。哲学は、語りっぷりが屁理屈のこねくり回しなだけに見える時は退屈だったりすることもあるのですが、著者自説の件はぎりぎりOK。インド哲学からニーチェ(誕生肯定の著者解釈!)に展開する辺りで「おぉ~、そうやなぁ」と嬉しくなります。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
イラストや写真を駆使した構成なので、「これを本と呼ぶかぁ~」と思いつつも、高橋和夫が監修し解説していることでも馴染み易く、寝床の友にいい感じで、重宝しました。小学校で日本の歴史を学びましたが、中東の人々は、正確な西暦年は別にして流れだけでも頭に入れるのが大変と思います。(本書もどこがスッと頭に入るんや!と言いたくなるぐらい。)恐らく何度も読み(眺め)直すことになります。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
二次元世界の主人公が、一次元世界の人間(?)を馬鹿にして、三次元の世界の人(?)から馬鹿にされるとの漫画チックな物語。一見面白いのですが、実は設定と展開が「まぁそうだろうなぁ」と淡白にも思うので、残念乍らのめり込めず、評価の難しい作品でした。漫画的故には許容すべきなのかも知れませんが、階級・格差社会を称揚する様な設定に加え、作品の質を変えない程度に削除したとの女性蔑視なところは、読んでいて不愉快に思うぐらいには、「ん?」と引っ掛かります。(●2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
最初の「茶道の本質は、不完全ということの崇拝……」との文章から心を掴まれ、茶の歴史は別にしても、禅、茶室、芸術鑑賞、花、そして千利休の死に至る迄の茶人に就いての天心の解説に感動します。又、訳者による其々の「解説ノート」、『東洋の理想』と『天心の生涯』を付け加えて本に仕立てたところに、(恋多き天心は波乱万丈とも言え、そして、バネルジー夫人に送った最後の手紙の表現が素晴らしい)「『茶の本』が小説になっている!」と、大袈裟でもない驚愕の感動です。(◎2024年・春)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/10/15(1657日経過)
記録初日
2019/11/16(1625日経過)
読んだ本
1356冊(1日平均0.83冊)
読んだページ
412640ページ(1日平均253ページ)
感想・レビュー
1356件(投稿率100.0%)
本棚
12棚
年齢
57歳
血液型
A型
現住所
東京都
自己紹介

或る時ふと、自分には時に感じる得も知れぬ感覚を言語化する訓練がもっと必要であろうと思い立ちました。そして、自身の経験に照らしての共感や、ほほぅとの新しい気付きもある読書を通じて、それらの所感を書き留める作業がそのスキル向上の一助になると考え、暫く遠ざかっていた読書を再開するようになりました。複雑な感情を表現出来るようになれば、自身の情感も豊かに……なればいいのに。近5年に遡り、「◎推奨、●推奨せず」も交えて私の読書メモを記述していきます。(2019年11月)

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう