あるポッドキャストを聴いている人たちが出てくる短編集（連作）、少しずつ繋がっている。読みやすく、あたたかくてとてもよかった。夜風に当たって月を眺めながら、今を噛み締めたいと思った。

わかりやすい布石もあったものの二重、三重にひっくり返される。読みにくさや違和感にも納得。エピローグでえ？ってなった。途中から気分が悪くなってきた。螢の狂気がうつったのかも。

緑がたくさんの家に住む3人の、それぞれの、だけどみんなの話。佐藤さん、まりもくん、みりちゃん誰にも感情移入できなくて、なんか出てくる人のことみんな少し嫌いな感じだった。特に佐藤さんみたいな人間は嫌い。お話としてはとてもよくできていて、読みやすく、良かった。同じ景色を見ている人間は、孤独だけれど、頭を寄せ合って生きていく。生きていくうちに「家族」になる。なんとか毎日を生きていく。

見知った絵本がたくさん出てきて楽しく読めた。均衡を回復する話・反復の見られる話＝円環の時間という点は納得。なんとなく動物たちが行列になっている方がビジュアル的に面白みを感じるから、程度の印象しか持っていなかったけれど、積み上げて（並べて）どんな効果があるかはわかったし、絵本という媒体だからこその面白みだと感じられた。論じられている内容を読んだ上で、他人に「なぜ？」と問われてもうまく答えられる気がしない。毎日子に絵本読み聞かせをしているので、この本に出てきた視点を持ちながら絵本を読み返してみたい。

一つひとつが時代設定は曖昧だけど、丁寧に描かれた話だなという印象。楽しく読めた。

黒猫シリーズが好きなので、こちらを手に取ってみた。御伽噺の解釈を重ねた謎解きは面白いのだけど、『彼女』と先生の正体をめぐるあれこれがなんというか…漫画っぽい感じがした。少しだけ、月子と夢センセのやり取りにイライラしてしまう。文芸の担当編集やってる女子、こんなにおバカっぽい感じじゃないと思うのよね。

あっという間に読了。「人形」がテーマになっている幻想的な短編集だが、全体を通じて「青」が聖なる色というイメージでつながっている。少し残酷だったり、不思議だったり、切なかったり。「モンデンキント」の雰囲気が好きだな。

成り上がり者の「アルテミオ・クルス」が死の床で自分の人生を回想する。時系列がバラバラなことと、語り手の視点が二人称的になったりすること、自分がメキシコの革命云々に不案内なのでわかりにくい点も多かった。いい意味でも悪い意味でも、このような生き方をする人、日本には今いないのではないだろうか。

なんとか読了。「遍歴」がおもしろかった（わかりやすかった）のと、本人の手によるあとがき（解題）が良かった。表題作の「ムーンシャイン」は難しくてちょっとわからなかったなぁ。「ローラ」は最近よく聞く画像生成AIの話だからとっつきやすかった。全体通してよくわからないけど、読んで、なんとなく伝わって、でもよくはわからない。

こちらの作家の作品、初めて読んでみた。読みやすいが、うーむ、後味が悪かった〜

あるポッドキャストを聴いている人たちが出てくる短編集（連作）、少しずつ繋がっている。読みやすく、あたたかくてとてもよかった。夜風に当たって月を眺めながら、今を噛み締めたいと思った。

表題作はなかなかおもしろかった。しかしどの「程度」の知名度がある登場人物なら実在を得られるのかという部分を考えてしまう。みんなが知っている人物って、時代とともに移り変わってしまうじゃない？「かんいち おみや」なんて言っても現代通じないでしょ…なんてまぁそんな真面目に考えなくても。ファンタジーですからね。