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2024年5月の読書メーターまとめ

三編 柚菜
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感想・レビュー
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2024年5月に読んだ本
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2024年5月のお気に入り登録
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  • ちい
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2024年5月のお気に入られ登録
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2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

三編 柚菜
ネタバレシリーズは完結したものの、そこに寂しさはあまりない。それは二人の関係がまだ続いてくれることへの期待からでしょう。小鳩の轢き逃げから連鎖して三年前の轢き逃げが浮き彫りとなり、ベッドディテクティブとして何が起きたのかを探る過程に夢中になった。小市民の始まりを知れたのは大収穫です。犯人との対峙、そして鐘のなる夜のやり取りはシリーズとしての掉尾に相応しい。変に関係を進展させないところも、さらりとして良かった。肝心の小市民への道はつまり、自分を受け入れる道であったわけですね。次があるなら春期限定宇治抹茶事件かな🍫
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2024年5月にナイスが最も多かったつぶやき

三編 柚菜

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2024年5月の感想・レビュー一覧
19

三編 柚菜
青崎有吾、阿津川辰海、伊吹亜門、似鳥鶏、真下みこと。ニュージェネレーションのミステリ作家は、普段からどんなミステリを面白いと思っているのか。これは絶対的なプライベート空間である彼らの脳内を覗くミステリ解体新書であり、ファン垂涎の一冊でもある。古今東西古典から最近の作品まで網羅しているので、ミステリ入門書としても最適。ミステリ通ならば新たな視点を取り込める発見がある。もしくは読んでみたくなる。こんな贅沢なツアーを読み逃すのは惜しいことでしょう✈️
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三編 柚菜
ネタバレ何気なく関係を続けている友達がいる。でもそれってどうしてなんだろうと考えたとき、そこにはきっと自分なりの大切な理由がある。「相手に告白させる」大人気ない作戦の上に成っているのは、他人を見つめ直した際の特別を自分と今と将来へ還元する作業だった。幸せになってほしいと心から願えることがこんなにも尊いことだなんて。響貴の悲恋は切ないが彼の折れぬ意志が哀しさを払ってくれる。あらゆる可能性は今を選んだ私に関係ないと言い切るラストは、力強く爽やかな余韻を残した。よる先生の噛み砕く度に染み込んでいく文がやっぱり好き🔫
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三編 柚菜
ネタバレ凄絶な虐めと家庭の不和。そこに垂らされる、『毒』という名の蜘蛛の糸。妖しく、禁忌を犯す背徳的で甘美な計画。果たして成功するのだろうかと思いながら読み進めていただけに、夕実が亡くなったときには驚いた。そこからひじりの周囲にいた人間が不可解な死を遂げるようになり、物語が暗鬱の色合いを濃くしていく。そして種明かしではタイトルの意味も露わとなり、遅効性の毒が効くように重たい余韻を残した。『解毒』は即ち『殺し』である。全てが巡り終える前に、ひじりは生き延びることができるのだろうか☠️
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三編 柚菜
ネタバレ「名探偵を集めた聖遺物の争奪」が触れ込みだが、それは何とサブテーマでしかない。メインは、参加する探偵のキャラクタ造詣を深めるために用意された各章の謎解き(章ごとに雰囲気も変わり、著者の手腕に唸る)と、『決戦』における多重推理と、多重ものに慣れた読者の意表をつく真実だった。やはり同郷という身から高崎とハチが印象に残っている。最終的には、曲者揃いだった探偵たちも日本を観光して帰国の途を辿り、主人公のその後を抜きにすれば(被害者の無情さにも目を瞑れば)平和的な終わり方だったのかもしれない。一気読みだった🕵️
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三編 柚菜
ネタバレ月の魔力に誘われて、犯罪は起きるのか。その幻想的な囁きに反して、真実は著者が先に示した通り本格そのものである。些細なことからロジックを組んで描かれる画に私は感嘆とするしかなかった。とりわけYの解釈とマッチの論理に肌が粟立った。犯人の吐露するホワイダニットは、人生の歯車が狂ってしまうことの遣り切れなさが飽和していて胸が痛む。しかし同じ所へいけたならば報われたのだろうか。一方のアリスの恋慕も辛い結末だが、ある種ドラマチックなラストが甘酸っぱい余韻をもたらした。2作目を読むのも楽しみなりました🌋
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三編 柚菜
ネタバレ狂言誘拐、ということもあって計画を練ってから実際に行動に移しているパートは不謹慎ながらにもワクワクさせられた。順調に思えても些細な問題が起き、それらに対して佐久間が都度発揮する機転には舌を巻いた。そして誘拐は成功──かと思いきや事態は急展開を迎え、ゲームマスターが反転する様には唸った。何かあるだろうなとは思っていたがまさかここまでとは。双方にとってこのゲームは冷戦の結末を迎え、それだけ見れば成功なのだろうか。しかし樹理の生い立ちは不憫ではある。緩急の塩梅が面白い誘拐ミステリでした🎮
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三編 柚菜
ネタバレ判決に完璧はない。それを体現するかのように、一見筋の通ったような真実でも「もっと正しく立ち回れたのではないか」という一部割り切れなさを感じた。全体的にビターな余韻だが、とりわけ親子不知における被害者の報われなさが辛かった。一方、法律と論理の重要性を多重解決によって証明しているのは巧い構成だと思える。古城と戸賀のキャラクタ造詣も1話からバシッと決まっているし、終わり方も明るめだったので次巻ではどんな法律が絡んでくるのか楽しみ。無法律のモラトリアムの変化も注目したいです⚖️
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三編 柚菜
ネタバレこれまで以上に紙の知識がふんだんに盛り込まれていたように思いました。これだから、特定の部門に特化した小説は面白くてやめられないのです。File1は私も使ったことのある紙だっただけに、真実には考えれば解けたという悔しさと懐かしさが。File2は脅迫紙からゲラまで特定する過程が鑑定士の本領発揮で興奮した。作家の吐露には私も読者としての共感を覚えた。File3は紙業界ならではの発想、全体を貫いていた謎の答え、そしてその後に待つ緊迫や渡部の人情が良かった。太宰の文献にも触れてみたくなります🔑
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三編 柚菜
ネタバレ怪しげな団体からの脱走。そこからは異形が棲まう森でのサバイバルと、森に隠された秘密に迫るタームが繰り返し訪れて常に緊張感を強いられました。気を衒いすぎていないというか、ありのままをストレートにぶつけてくるので犯人の正体もすっと脳に入ってくる。が、そこに至るまでに残酷な描写が続くので、そこでやられそうになる。なぜ、首を斬るのかというミステリ要素もしっかり論理的でかつホラーとして気味悪く昇華しているのはさすがとしか言えない。Tの野望はこれからも終わらないのでしょう。恐ろしい森でした🌳
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三編 柚菜
ネタバレその世代でないにせよ、引きこもりや『8050問題』は決して他人事ではない。実際、草鹿の歩む人生の中には私に共鳴を起こす瞬間が幾度もあって、その度にページを捲る手が止まってしまった。だから草鹿の絶望が、それでも赦されたいと願う気持ちが伝わる。しかし真実が明らかになると流れは「赦されて死にたい」ではなく「わかってほしくて生きる」に転じ、綾乃との言葉の応酬には込み上げるものがあった。人は皆「性生説」だ。読後、自分なりに自分の絶望を呑み込めた気がします。自分なりに生きたいし、他人をわかりたい。傑作でした🫀
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三編 柚菜
ネタバレ文体に慣れるまでが大変だったけれど、テンポが掴めてくればあとは登場人物さえきちんと抑えれば何となく内容を理解できる。とはいえ一発で全てを把握しきれず色んな人の感想を眺めてようやく腑に落ちた感じでした。やってることは真っ向から違法だけど、現実生きてても悪なんてそこたらじゅうにあるし、だったら一方的に彼女たちを悪だって決めつけるのは傲慢なんじゃないか。と、そんな感想も正しいのかわからない。とかく頭に浮かんだ言葉を巧く調整してペーストしたような世界観は圧倒的で強烈的でした💊
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三編 柚菜
ネタバレ人は綺麗なままでは生きられない。大なり小なり身体の外と内に傷を負うもの。それは時に苦しみを伴ったり、逆に勲章として輝いたりすることもある。傷痕ひとつとっても受け取り方は十人十色。短編とは思えぬ濃密な機微がありました。表題作はこれだけでも本書を買う価値のある一篇で、「グリフィスの傷」自体、日常の様々な場面に応用を利かせられる。その他、私は「この世のすべての」「慈雨」「からたちの」が印象に残りました。ページの紙質も治癒した皮膚の触り心地。折れや曲げで傷付けたくない一冊でした🩹
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三編 柚菜
ネタバレ青森まで盗まれた御神体を返しにいく。そこで発生する〈嘘〉と〈本当〉の家族ロードノベルかと思いきや、あくまでも事件は前座でしかなく、後半は怒涛のように家族の本質に切り込んでいく。『いえ』パートは即ち父さんの目線で語られていたとわかり、あの空間でどれだけ〈家族〉の形に縛られ続けていたのだろうかと考えると遣る瀬無い。ハッピーエンドではないが、今の時代に即した〈常識〉を解体する物語として、爽やかでありながら一抹の不安を残した余韻が良い。最大の嘘は、常識に囚われて本心を隠しながら家族を営んでいたことでしょう🚗
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三編 柚菜
ネタバレまずはやはり読みやすい。それでいて怖さやグロテスクさが直接目の前に掲げられるので、油断していると眉を顰めてしまう。“それ”にまつわる救いようのない連作短編かと思いきや、各話ごとに存在していた点と点が最後には繋がっていき、それと共に“それ”の正体がSFチックになっていくのは意外だった。「著者の新境地ホラー」というのも納得。“それ”の他、人間の惨たらしい部分も滲み出ているので尚のこと絶望感をリアルに受け取れました。もう少しお父さんとの関係性を知りかった気もします。頭の中で後藤さんに置き換えていました📱
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三編 柚菜
ネタバレ極限までメタに振り切り、学園ドラマありミステリあり異能バトルありとエンタメ要素がふんだんに盛り込まれていた。まさかここまで『小説』という媒体を隅から隅まで材料にしてしまうとは。少しずつ増える空白に何がハマるのか考えるのも面白い。メタで最後まで笑わせてくるのかと思いきや、意外にもメタに絡んだいわゆるホワイダニットが深くて、人それぞれに流れている物語を再認識させられる。本当の理想を目指すための締め括りの一行は作品の雰囲気にぴったり。次回作に期待してください、に込めた意味を前向きに受け止めることができました✒️
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三編 柚菜
ネタバレ竹を割ったようでもある周の性格を体現したような文体だが、物理概念的な炎上に立脚して綴られているのは徹頭徹尾『加害/被害者家族』のこと。誰だって、どちらかに転ぶリスクを背負いながら生きている。そんなとき、孤独を和らげられるのは自分の力ではなく何かしらの縁なのかもしれない。蠟燭は燃えているか、は即ち孤独を照らす存在があるかということなのだろう。しかし犯人の顛末がそうであったように、全員が報われるわけではない。ワイダニットの遣る瀬無さが返し鈎となり、心の柔らかい部分に刺さって抜けない読後感がありました🕯️
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三編 柚菜
ネタバレゴリゴリと突き進む面壁計画。しかしそれらも破壁人による指摘で次々に看破されることとなり、誰がどこから狙いを定めるのか不定の展開に息を呑む。冬眠後の世界にタームが移ってからは壮大な宇宙のスペクタクルと、SF技術に圧倒。北海を据えた水滴との戦闘には肝を潰し慄いた。絶対に勝てないという絶望に塗り固められたからこそ、羅輯の呪文発動には熱くなれた。宇宙という黒暗森林を見事に活かしたのだ。そして唯一、彼だけが彼の望みを最終的に叶えられている……のかもしれない。いったい、最終巻は何が起こるのだろう?🪦
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三編 柚菜
ネタバレ400年後に襲来する三体人。それに伴う面壁計画。そして航空宇宙技術。上巻にして既に濃密。1巻目よりも敵の存在が明瞭となり、物語が加速度的に面白くなっていくのを感じました。面壁者の苦悩が手に取るように理解できて、異星人とのコンゲームのこれからが非常に気になるし楽しみ。遠大な決戦に向けて人類の士気はどうなるのだろう。SFの興趣が踏んだんで、宇宙が身近になる世界線には童心のような興奮を覚えました。視点人物の切り替えがテンポ良くて、長さを感じさせない読後感。ようやくハマれそうです🚀
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三編 柚菜
ネタバレシリーズは完結したものの、そこに寂しさはあまりない。それは二人の関係がまだ続いてくれることへの期待からでしょう。小鳩の轢き逃げから連鎖して三年前の轢き逃げが浮き彫りとなり、ベッドディテクティブとして何が起きたのかを探る過程に夢中になった。小市民の始まりを知れたのは大収穫です。犯人との対峙、そして鐘のなる夜のやり取りはシリーズとしての掉尾に相応しい。変に関係を進展させないところも、さらりとして良かった。肝心の小市民への道はつまり、自分を受け入れる道であったわけですね。次があるなら春期限定宇治抹茶事件かな🍫
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/02/03(1597日経過)
記録初日
2020/01/08(1623日経過)
読んだ本
845冊(1日平均0.52冊)
読んだページ
287113ページ(1日平均176ページ)
感想・レビュー
542件(投稿率64.1%)
本棚
5棚
外部サイト
自己紹介

読了した小説の感想を稚拙ながら投稿していきます。基本ネタバレを含みます故、感想タップにはご注意くださいませ。
ミステリ・青春小説を好んで読みます。積読は数えないことにしています。
同名でX、Instagramも稼働させています。
また、noteで『小匙の書室』という記事も毎日投稿しています。お手隙の際に、ぜひ。
よろしくお願いします。

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