読書メーター KADOKAWA Group

2024年3月の読書メーターまとめ

venturingbeyond
読んだ本
10
読んだページ
2804ページ
感想・レビュー
8
ナイス
436ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入り登録
3

  • たまきら
  • たろーたん
  • 今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

2024年3月のお気に入られ登録
4

  • たまきら
  • 踊る猫
  • A
  • 今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

venturingbeyond
少々乗り遅れましたが、江戸市井の職人仕事を描いた話題作を読了。皆様のレヴューの通りの大傑作。細かな職人仕事のプロセスが細部に至るまで描かれた一コマ一コマから、木目に美しい刃文の刀身、藍染模様、畳表に畳縁、土壁に漆喰と、その成果としての工芸の美が、そのテクスチュアまでしっかり伝わる丁寧な描写で伝えられる。また、仕事の詳細を言葉を重ねて描写する野暮は決して行わず、最低限の説明とシンプルなやりとりの中で、腕一本を誇りとする職人の矜持と職業倫理が示される。次巻が待ち遠しいとびきりの傑作です。
venturingbeyond
2024/03/07 14:14

また、職人仕事の価値を愛でる目利きなくして、こうした職人文化は成り立たないことも、ストーリーのあちこちで示されている。刀鍛冶のエピソードでの試し斬りの描写、張り替えた畳を愛でる花魁、蔵を眺める商家の隠居と、江戸の職人文化を支える発注側の美意識や真贋を見抜く目にも目配せされているところも味わい深い。

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

venturingbeyond

なんやかやとバタバタした1か月で、思ったほど時間がとれず...。3月はどうだろうか? 2024年2月の読書メーター 読んだ本の数:12冊 読んだページ数:2444ページ ナイス数:527ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1139234/summary/monthly/2024/2

が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
8

venturingbeyond
小野寺作品4冊目も、過去作同様サクサクと読了。これまでの作品同様、善良で誠実、芯がしっかりしているが頑固でも堅物でもなく、しなやかに自らのあるべき生き方を追求していく若い主人公が、周囲との良好な人間関係の中で、一歩ずつ成長していく姿が描かれる。既読の作品同様、主人公に温かい視線を送る年配男性(今作では、大先輩の道上さん、扇社長、そして実父・室山先生)の造型が魅力的で滋味深い。自身と同年輩の男性が、誠実に自分の理想に向かって進む若者に接するあり方に共感するからなのであろう。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
デフ・ヴォイスシリーズの名脇役・何森刑事を主人公とするスピンオフ作第1弾。不遇な中でも、自身の刑事としての矜持を決して失うことのない魅力的なこのベテラン刑事なら、主人公としてスピンオフを構想するのも納得。そしてこの魅力的な主人公が取り組む事件の舞台・人物設定は、丸山作品ならではのものとなっており、過去作同様、啓発的要素とエンターテイメント性がバランスよく同居するリーダーフレンドリーな一冊です。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
アイデンティティ・ポリティクスに拘泥するバラモン左翼の陥穽を批判し、反緊縮の経済政策の必要性を滔々と語り、市井の人々の暮らしを底上げすることを徹底して説くいつもの松尾節。信用創造を私的セクターで行うのではなく、完全雇用(供給力の上限値)を目ざして政府がコントロールすべきとの主張を展開する前提として、貨幣や租税に関する通俗理解を批判する部分が読みどころ。資本主義のオルタナティヴの構想については、ラフスケッチとはいえ、首を捻る点も多く、なかなか同意しかねるものの、「反緊縮」の観点は常識になってほしいところ。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
ネタバレ今作でダメな大人として登場する妙の母・絢子や貢の従兄・光司も、過去の経験から抱えてしまったコンプレックスが、現在のダメさをもたらしている「弱い」人間として描かれ、ステレオタイプ的な悪人でないところが、読む側に色々なことを考えさせる。一方、その人物像があまり掘り下げられていない絢子の姉・寿子の描写は、マジョリティ性に基づく悪意なき攻撃性の嫌らしさや問題が滲み出てくるものに。本巻では、すずの義兄で登山家の浜田さんも登場し、かつて遭難した山本さんの遺品を発見することに。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
海街diaryでもそうだったが、若い主人公の周囲の年長者の矜持と善意に基づく心配りが心を打つ。大女将の民子さんと湯守の繁さんを筆頭に、町議の宮本さん、剛の姉・泉さん、地域医療を支える愛先生、スナック・サンバのママ初江さんと、年輪により磨かれた他者への自然な配慮が、その言動にじんわりと現れる。2巻では、東京で暮らす摩揶子の人物造型が秀逸。ナチュラルボーンの善人ではなく、至らぬ時代の自分への周囲の善意や傾聴の姿勢に気づくことで、次世代に対してあるべき年長者になろうとしたことが示されている所にぐっとくる。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
海街diaryのスピンオフ作品。こちらもじわりと暖かくなる一冊。主人公は、鎌倉に移住したすずの弟・和樹。幼馴染の類・剛・妙のキャラクターの人物造型も、出だしですぐに読者にしっかり伝わる。さすがのクオリティに、今作も作中世界に(温泉場が舞台ですし)どっぷり浸かり、堪能させてもらいます。
Fe
2024/03/10 13:34

venturingbeyond様 私の投稿は感想やレヴューではなく、メモ(備忘録)なんですけど、読書メーターは長いメモには向かないので https://note.com/fe1955/n/n726e28ade0c9 他に覚書を作成しています。読みながらググって見た画像や記事のURLを、文章の中に「実物」として記録できて、便利です! ご笑覧いただけましたら、幸甚と存じます。

が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
ネタバレ『デフ・ヴォイス』シリーズを3冊読んで、丸山作品をチェックするようになり、本作の文庫化の報を聞き、早速購入。“disability”をテーマとする4つの異なるストーリーが、最後に1つにまとまる凝った構成(2巡目で何となく着地点が見えてきました)にも唸らされたが、それ以上に、描写のそこここで表面化するマジョリティ側(=健常者)が“disability”に向き合う際の動揺や居心地の悪さ、自己正当化など、作中人物に読者が自身のあり方を重ねることで、自身のあり方が揺さぶられる点に、丸山作品に共通の読み所がある。
が「ナイス!」と言っています。
venturingbeyond
少々乗り遅れましたが、江戸市井の職人仕事を描いた話題作を読了。皆様のレヴューの通りの大傑作。細かな職人仕事のプロセスが細部に至るまで描かれた一コマ一コマから、木目に美しい刃文の刀身、藍染模様、畳表に畳縁、土壁に漆喰と、その成果としての工芸の美が、そのテクスチュアまでしっかり伝わる丁寧な描写で伝えられる。また、仕事の詳細を言葉を重ねて描写する野暮は決して行わず、最低限の説明とシンプルなやりとりの中で、腕一本を誇りとする職人の矜持と職業倫理が示される。次巻が待ち遠しいとびきりの傑作です。
venturingbeyond
2024/03/07 14:14

また、職人仕事の価値を愛でる目利きなくして、こうした職人文化は成り立たないことも、ストーリーのあちこちで示されている。刀鍛冶のエピソードでの試し斬りの描写、張り替えた畳を愛でる花魁、蔵を眺める商家の隠居と、江戸の職人文化を支える発注側の美意識や真贋を見抜く目にも目配せされているところも味わい深い。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/05/29(1428日経過)
記録初日
2020/04/25(1462日経過)
読んだ本
395冊(1日平均0.27冊)
読んだページ
94864ページ(1日平均64ページ)
感想・レビュー
247件(投稿率62.5%)
本棚
10棚
性別
外部サイト
自己紹介

my favorites : UK rock, rugby football, Islay malt(Lagavulin, Bowmore…), political philosophy, social philosophy, sociology of education, etc.

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう