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2024年10月の読書メーターまとめ

イアン
読んだ本
11
読んだページ
4331ページ
感想・レビュー
11
ナイス
3277ナイス

2024年10月に読んだ本
11

2024年10月のお気に入り登録
12

  • devunwalsh
  • 爺
  • みすみ
  • むぎちゃ
  • Tomo
  • みちしるべ
  • Go!Go!Taxi!!
  • えざき
  • ぴー
  • usako♪
  • マサ
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2024年10月のお気に入られ登録
12

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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

イアン
★★★★★★★★☆☆本屋大賞を受賞した町田そのこの長編。辛い過去から逃れるように九州の片田舎に越してきた貴瑚は、そこで虐待され声を喪った少年と出会う。自身と少年の境遇を重ね合わせた貴瑚は、やがてその儚い命を護ることに生き甲斐を感じ始める。児童虐待・ヤングケアラー・性的マイノリティなど、現代日本が抱える問題を繊細な筆致で綴った話題作。誰にも届かない52ヘルツで鳴く孤独なクジラがいるという。そんな誰かが発した52ヘルツに耳を傾け、手を差し伸べることこそ、現代社会に生きる私たちに課せられた責務なのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

イアン

週末の雨が多く読書が捗った9月。芦沢央の『獏の耳たぶ』や東野圭吾の『透明な螺旋』など、親子の血の繋がりについて考えさせる作品を多く読めました。月間ベストは辻村深月の『朝が来る』。ミステリ要素もありますが、それ以上の人間ドラマに心打たれました。2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:4191ページ ナイス数:3243ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1121679/summary/monthly/2024/9

イアン
2024/10/01 23:13

くりんさん、『朝が来る』は2016年にドラマ化、2021年に映画化されていますね。同じ作品がドラマ化も映画化もされることは稀にありますが、いずれも名作と呼ばれる作品ばかりですね。『透明な螺旋』はできれば何の前情報もなく読んでほしかったところですが、『むかし…』の記憶が残っているうちに読むのも貴重な体験ができると思います。今月も宜しくお願いします。

イアン
2024/10/01 23:22

マユスタさん、特別養子縁組をここまで掘り下げて、一つの作品に仕上げているのはさすがですね。辻村作品では『かがみの孤城』も良かったですが、それと双璧かもしれません。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
11

イアン
★★★★★★☆☆☆☆タイトルが印象的な呉勝浩の短編集。幼い頃から圧迫されることに快感を覚える広美。別れ話が拗れ、極限の状況に追い込まれた彼女が見つけた理想の圧迫とは…(「表題作」)。時代背景は昭和の高度成長期から令和のコロナ禍まで、ジャンルも犯罪小説・SF・コメディと多岐にわたる。強いて共通点を挙げるとすれば「歪み」と「狂気」か。表題作や「ミリオンダラー・レイン」では、冒頭の不穏さを念頭に読者は読み進めるのだが、ここに仕掛けられた捻りが渋い。万人受けする作品ではないが、王道作品にはない芳醇さを秘めている。
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イアン
★★★★★★★☆☆☆少年法を扱った伊岡瞬の社会派長編。12歳の少女が暴行の末に殺された。少年法に護られた犯人たちは驚くべき早さで社会復帰を果たすが、出所後に次々と不審死を遂げ…。一連の犯行は、突然消息を絶った少女の父親による復讐なのか。東野圭吾の『さまよう刃』や薬丸岳の『天使のナイフ』を彷彿とさせる重いテーマだが、これらの作品ほど少年法の不備を訴えてはいない。ただひたすらに広がる白い闇。著者はこの作品を書き上げた後、「これは世に出せないだろう」と感じたという。なぜそう感じたのか、その胸の裡を聞いてみたい。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★☆☆☆冤罪からの逃走劇を描いた薬丸岳の長編。詐欺に遭い全財産を失った仁は、闇サイトで知り合った仲間と強盗を企てる。決行当日、侵入先で何者かに殴られ気を失った仁は、気付けば放火殺人犯となっていた…。誰が仁を嵌めたのか。遺体で見つかった3人目の正体とは。真犯人の意外性に固執するあまり行動原理に一貫性を欠く場面も見受けられるが、捕まれば死刑という状況下で黒幕を追う展開が実にスリリングだ。人を傷つけずとも押込み強盗は重罪である。安易にハッピーエンドとしなかった点に罪と向き合う著者の厳しさを垣間見た。
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イアン
★★★★☆☆☆☆☆☆増山超能力師事務所シリーズ第2弾。超能力を無効化する機器を開発中の技術者が失踪する。その妻から捜索の依頼を受けた増山だったが、次第に所員らに魔の手が伸び…。シリーズ初の長編だが、「大戦争」と謳う割には敵の輪郭が曖昧で、その攻防が諜報活動の域を抜け切れていないのが惜しい。増山を主な視点に据えたことで彼自身の葛藤を描き出しているが、逆に増山以外の視点から彼の凄みを浮き彫りにしても良かった。続編を匂わせる幕引きながら7年以上音沙汰がないのは、このシリーズに見切りを付けてしまったからだろうか。
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イアン
★★★★★★★★☆☆本屋大賞を受賞した町田そのこの長編。辛い過去から逃れるように九州の片田舎に越してきた貴瑚は、そこで虐待され声を喪った少年と出会う。自身と少年の境遇を重ね合わせた貴瑚は、やがてその儚い命を護ることに生き甲斐を感じ始める。児童虐待・ヤングケアラー・性的マイノリティなど、現代日本が抱える問題を繊細な筆致で綴った話題作。誰にも届かない52ヘルツで鳴く孤独なクジラがいるという。そんな誰かが発した52ヘルツに耳を傾け、手を差し伸べることこそ、現代社会に生きる私たちに課せられた責務なのかもしれない。
が「ナイス!」と言っています。
イアン
★★★★★★★☆☆☆2005年に映画化された野沢尚の長編。家族4人を惨殺され唯一生き残った中学生の奏子は、死刑囚となった犯人に同い年の娘・未歩がいることを知り、身元を隠して接触を図るが…。一家惨殺というセンセーショナルな題材を、しかし著者は「復讐心から始まる心理サスペンス」として着地させている。対極の立場にありながら共に罪悪感に苛まれる奏子と未歩。その心理描写は見事だが、一方でミステリの核心部分でもある「空白の30秒間」が宙に浮いてしまった。ここが綺麗に回収されていれば「奇跡的傑作」という評価もあり得た。
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イアン
★★★★★★★☆☆☆圧巻のリアリティで描く奥田英朗の警察小説。群馬・栃木両県に跨る渡良瀬川の河川敷で女性の他殺体が発見される。その手口は10年前の未解決事件と酷似していた…。やがて浮かび上がる3人の容疑者。10年の歳月を経て繰り返された惨劇は同一犯か、模倣犯か。警察の他にも記者や遺族など事件を追う多くの視点から構成されるが、容疑者側の心情は一切明かされない。これによりまるで自分が捜査本部に身を置いているかのような臨場感を醸し出しているが、一方で広げた風呂敷を畳み切れていない印象も否めず、期待値を下回った。
Vanc
2024/10/12 22:55

なるほど、大いに参考になりました。

イアン
2024/10/12 23:30

Vancさん、片手で読むには相当肩が凝りますが、よかったら筋トレついでに読んでみてください(笑)

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イアン
★★★★★★☆☆☆☆日本推理作家協会賞を受賞した長岡弘樹の短編集。因縁の男を救助した救急隊長の室伏。しかし患者を乗せた救急車は病院に入らず周辺を迷走し始める。室伏の取った行動の意味とは…(「迷走」)。刑事や消防士など人命に携わる公務員を主人公とした4編が収録されており、いずれも謎の行動の裏にある人情が鍵となっている。豆知識のように披露される逸話が重要な伏線となる構成は、後の出世作である『教場』シリーズに通ずるものがある。ややご都合主義的に映る部分はあるものの、各編のキレはさすが短編の名手といったところか。
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イアン
★★★★★★★★☆☆稀代の悪女が暗躍する『嗤う淑女』シリーズ第2弾。NPO法人の優美は不正献金のためFXに多額の投資を行い、宗教団体副館長の伊能は地位向上のため教団をPRする本を出版する。やがて転落していく彼らの陰には〝野々宮恭子〟を名乗る謎のアドバイザーの存在があった…。前作の法廷劇から3年後、政治家・柳井の周辺で巻き起こる4つの悲劇。女郎蜘蛛がじっくりと獲物を絡め捕るような数々の悪行に対して、「お天道様は見てるぞ」と言わんばかりに神の視点で眺める読者をも欺く衝撃のラストは、まさに中山ワールドの神髄だ。
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イアン
★★★★★★★☆☆☆『交通警察の夜』改題作となる東野圭吾の連作短編集。深夜に発生した交通死亡事故。亡き兄の無実を証明したのは、全盲の妹の〝天使の耳〟だった…(「表題作」)。交通警察を舞台とした6編から構成され、いずれも発端となるのは煽り運転、路上駐車、ポイ捨てなど軽微な交通違反。しかしそこから芽生える人間の復讐心が全編を通して不気味な余韻を与えている。防犯カメラやドライブレコーダーが無かった時代ゆえの苦心。刑事モノでは左遷先として蔑まれがちな所轄の交通課だが、そこに生きる彼らにも警察としての矜持があった。
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イアン
★★★★★★★★☆☆死刑のあり方を問う貫井徳郎の短編+中編集。交際相手を殺された作曲家の笠間。しかし彼女は過去に一人の男を死に追いやっていたことを知り…(「表題作」)。一人殺したら死刑。正当防衛も過失致死も、情状酌量さえも考慮されない厳罰主義に傾いた架空の日本で起こりうる新たな犯罪の数々。その想像力の豊かさに恐れ入るとともに、人々の処罰感情を極限まで振り切った本作は、ある意味究極の特殊設定ミステリだ。寛容性を失った世界の殺伐とした描写は、安易に極刑を求めたがる世論に対する貫井徳郎流の警鐘なのかもしれない。
くりん
2024/10/02 18:24

貫井さんは未読ですが『慟哭』の予約を入れてみました。こちらは死刑制度のあり方を問う小説なのですね。『袴田さん』の件もありましたので読んでみたいと思います。

イアン
2024/10/02 19:58

くりんさん、『慟哭』を予約されたんですね。こちらは予備知識なしで読まれることを強くお勧めします!死刑をテーマとした作品は数あれど、このような設定の作品は他になく、貫井徳郎の想像力に脱帽する作品でした。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/04/11(1686日経過)
記録初日
2020/03/12(1716日経過)
読んだ本
593冊(1日平均0.35冊)
読んだページ
229532ページ(1日平均133ページ)
感想・レビュー
593件(投稿率100.0%)
本棚
45棚
性別
現住所
三重県
自己紹介

読書を好きになったきっかけは、小学生の頃に読んだ東野圭吾の『むかし僕が死んだ家』
それまで勉強の対象でしかなかった「読書」というものの素晴らしさに気付いた瞬間でもありました。

以来、ミステリを中心に本を読み漁ってきましたが、2020年4月読書メーター登録してからは、読書自体に加えてレビューを書くことやレビューに対する反応に新たな楽しみを見出すようになりました。

好きな作家は、東野圭吾、誉田哲也、米澤穂信、雫井脩介、伊坂幸太郎、伊岡瞬、柚月裕子、中山七里、道尾秀介、辻村深月、葉真中顕、染井為人など。(敬称略)

レビュー掲載にあたっては「完成度」「リーダビリティ」「結末の意外さ」「リアリティ・フェアネス」などから総合的に判断し、独断と偏見で10段階評価しています。

以下は、レビュー掲載にあたっての自分なりのルールです。
①255文字記載する(★評価含む)
②可能な限りネタバレは排除する。
③部分的にでもネタバレを含む場合は必ず【ネタバレあり】を表記する。
④作家名は敬称略とする。
⑤著者へのリスペクトは忘れない。
⑥(読んだ方の)印象に残るレビューを心掛ける。
⑦月に1冊は初読作家の作品を登録する。
⑧直近9冊以内に読んだ作家の作品は登録しない(上下巻は除く)
⑨文学賞は該当作品が3冊以上となったら本棚を作成する。
⑩文庫改題作は必ず明記する。

50冊目『雪冤』大門 剛明(2020.7.15)
100冊目『告白』湊 かなえ(2020.12.13)
150冊目『理由』宮部 みゆき(2021.6.6)
200冊目『慟哭』貫井 徳郎(2021.11.3)
250冊目『何者』朝井 リョウ(2022.4.7)
300冊目『白夜行』東野 圭吾(2022.8.28)
350冊目『絶叫』葉真中 顕(2023.1.21)
400冊目『教場』長岡 弘樹(2023.6.14)
450冊目『爆弾』呉 勝浩(2023.11.7)
500冊目『方舟』夕木 春央(2024.3.16)
550冊目『宝島』真藤 順丈(2024.7.29)

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