訳者である山田先生の話をラジオで耳にした翌日、偶然立ち寄った大型書店で大量に展示をされていて思わず手にする。1993年初版ながら今なお毎年の重版で、最新版は74刷というロングセラー。時代は変われど不可視化された鉄格子の中で生きることに苦悩する人が多いからか。フランクルが問いかける「意味への意思」。自分から人生の意味を問うのではなく、人生からの（全肯定が前提での）問いにその時その時に応答する。年を重ねて来た今、そのようなものの見方の転換は確かにと思う。

普段からジェンダーバイアスには気を付けているつもりだが、体に染みついているものや視覚などに引きずられることは今でもある。本書は、巻頭の男女それぞれ約180名の7項目の心理的特徴を色で可視化した「ヒトのジェンダーのモザイク」などで自身のバイアスをアップデートしてくれる一冊。原著タイトル「ジェンダーモザイク」の通り、そのモザイクさがよく分かる。ノンバイナリーはバイナリーな世界から見たら枠組みの外という扱いだが、既存の枠組みから解放された（されたい）ひとり一人として理解するものなんだろうと本書を読み思った。

予備知識ほぼなしで観た映画、交錯する時間軸や多彩な登場人物に翻弄されストーリーを追うのに精一杯な3時間。ノーラン監督の作品にしては分かりやすい方らしいが、主人公が活躍し苦悩した時代や彼を取り巻く人間模様にあらためて興味が湧いた。本作は著者の研究テーマと重なる部分の比重が強めで、最後のオッペンハイマー事件のパートはあっさり。あの極秘プロジェクト「マンハッタン計画」に関わった主要な科学者・行政官・軍人らの関係性はだいたい押さえられたはず。来週にでも再度映画館に行ってみようという気になった。

訳者である山田先生の話をラジオで耳にした翌日、偶然立ち寄った大型書店で大量に展示をされていて思わず手にする。1993年初版ながら今なお毎年の重版で、最新版は74刷というロングセラー。時代は変われど不可視化された鉄格子の中で生きることに苦悩する人が多いからか。フランクルが問いかける「意味への意思」。自分から人生の意味を問うのではなく、人生からの（全肯定が前提での）問いにその時その時に応答する。年を重ねて来た今、そのようなものの見方の転換は確かにと思う。

どうやったらビッグ・モーターみたいな会社が生まれんだろうかという興味から「識学」を知り手にする。比喩的表現とはいえ「リーダーの仮面をかぶる」「社員は機能」「組織あっての個人」など出てくるキーワードから、ああいう会社も出てくるかもなと。当然、筆者も不正を推奨しているわけではない。ただ、無理な組織拡大は過ちを犯すリーダー出現の誘因となるのは想像つくこと。ある意味あの会社の是正ポイントがクリアだから、伊藤忠も世間から大きな非難を浴びた会社の事業を引き継いで再建しようと判断したんだと納得した一冊。