田沼意次の生き様を描いた物語。学校の日本史の授業では、悪徳政治家のレッテルを貼られていた意次だが、今日では、再評価がなされてきているようで、最新の高校の教科書にもそれほどの記載はない。斬新な経済政策や、壮大な新田開発を進めていく上で、周囲からの誤解や、反対派からのやっかみで実像が歪められたのか。「白河の清きに魚も棲みかねて　もとの濁りの田沼恋しき」。庶民には、最終的には愛されていたのかも。意次と松平定信のイメージが逆転した。

紙媒体だったらどのぐらいのボリュームになるのだろう？ あっさり終わってしまった。 内容としては、なかなか面白かった。 加賀は、どうしても阿部寛が思い浮かんでしまう。

実在の江藤新平と架空の鹿野師光のバディもの連作短編。 いずれの事件にも、もう一歩踏み込んだ解釈があり面白かった。戊辰戦争から明治維新という流れに翻弄された士分が、それぞれにたどり着いた立場の相違が事件の原点。江藤は目的達成のためには手段を選ばないが、最後の最後は、師光の死によって佐賀の乱に殉じることにしたということだろうか。史実と創作が上手く融合されていた。

田沼意次の生き様を描いた物語。学校の日本史の授業では、悪徳政治家のレッテルを貼られていた意次だが、今日では、再評価がなされてきているようで、最新の高校の教科書にもそれほどの記載はない。斬新な経済政策や、壮大な新田開発を進めていく上で、周囲からの誤解や、反対派からのやっかみで実像が歪められたのか。「白河の清きに魚も棲みかねて　もとの濁りの田沼恋しき」。庶民には、最終的には愛されていたのかも。意次と松平定信のイメージが逆転した。

スコットランド出身の若き医師の物語。かつて日本でもベストセラーになったそうだが、知らなかった。今回は、小説家の夏川草介さんの翻訳で復刊。上巻は、主人公が医師となり、自分の理想や信念を貫こうとするあまり、医療界の因習や、医師と患者との馴れ合いなどにぶつかって窮地に追い込まれながらも、良き理解者である伴侶と出会い、彼女に支えられながら、医師としても、人間としても成長していく。忘れかけていた若き日に自分にもあったはずの「熱」を思い出した。肩肘張って生きていかなければならない時期ってあるはずなんだ。

面白かった。 "who done it"ではなく、"how done it" 地道な情報収集が実を結ぶ。 ポー、ステフ、ティリー、いいチームワーク。 個人的には、ティリーに癒されます(^^)