「生殖記」は「正欲」のテーマを突き進んだものかと思いきや、文体と目線と砕け方が全く違った作品だった。とても同じ作者さんとは思えない、朝井リョウさんの才能は素晴らしいですね。「生殖記」は読書中は混乱する箇所もあったが。読了後はじわじわとくる作品だった。

東野圭吾さんの昔の作品を久しぶりに読んでみました。「さまよう刃」は裁きに関しての葛藤か、少年法に疑問を投げかける作品で、正に少年法改正となりました。最後はあまりにも切なく、理不尽さに怒りも込み上げてきました…。傑作だと思います。

「復讐するは我にあり」の意味が良く分かりました。復讐しなくても、自然と自滅する。納得です。そして最後の章「神戸美菜代の復讐」は、成海が男前でしたね。これは続編を期待します。

「最高のアフタヌーンティーの作り方」の続編。達也と涼香とのその後が描かれている。それぞれの「結婚」とは…をテーマとした内容。考えさせられる一冊でした。日本も変わらないとですね。

久しぶりに泣いてしまった。昔はこんなオカンが多かったかも…。リリーさんの実話ですよね。オカンの息子を思う愛情がひしひしと伝わってきた。闘病の場面は辛かったな…。親孝行しないとと感じさせてくれた一冊。

青山美智子さんの作品はどれも好きですね。アンデルセン物語「人魚姫」からこのようなストーリーになるとは。登場人物の繋がりと、決してどの話も嫌な結末にならない。癒されますね。欲を言えば、友治と理世の会った話も読みたいですね。

働いて、自分へのご褒美に朝にお酒。いいなと思う。色々なお店の料理もこれまた美味しそうですね。恵麻がだんだんと強くなっていくのが感じられる。前向きになれる作品でした。まずい。「ランチ酒」未読でした。

佐藤正午さん初読みです。遅ばせながらの「月の満ち欠け」読了です。前世の記憶をもち生まれ変わる。何故なら愛する人に会うために…。久しぶりに恋愛小説を読み、新鮮な気持ちになりました。

「死刑について」を先に読んだのですが、この作品に思う事が既にあったのだなと思いました。平野啓一郎さん文学作品は初読みです。亡くなった「ある男」を探すという中に、加害者家族、死刑について、ヘイトスピーチ。問題提起をしながら、作品が出来ていて、とても読み応えがありました。

瀬尾まいこさんは好きな作家さんです。登場人物が皆んな優しくて、嫌な終わり方をしない事。癒されます。PMSとパニック障害。当事者じゃないと分からない辛さをお互いに理解し、助けあおうとする。誰しも、人生色々な辛さを持っている。人は助け合いながら、前に向かっていくのだな…。瀬尾まいこさんの「人は優しい」が滲み出た作品ですね。

一言で表すなら「澄んだ物語」。かな。補聴器製造会社に勤めた故人の評価から、故人の若かりし頃…。と思うのだが、そうではないかもしれない、不思議な世界観が漂う5話からなる作品。外耳から鼓膜という不思議な形をした器官がより不思議さを醸し出しているかも…ですね。

「生殖記」は「正欲」のテーマを突き進んだものかと思いきや、文体と目線と砕け方が全く違った作品だった。とても同じ作者さんとは思えない、朝井リョウさんの才能は素晴らしいですね。「生殖記」は読書中は混乱する箇所もあったが。読了後はじわじわとくる作品だった。

主人公は「成瀬」のように突き進んでいく感はない、結婚マエストロと呼ばれる鏡原ではなく、ウダツの上がらない40歳のフリーライター猪名川健人。「ドリーム・ハピネス・プランニング」との出会いで、彼の生活に転機が訪れる。これはこれで楽しめた作品だったが、個人的には「成瀬」3巻、待っています。