まだ読んだことのない人には、絶対に読むことをお勧めしたい。滅法面白く、役立つお話である。もっと若いときに読んでいればと悔やまれるけれど、あまり若いときに読んでもその価値に気付けなかったかもしれない、とも思う。いろいろな年代で読み返すと、また違った意味に気付けるのかもしれない。光文社古典新訳文庫版は翻訳がとてもこなれていて読みやすく、豊富な挿し絵も入っている。
訳者解説も興味深い。そこではロビンソンの放浪癖について考察されているが、私の意見は少し異なるもので、病的と間では言えないまでもロビンソンには若干のADHD的な特性があるのではないかと思われた。つまり、彼は何かを求めて放浪するのではなく内なる衝動に突き動かされて否応なく放浪していまう質なのではないだろうかということであり、彼が仮に孤独を癒やしてくれるような居心地の良い共同体に辿り着けたとしても、しばらくすればまた、放浪の旅に出てしまうだろうということである。
基本的に★3以上の本はAmazonにレビューを書いています。
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