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2024年10月の読書メーターまとめ

msykst
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感想・レビュー
3
ナイス
50ナイス

2024年10月に読んだ本
3

2024年10月のお気に入り登録
2

  • ちり
  • shusaw

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

msykst
20世紀半ばまで成立していた「民主的多元主義」においては、主に組合を通じた労働者の組織化と交渉が機能していた。しかし現在の「テクノクラート新自由主義」では、こうした労働者の拮抗力は完全に解体させられた。現在の体制での上流階級は高学歴エリートからなる管理者(経営者)や専門技術者たちであり、彼らはグローバルな生産構造の中で労働力のアービトラージを進める。それは「土着の国民」と移民との間に対立を生むのであり、そもそも弱体化させられていた労働運動はますます機能せず、排斥運動に典型的なポピュリズムにとって代られる。
msykst
2024/10/23 01:58

なるほどと思ったのは、今日のアメリカの政党支持層を分析した5章と6章だった。今の民主党の支持層は「テクノクラート新自由主義」の支配者たる高学歴エリートであり、故に非経済的な領域では中道左派的なスタンスを取ってマイノリティと手を結ぶ一方、経済的には市場主義を進める。この状況故に民主党は労働者の反感を買い、トランプ的なポピュリストを出現させたのだと。原因は自分たちにあるにもかかわらず、民主党員や民主党支持者はトランプ勝利に陰謀論を見出している始末で、それを批判するために第6章を丸々割いているのは印象に残った。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
3

msykst
20世紀半ばまで成立していた「民主的多元主義」においては、主に組合を通じた労働者の組織化と交渉が機能していた。しかし現在の「テクノクラート新自由主義」では、こうした労働者の拮抗力は完全に解体させられた。現在の体制での上流階級は高学歴エリートからなる管理者(経営者)や専門技術者たちであり、彼らはグローバルな生産構造の中で労働力のアービトラージを進める。それは「土着の国民」と移民との間に対立を生むのであり、そもそも弱体化させられていた労働運動はますます機能せず、排斥運動に典型的なポピュリズムにとって代られる。
msykst
2024/10/23 01:58

なるほどと思ったのは、今日のアメリカの政党支持層を分析した5章と6章だった。今の民主党の支持層は「テクノクラート新自由主義」の支配者たる高学歴エリートであり、故に非経済的な領域では中道左派的なスタンスを取ってマイノリティと手を結ぶ一方、経済的には市場主義を進める。この状況故に民主党は労働者の反感を買い、トランプ的なポピュリストを出現させたのだと。原因は自分たちにあるにもかかわらず、民主党員や民主党支持者はトランプ勝利に陰謀論を見出している始末で、それを批判するために第6章を丸々割いているのは印象に残った。

が「ナイス!」と言っています。
msykst
全体を一貫するのはおそらく、医療の客観性や権威や専門性の根拠が揺らいでいる状況じゃないかと。無論、社会構築主義に基づく医療化批判や、医師と患者の非対称的な権力関係の問い直しは前からやられていたと思うのだけど、多分それだけじゃない気がした。一方には客観性や権威や専門性を再構築しようとする医療側の不断の動きがあり、他方には、市井の人々が主体的な社会実践や技術革新、社会状況の変動等々によって医療に関わる諸領域が食い破られ流動化する動きがある。本書が描くのはこの両者がせめぎ合うダイナミズムだった様に思う。
が「ナイス!」と言っています。
msykst
近代合理主義は「存在」と「実体」を切り離したのであり、両者の結びつきを取り戻すための概念がケアとエコロジーだと。精神医療の現場においてそれは「自己」と「世界」に対応しており、近代の精神医療が切り離した両者の結びつきを取り戻す実践として、中井久夫、べてるの家の当事者研究、ガタリが紹介される。本書が「異界」と呼ぶのは、「実体」や「世界」の流動的な様の事である。特に中井久夫へのリスペクトを強く感じたし、色々勉強になってよかった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2009/01/11(5795日経過)
記録初日
2009/01/04(5802日経過)
読んだ本
324冊(1日平均0.06冊)
読んだページ
86495ページ(1日平均14ページ)
感想・レビュー
215件(投稿率66.4%)
本棚
0棚
性別
年齢
40歳
血液型
O型
職業
その他
現住所
北海道
外部サイト
URL/ブログ
https://note.com/masayukisaitoh
自己紹介

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