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2024年3月の読書メーターまとめ

ピンガペンギン
読んだ本
16
読んだページ
3500ページ
感想・レビュー
15
ナイス
498ナイス

2024年3月に読んだ本
16

2024年3月のお気に入り登録
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  • shikada
  • 馬咲
  • belier

2024年3月のお気に入られ登録
1

  • 馬咲

2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ピンガペンギン
数年ごしのクラシックギタリストと国際ジャーナリストの恋の話で、先に映画を鑑賞して、それ程感動もしなかったが、原作をブックカフェで読んだ。台詞が映画でそのまま使われていたのを確認した。何でだろう。それが、ただきざに聞こえるというか。蒔野が洋子にするパリでの愛の告白の場面の台詞もちょっと感動が無かった。バッハ家はハンガリーから流れてきたとか音楽の情報が織り込まれていた。
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月にナイスが最も多かったつぶやき

ピンガペンギン

四国八十八ヶ所霊場第三十一番札所の竹林寺の五重塔です。快晴で気持ちが良い一日でした。たくさんのお遍路さんが参拝されていました。

四国八十八ヶ所霊場第三十一番札所の竹林寺の五重塔です。快晴で気持ちが良い一日でした。たくさんのお遍路さんが参拝されていました。
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2024年3月の感想・レビュー一覧
15

ピンガペンギン
表題作は幕末期に生まれた大名家の息子が、留学先で黒人たちの霊歌(スピリチュアルズ)に魅せられて弟子入り志願するという一見突飛なお話だった。軽い筆致で主人公が成長していく様子が描かれていて、爽やかな読後感をくれた。国籍や立場を異にしている人たちが、多くの人が抑圧されない世界を実現したいという理想のもとにつながるという姿が共通していた。歴史の中で敗北して埋没していったような人たちだった。(ハワイ砂糖黍農園、モンゴル馬賊の話が印象的だった。)機会があれば、デビュー作「天地に燦たり」を読みたい。
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ピンガペンギン
工芸品・民具などを20万点も収集されている著者のコレクションから逸品を紹介してくれた本で、「眼福」、うっとりするような品々ばかり。明治に来日した外国人がトランク一杯に工芸品を買ったという記述は誇張ではなかった。各専門家との対談もある。「寄木細工」著者は世界各国の工芸品を見に行ってルーツはシリアにあるらしく当地のモスクの中の品は寄木細工でできていたそう。漆器のなかでは駿河・会津漆器は輸出品が多かったため、オリジナリティや変化がある品が多いという。「麦わら細工」シーボルトが購入してオランダの日本美術館に→
ピンガペンギン
2024/03/31 12:37

同じものが展示されているという手提げ箱(ピクニック用弁当箱)がP136に掲載されている。なお著者は、コレクションのAランクの品だけを売って欲しいという人がきても、決して売らないそう。B,C級品も収集するしAランクだけ売ったらそのほかの物が散逸してしまうからだそう。「高級品でない日用品が、教科書に書かれていない多くのことを語りかけてくれる。」(P17)

ピンガペンギン
2024/03/31 12:39

2021年発行。2017年発行の同名の書籍のカバーを新装したものです。

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ピンガペンギン
「定年後さわらぬ神に昇進し」63歳女性。同居家族との距離感は大切ですね。「ばあちゃんはあれあれ詐欺だと孫がいう」40歳女性。たしかに、会話のアレとかソレの出現率が増加しましたね。「自費出版葬儀代にと止められる」63歳女性。
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ピンガペンギン
ネタバレ有島武郎と画家志望の実在の少年(成長後、漁師になって再会する)との関わりを書いた内容で、有島武郎の文章力はすごいと思った。文学にあくまで芸術として取り組んでいた時代の誇りが感じられ、主人公の作家は、その道を生きていく苦しみを知っているがために、軽率に画家になればよいと青年に勧めることはできない。電子版で細切れ時間に読んだが、別の作品はやはり紙の本で読みたい。
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ピンガペンギン
「ホエル」「エレーヌ」「ジャンヌ」という三篇で構成されていてすべてが関連している長編。違う時代に何度も生まれ変わりながら同じ男女が出会い違う関係性を生きていく。「エレーヌ」は16世紀フランスの話で、亡くなった妻に生き写しの娘を身代わりにしたい父親に付けこんで大金を巻き取ろうという従弟の魔術師の暗躍ぶりが面白く最後まで引き込まれた。「ジャンヌ」は現代(1940年)が舞台で、作家のジャンヌはキリスト教信者ではないが、「悪魔の存在がなにを意味するのかはわかる」(P238)「小さい頃に人のいないサロンを震えて→
ピンガペンギン
2024/03/24 12:26

通った」という霊的感受性が鋭い人。あとがきも読むと、グリーン本人の感覚が同様だったのではないかと思った。作家が過去の人物に魅入られて取りつかれたようになるくだりがとてもリアル。エレーヌの行為(祈り)が「ホエル」「ジャンヌ」に影響を与えているのが伺われる文章がある。

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ピンガペンギン
作家自身がソチ(「茶番劇」)という区分に入れたとあり、最初は、戯画的な登場人物が出てきて娯楽小説のようだと思った。ジッドの父親は南仏出身。田舎の別荘でよく遊んだとあった。ポーというピレネー近くの町で植物学者の父親に植物の名前を付けられていじめられた女の子は、成長して優しい青年と結婚する。純朴で信じやすいその人はのちにひどい運命にあう。登場する作家は、ジッドが育った環境の代表なのか「安逸しか望んでいない」人物。カトリック教会を思いっきり茶化しているのはもちろん、読者である自分も茶化されている→
ピンガペンギン
2024/03/20 11:01

→気分になってきた。解説によると「理屈の中のゆとり」があるんだそうな。結末はドストエフスキーの影響?(他の方のレビューにあった。)

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ピンガペンギン
足立美術館での2020年特別展の展示をもとに構成されている。図書館で借りた別の本より、印刷が良いような気がする。持っていて損はない本。大観の師・岡倉天心への敬愛の念は一生続いた。大観は「骨肉も及ばないほどの先生の真実の愛」とも言っていたという。初期の絵が朦朧体と呼ばれて批判をあびたが、そもそも「朦朧」という言葉が「汚い、いんちき」という意味だったという。明治時代の朦朧体の研究がその後の「湿潤な空気の重み」を表現した滝や竹林の水墨表現に活きていったという。実物をぜひ見に行きたい。
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ピンガペンギン
漢字のお題は「庭」だが、「執着」の執という感じだった。スタインベックの新婚夫婦の話「白いウズラ」は、庭に執着するお庭ファーストのメアリーの独白が面白かったが、この話は現在の精神医学でいうカサンドラ症候群を引き起こす現場みたいに思えた。ここまでではなくても、メアリーみたいな奥さん(夫も)は結構いるのかもしれない。岡本かの子「金魚繚乱」は階級差のある風景というのを冒頭でも改めて感じた。「宏壮な邸園の一端にロマネスクの半円祠堂があって」そこの腰掛けに真佐子が座っている。「心が動きも止りもしないようになって」→
ピンガペンギン
2024/03/14 18:15

→主人公の復一は真佐子を眺める。真佐子の子供が小さいので、30代?昔は老いるのが早かった。

ピンガペンギン
2024/03/14 18:51

誤字がありました。繚乱→撩乱

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ピンガペンギン
2022年に逝去された渡辺京二さんの名著。昨年秋から読み、中断を経て、やっと全部読んだ。(読むと悲しくなるので読書がすすまなかったのか。)ここに描写されているのは明治初期に来日した外国人が書いた日本社会の様子。近代化という「人類史の必然」(巻末)を経て失われたものの大きさ。良くなったことはたくさんある。現代は義務教育があり乳幼児死亡率は下がり、その他もろもろ。しかし幸福感は、この頃より下がったのではないか。「貧乏人は存在するが、貧困は存在しない」(チェンバレン)「浜辺は彼ら自身の浜辺であり、海のもたらす→
ピンガペンギン
2024/03/17 21:04

→恵みは寡婦も老人も含めて共同のものであったという。(P151)その頃の日本が同時代の欧米社会や中国と比較して清潔で天国のように見えたという事実については冷静な分析がある。著者は北京・大連で育ったので、桜よりも杏の花の方が好きで「日本で異邦人として過ごした気がする」ともいう。「現代を相対化するための一つの参照枠を提出したかったので、『祖国』を誇るためではない」とも。「一言でいって、それは情愛の深い社会だった」「真率な感情を無邪気に、しかも礼節を保ちながら伝えあうことのできる社会」。

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ピンガペンギン
数年ごしのクラシックギタリストと国際ジャーナリストの恋の話で、先に映画を鑑賞して、それ程感動もしなかったが、原作をブックカフェで読んだ。台詞が映画でそのまま使われていたのを確認した。何でだろう。それが、ただきざに聞こえるというか。蒔野が洋子にするパリでの愛の告白の場面の台詞もちょっと感動が無かった。バッハ家はハンガリーから流れてきたとか音楽の情報が織り込まれていた。
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ピンガペンギン
面影、浮世、サムライ、いきというテーマで深い対話が展開される。一旦読むのを諦めていた本に再トライ。やはり知識不足で難しい。内村鑑三(「代表的日本人」)、新渡戸稲造(「武士道」)、岡倉天心(「茶の本」これだけ読んだことある)らが英語で欧米の価値観に認めてもらうために本を書いたとき、いい加減さ、遊び、自堕落などというものは削ぎ落とされて、(彼らは全員下級武士出身だった。)武士の価値観を前提にすることになった。いまだに「サムライジャパン」と言う日本人。江戸時代にあった多様性を振り落とした不幸があるのかも。
ピンガペンギン
2024/03/10 21:53

新渡戸の「武士道」はある種のフィクションがあるという。(P237)武士道には四書五経、仏教、神道が入っている。四書五経を学んだのは武士だけでなかった。それらを説明していない。

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ピンガペンギン
著者は環境・社会問題エディター。200冊以上の関連書籍、ニュース等を読んでをまとめたもの。題名に「希望」とあるが、日本にとって厳しい現実に直面する内容だった。なかでも著者の詳しい環境問題で日本の取り組みは遅い。気候変動は大事、という社会の同意は出てきたようだけど、高齢者が多いせいか、具体的な取り組み内容について選挙の争点になってなかった?再生可能エネルギーは世界各国で導入が進みその比率が高くなっているが、日本は20%。十分に競争力がある自然エネルギーを排除しかねないやり方で電力容量の→
ピンガペンギン
2024/03/09 20:27

→オークションが行われているという。100年前に1年間に絶滅していた生物種がは1種だったが、現在では毎年約4万種も絶滅していっているという。(全体の750分の1)私が一番驚いたのはベルギー人男性(妻子あり)が悩みを抱えていて、対話型の「パーソナルAI」と対話しすぎ(?)て、なんと「天国で一緒に生きましょう」と言われて自殺してしまったという話。(終章)最近、語学学習の会話重視アプリを知って大変便利さを実感しているのだが。

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ピンガペンギン
1980年出版の本。著者はフランスの歴史家でジャンヌ・ダルクの専門家でもある。12世紀には宮廷風の文化として貴婦人に仕える女性優位の作法の体系ができて、アンドレ・ル・シャプラン(スタンダールの恋愛論にも出てくるみたい)という聖職者の「恋愛論」が引用されている。(P138)貴族の世界の話か、庶民に関係ないのだと思ったら、「真の貴族は態度と物腰における貴族」「生まれではない」ともあるという。理想としてはそうだったということだろうか。もう一つ面白かったのは、中世の司教や司祭の関心事は離婚ではなく、近親相姦→
ピンガペンギン
2024/03/08 23:09

→の禁止だったということ。近親相姦といっても今の観念と違っていて、従兄妹同志の婚姻はだめ、とか叔母、叔母の娘および義理の娘、とか兄弟の未亡人とか広い範囲が禁止にされていた。ロベールという王子の例が紹介されていて、離縁は司教たちがら問題にされず、再婚する妻が三親等の間柄(いとこ同士から生まれた間柄)だったので教皇に反対されて結婚解消を命じられた。また「近親結婚の障害を理由(口実)に、離婚することがあった」結婚生活15年たって言い出して離婚したアリエノール・ダキテーヌ王妃など。結婚は家の団結・発展のため。

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ピンガペンギン
クライストはフランクフルト・アンデアオーダー生まれ。「チリの地震」1810年作。17世紀に実際にあった地震を背景にカントらの神学上の議論が反映されているとある。地震のおかげで処刑を免れた主人公たちのその後は?臨場感あふれる描写に魅了された。「サント・ドミンゴでの婚約」はハイチ革命を背景にしていて、黒人リーダーらの実名が登場する生々しい作品だった。二作とも森鷗外が昔、翻訳している。「悪因縁」という題を鷗外が付けたように、極限状況で愛し合った男女の悲劇で、ほぼ白人視点の話、台詞だ。
ピンガペンギン
2024/03/05 22:53

解説が本文同様に面白くて必読だと思った。クライストは34歳で女性と心中している。「サント・ドミンゴでの婚約」を書いたその年に。

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ピンガペンギン
スコットランド出身の著者が新婚時代に画家の妻と滞在したデリーの思い出をまとめた旅行記。(1993年初版。City of Djinns: A Year in Delhi)そこは「街のいたるところで人間も遺物として残っている」「異なる時代が隣合わせに存在」(プロローグより)する場所だ。滞在して何か月が過ぎると著者は、パキスタン分離独立時に難民だった記憶を持つ人が実に多いと気がつく(P56)。著者らの家主のシーク教徒のプリ夫人は1984年の暴動で全財産を失ったがそこから奮起して金持ちになった。
ピンガペンギン
2024/03/03 10:42

「姪たちにおじさんはムガール時代に生きていると言われる」イスラム教のスーフィーの学者とも仲良くなって「古典ペルシャ語を習いませんか。私はダルウィーシュ(修行僧の一種)みたいな者だから無料で教えますよ。宝の山への道が開けるんですがね。」と言われたりする。著者のスタンスは「特定の宗教の信者ではなく、不可知論者じゃなのかどうかもわからない」。そのためインドの文化に愛情と尊敬の念で接しながらも、対象との(本を執筆するうえでの)絶妙の距離を感じる。原著からインドと英国の歴史的関係についての記述を章、節単位で→

ピンガペンギン
2024/03/03 10:48

→削除されていると巻頭にあるのが良かったのかどうか。エピローグにインドでは河がたとえ泥水であっても崇拝の対象であるとあり、遺体を燃やした後に残った灰を河に流すという行為はその神聖な対象に還っていくということか、と気がついた。(映画「RRR」でも河にかけて誓うシーンがあった。)

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2021/12/17(861日経過)
記録初日
2017/11/25(2344日経過)
読んだ本
1284冊(1日平均0.55冊)
読んだページ
318365ページ(1日平均135ページ)
感想・レビュー
422件(投稿率32.9%)
本棚
21棚
性別
現住所
高知県
自己紹介

2021年12月に登録しました。50代はじめです。
○2023年は堀田善衛「インドで考えたこと」を1月に読み、また「九つの人生」を7月に読んだりとインド関連に興味が出てきた年でした。
◯感想を書く時に、面白くないと思った小説からも発見があるんだ、と気が付きました。読書メーター、いいね!(バルザック「田舎のミューズ」の感想を書いていて。)2024.1
◯読んだ本のレビューは書かないこともあります。でもその本がつまらないという訳ではありません。書きにくい、それ程書きたくないなどの理由がありえます。(実はつまらなかったということもあるかな。)2024.1
○語学学習アプリDuolingoで学んだのはフランス語と中国語です。(2024.3)
○台湾出身の著述家焦さんによる「現代の世界的ピアニストたちとの対話」シリーズが好きです。
○海外作家ではバルザックが一番好きで読み進めています。今まで読んだ中では「オノリーヌ」「ソーの舞踏会」「骨董室」が印象にのこっています。
○精神科医の中井久夫さんを須賀敦子全集(河出文庫)の解説で知り、いくつかのエッセイを読みファンになりました。2022年8月に逝去されたと読書メーターのおかげで知りました。













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