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2024年5月の読書メーターまとめ

原玉幸子
読んだ本
8
読んだページ
2658ページ
感想・レビュー
8
ナイス
186ナイス

2024年5月に読んだ本
8

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

原玉幸子
エンタメ小説には、つい「映像的」と言って軽く見た風に評してしまうのですが、本作品は、設定も展開も最後の結末も劇的で、登場人物の善と悪が行ったり来たり、「人間は一側面だけで判断してはいけない」をひしひしと感じます。「あ、あかん、惹き込まれた上に感情を揺さぶられてしまう」。斯かる類の小説は余り読まないのです(評するのも憚られます)が、傑作と言っていいでしょう。次から次に作品を発表する、どこかの国の流行作家とは違う(時間や年数を掛けて渾身の作品を完成させる)と信じたいと思います。(◎2024年・夏)
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
8

原玉幸子
エンタメ小説には、つい「映像的」と言って軽く見た風に評してしまうのですが、本作品は、設定も展開も最後の結末も劇的で、登場人物の善と悪が行ったり来たり、「人間は一側面だけで判断してはいけない」をひしひしと感じます。「あ、あかん、惹き込まれた上に感情を揺さぶられてしまう」。斯かる類の小説は余り読まないのです(評するのも憚られます)が、傑作と言っていいでしょう。次から次に作品を発表する、どこかの国の流行作家とは違う(時間や年数を掛けて渾身の作品を完成させる)と信じたいと思います。(◎2024年・夏)
が「ナイス!」と言っています。
原玉幸子
現代の作家らしく表現が軽い感じがしますが、ノンフィクションでも小説的に読むことが出来て、頗る面白いです。面白いと言うより、作家が切り取る世界と感覚体を通じで湧き起こる心の動きが、切実で迫真で激烈で、そして後悔も怒りも赦しもある、本を通じての感情移入、ありったけの人間性、その情感の浮き沈みに興奮します。若干ですが、盲目の人への配慮がない表現が少し気になりますがいい作品です。沢木耕太郎『凍』他、「山岳小説」での緊張感を思い出しました。陳腐は表現ですが、臨場感が緊張感であり感動なのかも。(◎2024年・夏)
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原玉幸子
宗教社会学、宗教心理学、世界/日本宗教史学、儀礼論…よくもまぁ、これ程の分類があるのだと、構成の凄さに吃驚する反面、幅広過ぎるが故にどこの分野でも突出するのも難しいのであれば、研究者の不遇もありやとも思います。「宗教学を網羅的に設定するとどうなる」とAIに問合せたかの様な、朝日新聞社の発想力と(島薗進以外は知らない学者ばかりでしたが)知的労働者とのネットワークに感心しました。私立校だけではなく、公立校でもきちんと一般教養として授業に取り入れるべきかと。エリアーデを読んでおいて良かった。(◎2024年・夏)
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原玉幸子
個人的な興趣として、「推理小説や刑事犯罪モノは、次々人が死ぬから厭だ」とよく言ったのですが、本作品については、全ての流れと辻褄が合うことになる謎の解き方(解明され方?)や、終盤のどんでん返しが大袈裟でなく驚愕しますので、感想は一言、「いやぁ~、参った」。読書感覚は、脚本化してもいいのではと思う「映像的」ですが、展開が実によく練り込まれていて、出色の出来のエンターテインメント小説です。推奨有難うございました。(◎2024年・夏)
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原玉幸子
何を参照して手に入れたかが思い出せないのですが、「一神教を信じるのは○〇や」、「インド哲学から派生した宗教が分かりやすい」等、自分なりの宗教観やイメージのある人にお薦めとなります。エリアーデが、居住、時間、水や植物の自然、通過儀礼等々と宗教との関わりを論じ、(ちょっとお節介な気もしますが)訳者が儒教仏教に就いて補足!しています。仏教にある「山であって山でなし、川であって川でなし」(印哲学ではそれが宇宙の包摂まで繋がっている)との宗教・哲学イメージ観で全てが語ることが出来る気がします。(◎2024年・夏)
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原玉幸子
O・ヘンリ初め「短編の名手」なんて称号が世界各国の作家と作品を評してそこいらじゅうにありますが、企図、オチ、理念、狙い等の言葉を選んでいるうちに作家のあざとさが見えるようで、ちょっと考え込みました(考えずにさっさと読み進めて、考えていたこと自体を忘れてしまった?)。巻末解説と訳者の紹介で知りましたが、本作品は『ティファニーで朝食を』のカポーティの駆け出しの頃の作品群で、若い(が故に作品として一つ一つ評価云々より)、歴史的史料との位置付けとのことでした。カポーティのファンの方へ、どうぞ。(●2024年・夏)
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原玉幸子
訳者が『四次元が見えるようになる本』の根上だったので、「いつ目から鱗で面白くなるか」と信じて読んでいたのですが、最後まで難しいのなんの、全然素人に優しくない本でした。トポロジー周り?で何となくイメージしている、ケーニヒスベルクの7つの橋問題、四色問題、クラインの壺、そしてポアンカレ予想やそれを解いたペレルマンを追ったNHK番組等々が、へぇーっ繋がるの!と吃驚。でも、結び目、グラフ理論等々、知らない&分からない用語が100個どころでなく1兆個ぐらい出て来ますので、脳味噌は略フリーズ状態。(◎2024年・夏)
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原玉幸子
昔、隣の市に「日本で二番目に美味しいラーメン屋」との暖簾のある店と同じ様に、絶対「一番は何?」と問われるのが必然の表題です。恐らく店主の答えは「(一番は)家で作るラーメン」だと思います。本書も同じく、と言いたいところですがもっと単純で、正しく米国の数学者を対象にしたアンケート結果とのことです。一番が、超易しい入門書を読んでも全く分からなかったオイラーの公式で、二番目が、頂点、辺、面其々の個数を表したオイラーの多面体公式:V-E+F=2で、要は、オイラーは美しいらしいです。(◎2024年・夏)
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/10/15(1712日経過)
記録初日
2019/11/16(1680日経過)
読んだ本
1364冊(1日平均0.81冊)
読んだページ
415298ページ(1日平均247ページ)
感想・レビュー
1364件(投稿率100.0%)
本棚
12棚
年齢
58歳
血液型
A型
現住所
東京都
自己紹介

或る時ふと、自分には時に感じる得も知れぬ感覚を言語化する訓練がもっと必要であろうと思い立ちました。そして、自身の経験に照らしての共感や、ほほぅとの新しい気付きもある読書を通じて、それらの所感を書き留める作業がそのスキル向上の一助になると考え、暫く遠ざかっていた読書を再開するようになりました。複雑な感情を表現出来るようになれば、自身の情感も豊かに……なればいいのに。近5年に遡り、「◎推奨、●推奨せず」も交えて私の読書メモを記述していきます。(2019年11月)

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