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2023年2月の読書メーターまとめ

Sakie
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342ナイス

2023年2月に読んだ本
15

2023年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

Sakie
自称専業インテリ悪口作家。ジアタマのいい人の戯言って面白いな。それもこれくらいの分量に留めるからこそ。理系ながら文学のたしなみもあるので深みはそこそこでも幅広くて面白い。ってこれ悪口じゃありませんよ。プロールの餌もんやとか、あいつはラフレシアとか、毒舌っぽくない超毒舌が好き。すぐ使いたい。ああ、でも、自虐にこそ使いたいな。「重さがマイナス」とか言い出しかねない性格だし、車輪の再発明気質だし、スタックオーバーフローです!とか アセトアルデヒドふざけんな!とか、ユーモアで自分を許すってのも大事じゃね? 好い。
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2023年2月にナイスが最も多かったつぶやき

Sakie

九尾の猫〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) >> あまりに面白すぎて、日本酒を呑み過ぎてしまった! https://bookmeter.com/books/9803004

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2023年2月の感想・レビュー一覧
15

Sakie
内田也哉子が中野信子にさまざま尋ねる対談。彼女の抱えてきたわだかまりは融けただろうか。中野信子も内田也哉子も特殊な家庭に育ったという自認があった。それは確実に「新しい家族を持つ」ときに影響した訳で、そこに関心を持つ私もまた自分の育った家庭を普通でないと思ってきた。中野信子の回答は端的だ。生物学的にまた脳科学的に見て、家族は何でもありで普通なんて無い。内田也哉子がほっとする気配が感じ取れて、こちらも緩む。本木雅弘も中野信子も姓を変えることに抵抗が無かった話から、自分を薄情だと自責しなくてよいのだと思えた。
Sakie
2023/03/01 18:14

中野信子の解釈によると、日本は耕作面積が少なく、災害が多く、資源が少ない、潜在的には貧しい国である。私も、決して他国がこぞって攻めて来るような国土ではないと思うのでこの点は納得である。さらにそこから、長い間貧しい国であったからこそ、生き延びるために「家族」という単位を重要視してきた、それが現代日本の頑強なイエ信仰の基ではないかと語っている。日本人はここから加速度的に減っていく。多くが結婚制度を選ばくなる。人間が協力し合う習性を持つ故に繁栄するなら、遠からず家族に代わる単位の概念が生まれるのだろう。

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Sakie
素晴らしい著作である。若い頃に読む機会と意欲に恵まれていれば人生の糧になったはずだ。歴史小説集という。ヨーロッパ中心にもかかわらず胸に重たく感じるのは、この選ばれた瞬間の多くが西洋人のみならず、極東の私にも人間の来し方として大きな転換点だったと感じられるからだ。凝縮された一瞬。それが他民族への虐殺と略奪であっても、金儲けや自尊心の為であっても、確かに煌めく。ツヴァイクがオーストリア人であると知ればロシアが3篇入っているのも納得だ。ドストエフスキーとトルストイのが好き。計り知れぬ哀しみ、これもまた煌めく。
Sakie
2023/02/28 16:36

なんでグーテンベルクで読んだかな。みすずのを改めて読みたい。

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Sakie
耕作すなわち文化。植物に飼いならされる人間の悲喜こもごもをユーモア満載で綴っている。当時は紳士が嗜む趣味であったようで、なるほど傍から見れば理解しがたい、滑稽ですらあろう姿だが、若い時分には解さない深い深い哲学が庭仕事にはあるからなのだ。そして『わたしたち園芸家は、未来に対して生きている』と断言する。花を植える瞬間はその花が咲いた姿を想うだろう。木を植える瞬間はその木が大きくなった10年後を、さらには見ることの叶わぬ50年後をも想うだろう。いつか自分の庭を得て、体感でわかるようになったら、また読みたい。
Sakie
2023/02/28 17:34

訳者あとがきに知った背景は覚えておきたい。チャペックはチェコ人である。この文章が連載された頃、ナチスドイツによる弾圧は既にチェコに及んでいた。兄ヨゼフは逮捕され、強制収容所で亡くなった。カレルはその直前に家で亡くなり、ナチの手を逃れている。そのような時世に、この平和で、笑いに満ちて、何気ない暮らしへの愛溢れる文章が書かれたのだ。それはチャペック兄弟が何を大切に思っていたかを、如実に表していると思った。そしたらその瞬間、とても深い思いが隠されたエッセイだったのだと悟って目が潤んでしまった。

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Sakie
14歳の世渡り術というお題は半ばから踏み倒し、小蕗暮らし近況報告に突入していく。"エネルギーだだ漏れ生活"を脱却して、お金にも文明にも頼らない生活を実現すべく服部文祥は廃村の家と土地を手に入れた。電気、水、燃料を自力でなんとかする暮らし。食料は猟をし、野菜を植え、春を心待ちにする。手あたり次第に木の苗を植えて試せる土地の広大さが羨ましすぎる。服部文祥への私の恋心は差し引いても、胸が疼いた理由。そのキーワードは、桃源郷。人それぞれに違う、その理想郷を実現する一歩を踏み出した、その喜びが溢れているからだ。
Sakie
2023/02/25 16:48

人間がいる/いない、獣がいる/いないで村の自然の在りようが違ってくるあたりの観察が興味深い。獣に野菜や果樹の苗や芽を喰われては、労力と金と時間の喪失にがっかりしている。春は限られた回数しかその人に巡ってこない事実を想う。狩猟のときには決して言わなかった『鹿が憎い』にドキリとする。雌鹿を独りで仕留めた、愛すべきナツ(フィクションです)。面倒くさいと口では言いながら、服部文祥は溺愛していると感じる。久保俊治氏の猟犬フチを思い出した。女神だ。ナツの性別は知らんけど。

Sakie
2023/02/25 16:56

まあ、未成年には劇薬ですよね。吸収するとなったときの吸収っぷりが大人とは桁違いになる。相変わらず面倒くさいことを言っているけれど、読みたければ小難しい文章だって読む子供は読むのだから。…って言ってたのも服部文祥だったか。

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Sakie
自称専業インテリ悪口作家。ジアタマのいい人の戯言って面白いな。それもこれくらいの分量に留めるからこそ。理系ながら文学のたしなみもあるので深みはそこそこでも幅広くて面白い。ってこれ悪口じゃありませんよ。プロールの餌もんやとか、あいつはラフレシアとか、毒舌っぽくない超毒舌が好き。すぐ使いたい。ああ、でも、自虐にこそ使いたいな。「重さがマイナス」とか言い出しかねない性格だし、車輪の再発明気質だし、スタックオーバーフローです!とか アセトアルデヒドふざけんな!とか、ユーモアで自分を許すってのも大事じゃね? 好い。
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Sakie
家を建てる行為には、金銭面の制限と庶民的願望と環境負荷との板挟みで悩むプロセスがつきものだろう。環境に負荷をかけずに生きられない人間としては、設計士さんの一言が慰めではある。『自分のためだけでなく、次の住まい手のことまで考えて、日本に良質な家をひとつ増やしましょう』。自分の納得がゆく選択を重ねた先に、晴れやかな生活が待っている。現実に考えうる範囲で、自分たちの性格も考慮して、環境に掛ける負荷をできるだけ下げた家だと思う。分譲地を買い、ハウスメーカーの設定した枠の中で選択を重ねるのとは全然違うのだろうな。
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Sakie
庭全体をバランスよく妄想できるのはこちら。好き。広い庭も狭い庭も、樹木、草花、アプローチ、水場、作業場所、雨水タンクまでいろんなパターンが細かく載っていて、シンボルツリーやその根元、壁際、半日蔭にはシランが素敵など妄想が広がる。木は冬に実のなるものを植えよう。ちなみに特に何も植えない場所、日陰にはドクダミ、日向にはシロツメクサの種をぶちまけることになっている。その土地に合うか合わないかは植えてみるしかないのね。人間だけの時間とは違う、うーんと伸ばしたような時間軸を楽しみたい。コンポストも曳地式がラクそう。
がらくたどん
2023/02/13 22:38

「その土地に合うか合わないかは植えてみるしかない」めっちゃわかります!敷地外から好い感じに見えるように~なんて下心満載で植栽した多年草がしばらくすると群生として移動していることが・・。「すまん、そっちが良かったんか~」と詫びるしかないですが、ちょっとトホホです。ドクダミは地下でガンガン増えるのが欠点ですがエリアいっぱいに咲かせると思ったより可愛らしくて私は嫌いではないです(*´▽`*)そろそろお庭仕事の準備ですよね~♪

Sakie
2023/02/14 15:07

うわあいいなあ、多年草の大移動見てみたい! なんだか意思を感じそうです。球根ものが土に合わないといつの間にかまるごと消えるっていうのも他で聞いたことがあって、これまた、人間はお世話させていただくだけみたいな、小さいけれど壮大な世界。憧れますー。

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Sakie
通りすがりに見る他所様の庭は、本職が剪定したようなものもあれば、自分でしていた剪定が歳取ってできなくなって巨木伸び放題になったようなものもある。今の私に手入れすべき庭はないけれど、自分で何とかできるような、心安らぐような、そんな庭ができたらと妄想する。曳地家メソッド本3冊目。好きなのだ。本書は木の維持管理を主に置いたもの。木が伸びるポテンシャルと、枝ぶり、樹形ごとにまとめられている。人間が見て気持ちのよい、木にとっても心地よい状態というのがあるのだな。全然かわいそうじゃない。「玉散らし」の呼び名を覚えた。
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Sakie
私の畳生活への憧れはどこから来るんかなあ、と手に取った。しかしどの小説も、畳に明らかな焦点が当たることはなく、役割も存在感も無いに等しい。3篇目などむしろ「窓」なのだが、読み終えると、思い描く場面は畳の部屋でしかありえない、畳の上で展開した出来事であったと思い当たる。日本人の生活の匂い、なのだろう。『軍国歌謡集』が面白い。男は幻想を抱き、女も幻想も抱く。それは相似形でありながら、か弱いはずの女の心情の転換は素早く、強靭で、さらに勇敢だ。それ故に見事に粉砕される男たちの様子が小気味良くすらある、見事な構成。
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Sakie
住まいを考えるとき、人間が困ることを猫にさせないつくりというものがある。猫に物事を禁止しても聴いてもらえないのだから、配置や素材など、人と猫の双方に無理のない妥協点を見出すのがお互いの為だと思うが、それを猫の要望ばかりを容れて俺は我慢かと態度を硬化されては困り果てる。ひいては人間の為だからと穏やかに説明を重ねながら、水を差さないように少しずつ修正を差し入れていくしかないのだろう。精神的に疲れる。そして大手は融通が効かない。助言をくれる専門家が猫エキスパートであったなら、どれだけ楽なことか。繰り返し見返す。
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Sakie
呼吸と重心。ここのところ忙しく、目と脳を絶え間なく朝から晩まで働かせるような日々を続けていたら、自分の身体を感じ取れなくなっていた。すっと立つことができなくて、中国武術の時間は目を閉じないと、脳みそで体を動かそうとしてしまう。呼吸と重心。ほんとうのことはシンプルだ。だからこそ効くのだけれど、現代のややこしげな"理論"にインパクト負けしがち。こんな整骨院&ジムが近くにあったら通うのになあ。舌トレーニングはこっそりやる。この動作は中国武術にもあるが、なかなか自分のものにできない。小顔効果もあるとか!
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Sakie
癌再発の告知を受けた足でジャガーを買ったのは有名な話。命も金も惜しまず暮らして、なのに宣告された余命2年を過ぎて周囲に愛想を尽かされたりする。70歳は死ぬのにちょうど良い、生き延びると困ると公言し、ホスピスに入院して14日で自ら退院してしまったりする。骨にも転移して砕けそうな痛みがあるのに。どどめ色になってしまったのに。私は自然の摂理として緩慢な死は受け入れられると思っている。でも、どどめ色は怖いな。私も立派に死ねるだろうか。洋子さんがホスピスから見たゴッホの夕陽を、私も見られるだろうか。対談がよい。
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Sakie
水害を防ぐための方策は、排水機能強化やハザードマップ作成に限らず多岐にわたる。人の生活を守る取り組みは奥深い。さて、市街地化が進むと土地の保水・遊水力は低下する。その変化がハイドログラフに歴然と現れており、すなわちそれは豪雨災害の激甚化を意味する。温暖化による雨量の増加も考え合わせると、ますます事態は悪化すると予想される。治水(国土交通省)だけではない、環境保全(環境省)や農地保全(農林水産省)、森林保全(林野庁)も横断したグリーンインフラの構築が喫緊である。道筋はここに示された。あとはやるだけ。
Sakie
2023/02/08 16:36

私の住む町は、大きな川は無いが山に囲まれた地形で、ため池と水路がたくさんある。10年ほど前の台風時に浸水被害があった後、水路の改造工事をし、また最大限の被害を想定したハザードマップが作成された。しかしその後、ものすごい勢いで田畑が造成・住宅化されている。売れるうちに売れ、と暗黙の号令がかかっているかのようだ。特に店や学校が集まった人気のエリアは、そもそも土地が低い。急激に雨が降った際の保水・遊水機能を持つ水田がほとんどなくなった今、豪雨への耐性は低いだろうと知り合いの不動産屋と話したところだ。

Sakie
2023/02/08 16:37

田畑を維持できなくなった家では、農地として貸すか分譲住宅にするか太陽光発電にするかしか選択肢が無い。売るには農地法の縛りがあり、農地転用すれば必ず造成して住宅か設備を構築しなければならない。農業はできなくとも、せめて雑木林として緑地で置いておくことができればよいが、個人では雑種地の課税に耐えられる家は多くない。またできれば水田のほうが保水・遊水機能が高いが、今の農政は水田から畑への転換を奨めている。空き家問題だけでなく、これらの問題をも含めて法制を変えていかないと、ますます暮らしにくい地になると憂える。

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Sakie
読む順番を違えているのはわかっていたのだけれど。前巻で生じた何かをエラリイは引きずっている。新たにニューヨークで起きた事件に首を突っ込むのを躊躇ったのもつかの間、俄然やる気になったエラリイに警視共々快哉を叫ぶ。ニューヨークにはライツヴィルに無いものがある。ニューヨーク市民による群舞、恐怖、混乱、妄動、からの暴動。警察が事件を解決しない限り理不尽な恐怖に向き合うしかない、都会の不穏な空気がなんとも言えない。手がかりを得てからの焦点を絞った心理戦パート、精神の迷宮パートと、がらりがらりと転換する趣向も魅力だ。
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Sakie
医療における医者と患者のやりとりのうまくいかない部分を、行動経済学の側面から分析する。患者は必ずしも医学的に望ましいと思える意思決定をしない。そりゃそうだ。命もかかりお金もかかり、しかもたいてい不意打ちだ。これまで言われてきたインフォームドコンセントの不全を補完する次段階の考え方として、シェアード・ディシジョン・メーキングが出てきた。そこに"ナッジ"することで齟齬や歪みの少ない決断を導く方法が試行錯誤されている。一方、意思決定が合理的でないのは医療者側も同じ。読んでいて息苦しい理由は、深く考えたくない。
Sakie
2023/02/03 16:52

この緻密な検討を記した本とたまたまの併読で佐野洋子のエッセイを読んでいる。末期がんの頃の洋子さんである。あまりの落差にボリボリと頭を掻きたくなる。ナッジ=望ましい決断≒合理的な決断を促すことと、個人的価値判断の程よいラインは人によって違う。医療行為をどのレベルで自分の身体に受け入れるかは患者の感覚で決めるべきなどと思っている私を担当するお医者には、今から思っても同情する。事故と思っていただきたい。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/09/01(4644日経過)
記録初日
2010/02/14(5208日経過)
読んだ本
2340冊(1日平均0.45冊)
読んだページ
663547ページ(1日平均127ページ)
感想・レビュー
2058件(投稿率87.9%)
本棚
14棚
性別
血液型
B型
職業
役員・管理職
現住所
香川県
自己紹介

本は買って読む派。
本棚とKindleの両方で積読しています。

<ジャンルの配分目標>
フィクション(小説)45%
ノンフィクション(エッセイ)10%
ノンフィクション(ルポ、学術、趣味実用)45%
環境、自然、動物、人間、武術に関心があるみたいです。

歳を重ねるごと興味が広がり、読みたい本が増える加速度との板挟みです。できるだけ偏らないように、1冊読み終えたら違う種類の本を選ぶようにしています。
その結果、一見しっちゃかめっちゃかな選本ですが、大切にしたい核はしっかり一貫していることに、自信を覚えはじめています。

お気に入りは関心の似た方、感想に尊敬の感を持った方にしています。お義理では返しません。読み友さんの感想やつぶやきを読むのは楽しみですが、本に関係ないつぶやきが余りに多い方には、そっとさよならします。


<好きな作家リスト>
◆国内◆ 内澤旬子 内田樹 小野不由美 開高健 小松左京 佐野洋子 高野秀行 田口ランディ 種田山頭火 恒川光太郎 寺田寅彦 中島敦 中島らも 南木佳士 半藤一利 福岡伸一 森下典子 養老孟司
◆国外◆ アゴタ・クリストフ イーユン・リー オリヴァー・サックス ケン・リュウ サキ サマセット・モーム ジュンパ・ラヒリ ショーン・タン スティーヴン・キング マイケル・クライトン メイ・サートン (50音順)

<好きな出版社リスト>
亜紀書房 英治出版 光文社(古典新訳文庫) 草思社 築地書館 早川書房 ポプラ社(百年文庫) みすず書房 (50音順)

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