いや改めて恩田陸さん凄いよなー…。絵面だけで言えば”誰かがピアノを弾いている。それを観客が聴いている”場面が20回くらい続いて、この小説の大半を占めているにも関わらず、毎回手触りが違うもん。キャラクター毎にも、1回目より2回目、2回目より3回目で演奏に成長や変化のあったことがきちんと分かる。絵面は同じなのに、同じ場面は一度もない。天才3人の書き分け方も天才。
使命とか運命とか人生の目的っていうと、世界や社会に向けた志。みたいなスケールの大きい、非日常的な心構えを想像しがちだけど、ほんとうはもっと気軽で身近なことで良い。自分は何をしたいのか、ただそれだけで良いんじゃないかな。何かのために、誰かを
想うきもちから、正義感をもとに起こした行動が、必ずしも他にとって正しいとは限らないし。誰かを想う気持ちが、その誰かを結果的に傷つけることになるかもしれないし。であれば、私は何がしたいのか、私の正義感の中で生きていたら良い。周りにどう受け取られようと、善意が善意で返ってこなかったとしても、最後まで貫き通せば良い。
朝井リョウ大好きマン
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