
長年の積読本だった森鷗外訳「ファウスト」を読めて良かったです。久保田万太郎俳句集、太宰治「グッド・バイ」も。2025年9月の読書メーター 読んだ本の数:22冊 読んだページ数:3733ページ ナイス数:662ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1300555/summary/monthly/2025/9
習近平に実際に接した元沖縄知事の言葉が興味深かった。「ほとんど笑わず、面白い事を言わず、余計な私的なことは話さない。よって失言はゼロ。言語明瞭。偉ぶる感じも威圧感もない。まったく何もない。「大人(たいじん)」というか、すべてを抱え込むようなオーラがあった。」ただ独裁者になることは予測もしなかったそうだ。
くだんの総領事については、この章を読むと、彼を嫌いになれない人が多いのではないかな。私も好きにはならないけど、嫌いではない。動画の方が大使館員にオタクがいたとかいう笑える話が多かった。本では控えめ。
ゴーティエ「コーヒー沸かし」LA CAFETIERE 1831 は世界観が魅力。失神した人のこめかみをオーデコロンで冷やすとか、精油の成分に鎮静作用があるので合理的かも。各短編の作家説明も詳細で、本体価格700円ちょっとの値段の安さもよい。
→別の本であったが、父危篤の報を受けた年の夏に夫を亡くし、2年後父が死去する。時間軸が移動する事が多い須賀作品だが夫の死を書いた「アスフォデロの野をわたって」は哀しみが消えることのない現在形のように思えるのは最後の一文のせいだった。「アスフォデロが花の名だったのか、ただ単に忘却を意味する普通名詞なのかは、いまだにはっきりとわからない。」
明るさがある「トリエステの坂道」は作者が作家デビューのきっかけを作った「SPAZIO」連載だが、「ヴェネツィアの宿」は「文學界」の毎号連載だったためか全体のトーンはもっとそろって暗い。須賀敦子は川端康成の「山の音」をイタリア語に翻訳している。川端の「千羽鶴」に「死はあしもとにあった」という一文があったと思うが、それと同じ様な雰囲気がある様に感じた。
→経緯は不勉強なことで、知らなかった。中華民国は沖縄の日本による領有権を認めていなかった。日中共同宣言で上書きされたとのこと。現在の台湾の言論はどうなっているのだろうか。物流が止まれば飢餓が生じる。戦争は一利もない。
私が中国に旅行する予定はないが、海外駐在する日本人は多い訳で。そういう人が多く読む本なのかも。言語に民族に多様性がある中国で仕事せざるを得ない方たちが困る様な事態をわざわざ政治家は作り出すなよと言いたい。
あとでYoutubeを見てみたら、ヤンさんはファッショナブルな女性だった。地図がどうとかいう題で、男性をイメージしてた私。結構こういうジェンダー的思い込みはある。でもこの本って各州に美人女優(美男俳優は1枚だけ)の写真が何枚か掲載されていて、おっさん的センスを感じたのは事実。それは昭文社編集部のセンスかな?
→という(P102)たとえば、喘息の遺伝子というものは見つかっていない。「ゲノムについて掘り下げれば運命論的でない部分が見えてくる」英米の研究で、社会的地位が高い人間はセロトニンが脳内に多い(気分が良いのだろう)、心臓病にもなりにくい、とあって、政治家が80歳になっても辞めないし、元気そうなのは、地位のせいだからかと思った。まあこれは、うのみにしない方が良さそうかも。
P188「ゲノムは変化する。いろいろなタイプの遺伝子が病気の盛衰に応じて増減を繰り返す」P240 珍しい遺伝子の存在頻度に急峻なピークが、それはバスク王国のあった地域に一致。バスク人は新石器時代以前の人類の生き残り?
→支持しているうちは、制度として残るだろうが、世界的趨勢は廃止の方に向かっている。(アメリカは南部の州は存置している州が多い。東部、西部は廃止、存置していても執行されてない州が多い様だ。)
→ところから始まる。20年後には結婚したのを後悔するというのはよくある話かもしれないが、この作品は、差別が少ないと言われるイタリア社会においてもユダヤ人差別が根深いことを非常に印象深く描写している。
→別のところで指摘されているが戦争の傷跡がさり気なく出てくる。ガッティの両親は戦災孤児の親代わりになった。須賀さんの男友達の新しい彼女の実家は戦争で絨毯爆撃された。須賀さんがコルシア書店に導かれたきっかけになったマリアは母がユダヤ人で、彼女は強制収容所に入っていた(最後の話は「ミラノ霧の風景にある」)。
→エピソードがあるが、決してそうではない。マリアが最後に須賀さんにしてくれた収容所に入れられた話と、そこからの解放、ローマでの生活の始まりとつながっている。ところどころに出てくる生活の余裕(2週間どこそこに滞在したとか)は、本当にいいなあ。
連載時の最後の回は、亡くなった夫とその夫が最も愛した詩人ウンベルト・サバのこと。サバの良さは外国人にわからないでしょう、という侮りをある場所の会話で受け取った須賀さんは、珍しく作品で悔しさを表出させていた。二人が詩をともに読んだ豊かな時間が想像される。そして喪失感の深さも。
2021年12月に登録しました。50代です。
〇小説、新書を中心に読んできました。
〇若い時「森鷗外選集21巻」石川淳編(中古)を購入しました。転居のたびに持ち運び、50代になって再読中。旧仮名表記で趣があり本のサイズも良いです。同じく20代で購入した「ギリシャ悲劇全集」(岩波書店)も待機中です。(2025.6)
〇キリスト教、仏教(ベストセラーを出していたスリランカ出身のスマナサーラ師の本など)の本を昔から時々読んでいましたが、最近は日本宗教史にも興味があります。(2024.12)
〇司馬遼太郎「街道をゆく」シリーズ まだ7冊しか読んでいませんが、これも読んでいきたいです。(2024.12)
○語学学習アプリDuolingoでフランス語と中国語(音楽、ドイツ語も)を学んでいます。二兎を追う者は…と申しますが、面白いので二言語とも続けたい。(2025.6)
○台湾出身の著述家焦さんによる「現代の世界的ピアニストたちとの対話」シリーズが好きです。
○海外作家ではバルザックを読み進めています。「ゴリオ爺さん」「ランジェ公爵夫人」「オノリーヌ」「金色の眼の娘」「骨董室」などが印象強烈でした。しかし、読むと嫌な気分になることが多いので、中断している…。
○精神科医の中井久夫を須賀敦子全集(河出文庫)の解説者として知り、エッセイを読んでファンになりました。2022年8月に逝去されたと読書メーターのおかげで知りました。
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→支持しているうちは、制度として残るだろうが、世界的趨勢は廃止の方に向かっている。(アメリカは南部の州は存置している州が多い。東部、西部は廃止、存置していても執行されてない州が多い様だ。)