同じものが展示されているという手提げ箱(ピクニック用弁当箱)がP136に掲載されている。なお著者は、コレクションのAランクの品だけを売って欲しいという人がきても、決して売らないそう。B,C級品も収集するしAランクだけ売ったらそのほかの物が散逸してしまうからだそう。「高級品でない日用品が、教科書に書かれていない多くのことを語りかけてくれる。」(P17)
通った」という霊的感受性が鋭い人。あとがきも読むと、グリーン本人の感覚が同様だったのではないかと思った。作家が過去の人物に魅入られて取りつかれたようになるくだりがとてもリアル。エレーヌの行為(祈り)が「ホエル」「ジャンヌ」に影響を与えているのが伺われる文章がある。
→恵みは寡婦も老人も含めて共同のものであったという。(P151)その頃の日本が同時代の欧米社会や中国と比較して清潔で天国のように見えたという事実については冷静な分析がある。著者は北京・大連で育ったので、桜よりも杏の花の方が好きで「日本で異邦人として過ごした気がする」ともいう。「現代を相対化するための一つの参照枠を提出したかったので、『祖国』を誇るためではない」とも。「一言でいって、それは情愛の深い社会だった」「真率な感情を無邪気に、しかも礼節を保ちながら伝えあうことのできる社会」。
新渡戸の「武士道」はある種のフィクションがあるという。(P237)武士道には四書五経、仏教、神道が入っている。四書五経を学んだのは武士だけでなかった。それらを説明していない。
→オークションが行われているという。100年前に1年間に絶滅していた生物種がは1種だったが、現在では毎年約4万種も絶滅していっているという。(全体の750分の1)私が一番驚いたのはベルギー人男性(妻子あり)が悩みを抱えていて、対話型の「パーソナルAI」と対話しすぎ(?)て、なんと「天国で一緒に生きましょう」と言われて自殺してしまったという話。(終章)最近、語学学習の会話重視アプリを知って大変便利さを実感しているのだが。
→の禁止だったということ。近親相姦といっても今の観念と違っていて、従兄妹同志の婚姻はだめ、とか叔母、叔母の娘および義理の娘、とか兄弟の未亡人とか広い範囲が禁止にされていた。ロベールという王子の例が紹介されていて、離縁は司教たちがら問題にされず、再婚する妻が三親等の間柄(いとこ同士から生まれた間柄)だったので教皇に反対されて結婚解消を命じられた。また「近親結婚の障害を理由(口実)に、離婚することがあった」結婚生活15年たって言い出して離婚したアリエノール・ダキテーヌ王妃など。結婚は家の団結・発展のため。
「姪たちにおじさんはムガール時代に生きていると言われる」イスラム教のスーフィーの学者とも仲良くなって「古典ペルシャ語を習いませんか。私はダルウィーシュ(修行僧の一種)みたいな者だから無料で教えますよ。宝の山への道が開けるんですがね。」と言われたりする。著者のスタンスは「特定の宗教の信者ではなく、不可知論者じゃなのかどうかもわからない」。そのためインドの文化に愛情と尊敬の念で接しながらも、対象との(本を執筆するうえでの)絶妙の距離を感じる。原著からインドと英国の歴史的関係についての記述を章、節単位で→
→削除されていると巻頭にあるのが良かったのかどうか。エピローグにインドでは河がたとえ泥水であっても崇拝の対象であるとあり、遺体を燃やした後に残った灰を河に流すという行為はその神聖な対象に還っていくということか、と気がついた。(映画「RRR」でも河にかけて誓うシーンがあった。)
2021年12月に登録しました。50代はじめです。
○2023年は堀田善衛「インドで考えたこと」を1月に読み、また「九つの人生」を7月に読んだりとインド関連に興味が出てきた年でした。
◯感想を書く時に、面白くないと思った小説からも発見があるんだ、と気が付きました。読書メーター、いいね!(バルザック「田舎のミューズ」の感想を書いていて。)2024.1
◯読んだ本のレビューは書かないこともあります。でもその本がつまらないという訳ではありません。書きにくい、それ程書きたくないなどの理由がありえます。(実はつまらなかったということもあるかな。)2024.1
○語学学習アプリDuolingoで学んだのはフランス語と中国語です。(2024.3)
○台湾出身の著述家焦さんによる「現代の世界的ピアニストたちとの対話」シリーズが好きです。
○海外作家ではバルザックが一番好きで読み進めています。今まで読んだ中では「オノリーヌ」「ソーの舞踏会」「骨董室」が印象にのこっています。
○精神科医の中井久夫さんを須賀敦子全集(河出文庫)の解説で知り、いくつかのエッセイを読みファンになりました。2022年8月に逝去されたと読書メーターのおかげで知りました。
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