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2024年10月の読書メーターまとめ

小説大好き
読んだ本
10
読んだページ
3419ページ
感想・レビュー
10
ナイス
22ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月のお気に入り登録
2

  • ぽ
  • はる

2024年10月のお気に入られ登録
1

  • ぽ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

小説大好き
やはり天才でしょこの作家。収録されたどの短編にも外れがないです。アイデア豊富で(翻訳の力もあるでしょうが)文章も優れており、理工系学問をベースにした本格SFでありながら文化的なマインドを重視するバランス感覚も素晴らしいと感じます。ほぼ共通する特徴として①「時間軸が前後する場面転換」、②「ブリッジとなる場面の省略」が挙げられると思います。この「場面転換」と「省略」が適度に作品の通読難易度を上げています。そして、何より「良い狩りを」が良かったです。作者の王道ではないですが、今年一読んで衝撃を受けた作品でした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

小説大好き
28本も論考が収録されているのに①作者本人の特攻隊長としての戦争体験、②作者本人の病妻体験、③作者本人のキリスト教入信体験、④作者の他作品のどれかに注目するのみで、ほぼ全て「私小説」という概念に捉われており、テクスト批評としてのバラエティは全く感じられませんでした。また、小説家が書く論考にありがちですが、過剰な修辞表現(表現遊びと言ってもいい)が批評のレベルを下げているものも見受けられました。そして、吉本隆明の影響が如何に大きかったかも分かりました。そんな中、小林崇利『仕事の意味』の指摘は鋭い内容でした。
小説大好き
このテーマで具体的な稼ぎ方を提言せず単なる精神論に終始してるの、逆にすごいと思います。読んでびっくりしました。本著の要旨は①もらえる金はもらっておきましょう、②他人の力を借りましょう、③お金はどんどん使いましょう、以上3点です。これらを守れば「なんか知らんけど」「常識の外から」お金が「降ってくる」そうです(108)。例として挙げられていたのは、なんと当たり馬券をもらったなどというエピソード。こんな無責任な内容がありますでしょうか。己は貧乏だった時(あるのか知りませんが)のマインドを忘れたのかと問いたい。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
人生=仕事と思い込んでる高齢者の妄言なので、若者の皆さん真に受けなくて良いです。著者のスタンスは公務員志望の学生を「何がやりたいか? ではなく、公務員になることが目的なのだ。[中略]それの何が愉しいのか」と決めつけで説教する冒頭で既に表れています。著者に公務員経験はないので、完全な思い込みからの批判です。「就活の狙い目は1千人以下の会社」、「ニートの増加は明らかに親の甘やかしが原因」、「ウツが増えるのも、派遣が冷遇されるのも[中略]ジェンダーフリーに端を発している」、と20代の実情が全く見えていないです。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
この本の内容に価値がないことは分かりきっていますので、大事なのは読み方だと思います。本著はどこかで見たようなありふれた人生訓をただ繋ぎ合わせて出来ているので、この時代(2006年)はこのような言説が一般的だったのかと知る目的で読むと良いでしょう。本著は人生の中心に「夢と目標と熱意→仕事」をおいています。ライフプラン式の仕事人生に一切疑問を覚えない点は古い価値観だと思います。また、熱意信仰は裏を返せば結果を個人の心の持ちように押し付けているということです。個人差や社会モデルへの言及がなく、現実味がないです。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
評判通り、通読にエネルギーのいる内容と分量でした。ただ分量についてはこのボリュームだからこそ読み進めていくうち作風に慣れていく部分もあるかと思います。色々感想が浮かぶ作品ですが、まずはこの破滅的な夫婦関係が幼い子供の犠牲の上に成り立っている点、土地の移動が猜疑心のテリトリーを広げる役割を果たしている点、一方南島は無垢性を増していく点、同時に南島の地元言葉が目立ってくる点、夫と妻の訊問/被訊問の関係が少しずつ入れ替わる点、男性性に悪の源を見出している点、家庭に男性を縛り付ける女性像などが注目点となりました。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
やはり天才でしょこの作家。収録されたどの短編にも外れがないです。アイデア豊富で(翻訳の力もあるでしょうが)文章も優れており、理工系学問をベースにした本格SFでありながら文化的なマインドを重視するバランス感覚も素晴らしいと感じます。ほぼ共通する特徴として①「時間軸が前後する場面転換」、②「ブリッジとなる場面の省略」が挙げられると思います。この「場面転換」と「省略」が適度に作品の通読難易度を上げています。そして、何より「良い狩りを」が良かったです。作者の王道ではないですが、今年一読んで衝撃を受けた作品でした。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
10年ぶりに読み返しました。大枠は理解できたと思います。権力誇示の祭式であった身体刑から監獄へと移り変わり、規律・訓練〈ディシプリーヌ〉による労働力の再生産が期待されたものの、実のところ監獄の真の効用は非行性〈デランカンス〉の標付けにあり、監獄的な規律・訓練の網は諸制度と結びつき自動化された権力となって社会を規定している、といった要約になるでしょうか。本著は一望監視装置〈パノプティコン〉の概念を扱ったことであまりにも有名ですが、読んでみるとパノプティコンへの言及は意外に少なく、他の要素が重要と分かります。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
オーソドックスな小学生の話かと思いきや意外と油断できない通好みの一冊でした。5人の5年生の一人称で語られるダイエット、友人関係、恋心、家庭環境といった(ありがちと言えばありがちな)種々の問題は、どれ一つ明確な解決をしません。最初のエピソード「ダイエット:細川糸子」がよく物語っていますが、本書が描いているのは少年少女の抱える悩みの「解決」ではなく「前進」に過ぎず、そこが一つのポイントだと思います。そして、小学校が舞台の中心なのに先生がほぼ登場しない、子どもたちの作る世界に着目している点も特徴的に感じました。
小説大好き
5年ぶりに読み返しました。読み返す度に新鮮な感動を味わえるのが凄いです。小笠原豊樹の訳の力も大きいと思います。本作所収の短編は大体大好きです。豊かな文章で語られるテーマは人種差別や孤独や貧困など思いの外苦悩に満ちています。それでもブラッドベリは人生讃歌の作家だと思います。人生は苦痛で理不尽だが、シンプルな喜び(走る、話す、手紙を書くなど)に溢れていることを本作は教えてくれます。「霧笛」は映画『原始怪獣現わる』の元ネタで、この映画をベースに作られた作品が『ゴジラ』なので、日本人としても無視できない作品です。
が「ナイス!」と言っています。
小説大好き
とても面白かったです。元来SFの醍醐味は自然科学分野を横断的に扱うダイナミズムにあるのだと改めて気付かせてくれました。本作の場合特に細菌学などの生理化学が下敷きとして強固で、設定や展開にも活かされていると分かりやすく提示されるので、無理のない難易度で読み進めることができました。ただし、同時に映画版がなぜ何回観ても印象に残らないのかも理解できた気がします。本作ははっきり言って尻すぼみです。主要人物6名の内科学者サイド2名と患者サイド2名への言及が無いまま終わるので、「残りの彼らは?」という疑問は拭えません。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/01/15(1408日経過)
記録初日
2021/01/03(1420日経過)
読んだ本
317冊(1日平均0.22冊)
読んだページ
107111ページ(1日平均75ページ)
感想・レビュー
317件(投稿率100.0%)
本棚
4棚
性別
血液型
A型
自己紹介

小説が大大大好き。
MAで司書で英文学会員です。
隙あらばPh.Dも狙います。
たまに従姪にアカウントを乗っ取られます。

【マイルール】
・2021年1月1日を開始日とする
・漫画/ラノベ/雑誌は基本的に登録しない

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