若菜の下、デミゴッドだった源氏が人になる、それも慮りと疑心暗鬼の二重の呪縛に悶え苦しむただのマヌケな老人に。筆者の筆も走る走る、ウハハハこれが書きたかったのよ!といわんばかりに。
よく考えると夕霧には、北の方である雲居の雁だけでなく、かつて五節の舞姫だった藤典侍という女もいましたね。父を反面教師にした堅物キャラのはずでしたが、やっぱり血は争えぬ、か?笑。
夕霧の乱倫をとがめつつも(読んでる手紙を横取りするのはケッサク)やっぱり仲睦まじさもにじみ出ちゃう二人のやりとりが十年余りを過ごしてやや所帯じみた夫婦としてあまりにリアルで苦笑。北の方は可愛い人ですね。
ボスポラス海峡での演習中に米潜水艦が謎の攻撃を受けて沈没。ロシア軍潜水艦の関与が疑われるが黒海と地中海をつなぐ海峡は厳重に管理されて侵入は不可能だ。サボタージュ?おりしもロシア人潜水夫の遺体が引き揚げられた。東西世界の結節点であるイスタンブールの街に緊張が走る。
ほぼ小説しか読みません。小説以外は歴史と数学や物理の本と百閒先生の与太話を読むくらい。原書で読めるのは英語だけ。最近は自分の本棚からまだ読んでいない本を発掘するのを優先しています。ほかは図書館利用。買いません。作家さんゴメンナサイ。
無頼をきどって夜遊びに耽りましたが思っていたよりは色欲に拘らない自分を見つけました。スケベはスケベなんですけどね。年取って万事にボンクラ化が激しいようです。ボケないようにフランス語をかじっています。早くプチ・ニコラが読めるようになりたいな。
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このところのお気に入り:
永井荷風「濹東綺譚」「ひかげの花」
マーガレット・アトウッド「オリクスとクレイク」
皆川博子「冬の旅人」「死の泉」「薔薇密室」
井原西鶴「好色一代女」
ウォルター・スコット「アイヴァンホー」
セルバンテス「ドン・キホーテ」
フィールヂング「トムジョウンズ」
オースティン「高慢と偏見」
チャペック「クラカチット」
エーコ「バウドリーノ」
マルケス「族長の秋」
マッカラーズ「心は孤独な狩人」
ドストエフスキー「罪と罰」
紫式部「源氏物語」
山尾悠子「仮面物語」
辻邦生「夏の砦」「背教者ユリアヌス」「安土往還記」
横光利一「上海」
赤塚不二夫「天才バカボンのおやじ」
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