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2024年11月の読書メーターまとめ

荒野の狼
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1259ページ
感想・レビュー
6
ナイス
430ナイス

2024年11月に読んだ本
6

2024年11月のお気に入られ登録
2

  • 風柳
  • 舞のりえ

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

荒野の狼
本小説で描かれる「殺人」を、より一般的に、「ある社会全体を巻き込む不幸な事件」と置き換えれば、小説で起きた一見、我々の実生活ではあり得ないと思えた理不尽な事象のひとつひとつが、実生活で起こり得る事象と類似することがわかる。
荒野の狼
2024/11/19 21:05

その結果として、社会に大きな不幸が起こり得るのであるが、それが個々の人物に影響する度合いは、ある人にとっては死の転帰にすらなるが、多くの人にとっては、忍耐の許容範囲のものであったりする。そうした場合、自分とあまり関係のない人の大きな不幸を防止するために、社会の慣習を破ったり、超えたりする勇気のある人物は少ない。

荒野の狼
2024/11/19 21:05

ゆえに、小説で描かれた「殺人」を、「社会の不正義」「戦争」「政治腐敗」「一党独裁」「パワハラ」といった自分の身の回りに起こっている変革可能な事象と置き換えると本小説は他人事ではなくなる。他人から男らしく見られなくなることを恐れて殺人をおこすジェスチャーを見せる兄弟、殺人を容易にとめられるのにそれをしない一般市民、自分に向けられた非難を生贄となる無関係の男の名を挙げることで矛先を変えようとする花嫁、すべてが間違っているのだが、この修正ができないのが、現代社会であり、日本の典型的な社会構図である。

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2024年11月にナイスが最も多かったつぶやき

荒野の狼

2024年10月の読書メーター 読んだ本の数:1冊 読んだページ数:672ページ ナイス数:321ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1124113/summary/monthly/2024/10

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2024年11月の感想・レビュー一覧
6

荒野の狼
本書は、2003年に新潮社から刊行されたものを、2006年に文庫したもので、その際に、谷川俊太郎は「闇の豊かさ」という新作と「文庫あとがき」を、しりあがり寿が解説とイラストを付している。ここで、しりあがり寿は、“ミッキー・マウスは「夜のミッキー・マウス」を読んで肩の荷が降りたと思うかもしれない。あの大きな瞳にふさわしい大粒の涙を流したかもしれないp110”と解説している。
荒野の狼
2024/11/27 21:58

本書には、「エロティックス」というムックにとりあげられた三篇が収録されているが、谷川が“「例のあの詩」としか言ってくれないとする人がいる”とした詩も収録されている。この詩は、じっくりと読むと梵我一如の思想に近い世界観・宇宙観が描かれており、谷川自身もそのような含みがあることをコメントしている。しかし、谷川自身が朗読したものを聞いてみると、そのような達観・解脱した思想ではなく、野性的であり、「文庫あとがき」では、“私も自分で読むのを楽しんでいる”というのがわかるような朗読である。

荒野の狼
2024/11/27 21:58

ちなみに2023-24年に朝日新聞のインタビューでは、谷川は、この詩の朗読の動画撮影については、「この年になると元気に読めないから」と言ってNGを出している。一方、この時、最晩年の谷川が動画で朗読した「生まれたよ ぼく」などは、最晩年の作者ならではの朗読であり味わいは深い。

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荒野の狼
クラッシュギャルズとダンプ松本が活躍した時代を中心に女子プロレスに関する記事がまとめられた一冊。インタビューは、長与千種、ライオネス飛鳥、ダンプ松本、里村明衣子、立野記代、影かほる、刀羅ナツコ、中野たむ、ウナギ・サヤカ、ジャンボ堀、大森ゆかり、神取忍。
荒野の狼
2024/11/27 21:13

ここでは、さらに「救いや癒しを渇望していた少女たちにとって、長与は、飛鳥は、そしてダンプは、自らの身を削って戦う殉教者であり、救済者であると同時に、自分自身でもあったp53」としている。これは、当時の女子プロレスが単なるスポーツエンターテイメントを越えるものであったことを見事に集約しているといえる。

荒野の狼
2024/11/27 21:14

本誌には、他にジャンプの高梨沙羅のインタビューなどが掲載。五輪柔道金メダリストの角田夏実の記事は30分の無料のドキュメント番組のリンクのQRコードつき。

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荒野の狼
私が本書を読むきっかけとなったのは、チェ・ゲバラやフィデル・カストロ関連の本や映画を複数見る機会があり、ラテンアメリカ諸国の歴史的背景を学ぶ必要を感じたからである。「チェ・ゲバラのような人物はこれまでに沢山いた」という表現は目にしていたのだが、本書を読むと、何故、チェが立ち上がったのか、また、歴史的にチェのようにラテンアメリカの真の独立のために死んでいった英雄がラテンアメリカ諸国にいたことがわかる(例、エミリアーノ・サパータとパンチョ・ビージャあるいはパンチョ・ビリャp224)。
荒野の狼
2024/11/27 20:36

新自由主義とは何か、西側諸国の団結の真の目的は世界平和などにはないことなどがわかってしまう本であり、国際社会の一員として読んでおきたい一冊。

荒野の狼
2024/11/27 20:36

以下は誤字。 p285 誤「ごたうごる」→正「ごうごうたる」

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荒野の狼
「まんがふるさとの偉人 詩人 永瀬清子物語 わがたてかみよ」は、岡山県赤磐市教育委員会の発行で104ページの30分で読了できる作品。永瀬の生い立ちを、戦争中の苦難、家族との生活と分かれ、与謝野晶子に憧れ、高村光太郎らと知己になり宮澤賢治の「雨ニモマケズ」の詩の発見に立ち会い、ハンセン病療養所である邑久光明園との関りや、晩年は谷川俊太郎と詩の朗読会をしたことなどが描かれている。永瀬の入門書として最適。
宵待草
2024/11/27 17:36

追伸 電子書籍をご紹介頂き、有り難うございます!🙋 読んでみたいと思います!✨ 宵待草

宵待草
2024/11/29 06:22

荒野の狼さん おはようございます。 ご紹介頂き、拝読出来ました!💫 とても判り易く、永瀬清子の人生や生活姿勢や、引き寄せた良き一達との邂逅などには、学びが散りばめられて居ました!🌟 私も少しでも見習い、私の歩幅で🐢さんの一歩一歩にて、進みたいと思わされました。 何時も感謝です!🍀 今日も穏やかな、良きひと日で在ります様に!✨ 宵待草

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荒野の狼
本小説で描かれる「殺人」を、より一般的に、「ある社会全体を巻き込む不幸な事件」と置き換えれば、小説で起きた一見、我々の実生活ではあり得ないと思えた理不尽な事象のひとつひとつが、実生活で起こり得る事象と類似することがわかる。
荒野の狼
2024/11/19 21:05

その結果として、社会に大きな不幸が起こり得るのであるが、それが個々の人物に影響する度合いは、ある人にとっては死の転帰にすらなるが、多くの人にとっては、忍耐の許容範囲のものであったりする。そうした場合、自分とあまり関係のない人の大きな不幸を防止するために、社会の慣習を破ったり、超えたりする勇気のある人物は少ない。

荒野の狼
2024/11/19 21:05

ゆえに、小説で描かれた「殺人」を、「社会の不正義」「戦争」「政治腐敗」「一党独裁」「パワハラ」といった自分の身の回りに起こっている変革可能な事象と置き換えると本小説は他人事ではなくなる。他人から男らしく見られなくなることを恐れて殺人をおこすジェスチャーを見せる兄弟、殺人を容易にとめられるのにそれをしない一般市民、自分に向けられた非難を生贄となる無関係の男の名を挙げることで矛先を変えようとする花嫁、すべてが間違っているのだが、この修正ができないのが、現代社会であり、日本の典型的な社会構図である。

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荒野の狼
「族長の秋」は、舞台は明確には書かれていないが、小説に登場する周辺地域の関係から、著者のガルシア=マルケスの出身地であるコロンビアを含むカリブ海に面した国の一つである。ガルシア=マルケスは自国では不遇であったが、本書にもそれを反映するような記載がある(「大統領はあらゆる政治犯に恩赦を与え、すべての亡命者に帰国を認めた、文学者たちを除いてp146」)。
荒野の狼
2024/11/11 22:28

本書の大統領のモデルは、複数の独裁者であるが、具体的には、本書の後半で登場する大統領の側近サエンス=デ=ラ=バラは、ドミニカのトルヒーヨ大統領のもとで、弾圧・殺戮を行ったジョニー・アベスを思わせる。本書では、大統領が行う数々の虐殺・悪行が、延々と、しかも繰り返し終わりのないかのように描かれる。すなわち、一人の人物(=大統領)が100年間にわたり行った、あるいは同一の時代に行った虐殺・犯罪の繰り返しの描写である。

荒野の狼
2024/11/11 22:28

ところが、これらの描写は、実は、ラテンアメリカ諸国で、歴史の中で繰り返された(米国によって擁立された)複数の独裁者の横暴を象徴化したような形になっている。ここにおいて、悪の根源は(直接的に暴政をおこなった独裁者ではなく、間接的にそれをコントロールし許容した)米国である。こうしたラテンアメリカ諸国の悲惨な歴史は、E・ガレアーノ著「収奪された大地」がロングセラーとして知られるが、本書は、実際、歴史に登場した傀儡政権の独裁者の実像を体感できる小説と言える。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/04/18(1706日経過)
記録初日
1984/08/04(14747日経過)
読んだ本
1376冊(1日平均0.09冊)
読んだページ
321198ページ(1日平均21ページ)
感想・レビュー
1376件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
現住所
大阪府
外部サイト
URL/ブログ
https://www.amazon.co.jp/gp/profile/amzn1.account.AGAXCTZNJ3RUL2ZYI3KBAEWCB36Q?preview=true
自己紹介

Amazonのレビューは2009年くらいから投稿しております。本の長めの感想は、アマゾンの「荒野の狼」の上記URLをご参照ください。本職は医学部で微生物学・免疫学・神経難病などの教育・研究をしております。現在は大阪在住ですが、アメリカで21年間医学教育・研究をしておりました。職場のURLは以下です。
https://www.med.kindai.ac.jp/microbio/

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