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2024年3月の読書メーターまとめ

きゅー
読んだ本
15
読んだページ
3370ページ
感想・レビュー
14
ナイス
138ナイス

2024年3月に読んだ本
15

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

きゅー
これは面白い。かつて「ソース焼きそばの起源は戦後に生まれた」とされていた。それを典拠に基づいて否定し、ソース焼きそばが戦前から食されていたことを鮮やかに証明する一冊。何より憶測や推測を排し、証拠を重視する姿が素晴らしい。著者の本業はITエンジニアとのことだが焼きそばへの愛と執念に脱帽した。本書によれば、焼きそばは戦前に浅草を中心に食されていたが材料となる中華麺の仕入れが困難であるため他の地域に伝わらなかった。戦後、様々な要因により爆発的に焼きそばが伝播したことが、戦後に生まれたという誤解を生んだという。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
14

きゅー
朝日新聞名古屋本社版に連載したコラムを書籍化したもの。執筆者2名は名古屋の出版社風媒社の編集長、元ちくさ正文館書店の店長。名古屋で本が好きな人ならいずれの名前も目にしたことが必ずあるはず。ちくさ正文館書店は昨年閉店してしまったが人文社会系、特に演劇や映画などの本に強みを持っていた。それもあってコラムの内容も名古屋における芸術・文化の話が多い。東京や大阪、京都に比べればどうしても見劣りがしてしまう名古屋の本をめぐる状況にあっても、こうした方々が気を張っているのは心強い。
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きゅー
こういう図書館紹介のガイドブックは多々あるが、本書はあまり印象の薄い一冊だった。暮らし、海外、文学、芸術などカテゴライズごとに図書館が紹介されているためか、似た雰囲気の図書館が続くことが悪かったのだろうか。文章も個性が感じられず、それぞれの図書館を訪れて、そこで配布されているパンフレットを元に書けそうな内容。著者は映画情報サイトの編集をしていたそうだが、その経験で間違った内容は書かない、個性は出さないといったクセを身につけてしまったのかも。
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きゅー
手に取るとページ数の多さに慄くが、初学者にも分かりやすい作りと内容なので安心してほしい。自身のお子さんも学習障害の編集者が、発達障害における著名な研究者や当事者にインタビューするという形式になっている。一冊を通読することで発達障害についての全般的な知識が得られる。共通する見解もあれば、研究者ごとに異なる見解(早期発見、早期療育についての是非)もしっかりと記載されており、無理に見解の統一を図ることもなくバランスが整っているように見受けられた。この界隈はハウツー的な本が多いのだが、中々骨太な一冊に感じた。
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きゅー
自分が不幸であることを知るにも知性が必要だ。貧困のうちに成長し、何も教わること無くただ日々を費やす生活は少女を無知で無垢な存在に留め置く。欲望が満たされた経験がない彼女にとって、欲望を抱くことすら難しい。そして過去はぼんやりとして、未来は、未来のことはよく分からない。彼女を優しく見守る語り手は叫ぶ「生きることは、贅沢だ」。何が生まれ、何が終わったのだろうか。あるいは無。彼女は誰に対しても影響を与えることはなかった。
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きゅー
監修者の友人6人による計120のコピーが収録されている。あまり自分の感性には合わないようだった。それぞれのコピーが生まれた経緯が書かれているので、参考になる人もいるだろう。
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きゅー
キャンプとか山登りとか、そこまでじゃなくても近くの公園でごはんを食べようという一冊。和気あいあいと楽しそう。 ところで本書は、noyamaというイベント制作ユニット3名によって書かれているけど、このメンバーはホシガラス山岳会にも参加している。そちら名義の本だとかなり濃い山登りについても書かれている。
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きゅー
2人の女性歌人の短歌とショートストーリー(エッセイ)が交互に掲載されるという面白い形式。くどうれいんの文章では女性の語り手による物語が展開され、そこに東直子のエッセイがかすかな反響として挿入される。歌と文章の順番も入れ替わり、変奏しながら、語り手が出会った2人の男性との普通の生活の日々が綴られる。「鏡のときのわたしはわたしだけのわたしなにを言うためひらくくちびる」「うすいまぶたのような花びら掬いあげ掬いあげつつゆくつむじ風」など眩しい。
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きゅー
不祥事に巻き込まれないための心がけをケーススタディ形式で示している。軽い読み物として手に取ったのだが意外にも面白かった。コンプライアンスといっても具体的なイメージが思い浮かばない。しかし本書で書かれている自分と家族の生活を守るための法令遵守という視点はなるほどと思った。対象が「会社」ではなく「自分」になるだけで、ぐっと切迫感が強まる。日々の仕事を見直そうと思った。ところで第1章できつめの女性主任神田さんが、第3章ではおとぼけキャラに変わるのが笑えた。職場では気を張っているのかなとかまで勘ぐってしまった。
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きゅー
2002年に国際児童図書評議会(IBBY)50周年記念大会がスイスのバーゼルで開催された。その開会式で美智子さまがされたお祝いの挨拶が収録されている。併せて、当時IBBYの会長だった島多代氏による、美智子さまご挨拶の経緯の解説が付されている。簡潔にまとめると、美智子さまがもともと児童文学に興味を持っていたこと、島氏と美智子さまが学生時代に知り合いだったなどの縁で生まれた機会だったという。なお東洋人として初めてアンデルセン賞作家賞を受賞したのがまど・みちお氏だが、その英語翻訳をされたのも美智子さまとのこと。
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きゅー
独裁政権後にも続く人々の苦しみが描かれる。危害を加えた者と、危害を加えられた者の記憶の非対称性。プリーモ・レーヴィの『溺れるものと救われるもの』の変奏曲でもある。そしてまた復讐を願う者と、社会的な裁きを望む者の対立の物語でもある。どちらが正しいというわけではない。ひどい拷問を受けた者に、その憎しみを捨て去れという言葉を投げる権利を持った者はどこにもいない。
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きゅー
前作で、自閉症児(ASD)は意図理解・調整・参照という側面においてコミュニケーションの特異性があるため、方言を話さないことが分かった。本作では、それまで方言を話さなかったASD者が方言を話すようになったという情報提供から始まる。方言を話さないことの理由として、音声的特徴の変化の少ないメディアからの音声を獲得しやすいという説明は興味深い。ASD者の話し言葉という課題から離れて、彼らが持つ特徴を多岐にわたって検討しており、この一冊からASD者がどのような感覚や思考を持っているのか理解できる好著だと感じた。
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きゅー
これは面白い。かつて「ソース焼きそばの起源は戦後に生まれた」とされていた。それを典拠に基づいて否定し、ソース焼きそばが戦前から食されていたことを鮮やかに証明する一冊。何より憶測や推測を排し、証拠を重視する姿が素晴らしい。著者の本業はITエンジニアとのことだが焼きそばへの愛と執念に脱帽した。本書によれば、焼きそばは戦前に浅草を中心に食されていたが材料となる中華麺の仕入れが困難であるため他の地域に伝わらなかった。戦後、様々な要因により爆発的に焼きそばが伝播したことが、戦後に生まれたという誤解を生んだという。
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きゅー
テレビで見るたびに、彼の柔らかい語り口もあって「和食の人」というイメージだった。その彼が若い頃はスイスやフランスで料理修行をしていたということに驚かされた。本書で彼の人生を知れば知るほど「一汁一菜でよい」という提案に納得がいった。海外と国内、レストランと家庭の料理、料理の教師といった、様々な立場で料理に相対したからこそのいまの彼があるのだと知った。ハレの日のために洗練されたプロの仕事が日常の暮らしに入り込んでしまったから料理が「面倒なもの」になったと彼は言う。そんなタガはすべて外せばいいと。心強いです。
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きゅー
「家事としての料理って楽しい日もあるけど、しんどい日もある」がコンセプトの一冊。効率重視ではなく、凝った料理重視でもなく、両者の間の日常あるいは日々の炊事を扱っている。ちょっとしたことに気を遣うだけで簡単でおいしくなる、そんなアイデア集といった趣き。日々の料理では気疲れせずに長続きすることが大事ってのはたしかにその通り。冷蔵庫のなかを温度帯で分けるのではなく、使用期間(数日ない、1週間以内、1ヶ月以内)で分けるというのは合理的。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/07/11(4676日経過)
記録初日
2011/03/27(4782日経過)
読んだ本
2427冊(1日平均0.51冊)
読んだページ
552713ページ(1日平均115ページ)
感想・レビュー
2206件(投稿率90.9%)
本棚
4棚
性別
職業
事務系
現住所
愛知県
外部サイト
URL/ブログ
http://biblon.blog98.fc2.com/
自己紹介

昔から翻訳小説が好きで、いまだその深みにはまってます。
長編、劇作、詩、コミカルなものが好き。
短篇集、日本の小説、ミステリー、ファンタジーは苦手。
最近は、中央・東ヨーロッパの作家に焦点をあてて読んでます。

好きなシリーズ
文学の冒険(国書刊行会)
プラネタリー・クラシクス(工作舎)
東欧の想像力(松籟社)
大人の本棚(みすず書房)

好きな作家
高行健
グレアム・スウィフト
チェット・レイモ
ローレン・アイズリー
ライナー・マリア・リルケ
マルセル・プルースト
クラフト・エヴィング商會
フリードリヒ・デュレンマット
コニー・ウィリス
イタロ・カルヴィーノ
イスマイル・カダレ

ナイスについては、基本的に自分が読んだことのある本につけていますので、偏るかと思いますがご了承ください。

読みたい本リストはEvernoteで管理しているので、こちらでは登録していませんが、皆さまの読書記録を日々参考にさせてもらっています。

大学図書館で働いています。

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