日本人の常識から外れた世界観で構築されたストーリーの中で、カリがいい味を出している。それでいいのか？と思う部分もあるが、読後の清涼感で全部許してしまった。

日本人の常識から外れた世界観で構築されたストーリーの中で、カリがいい味を出している。それでいいのか？と思う部分もあるが、読後の清涼感で全部許してしまった。

悲しみに重なる悲しみ、憎しみに重なる憎しみの連続。陰鬱とした雰囲気が続く描写ではあるが、ページを繰る手が止められなかった。

白虎隊の生き残りがアメリカに渡りインディアンと共闘する、という字面だけを見ると爽快エンタメアクション小説のようだけど、そんなことは正直どうでもよくて、ネイティブアメリカンの迫害の歴史を考える小説である、というのが本質では。 そのため爽快感というよりはどんよりした空気感の中で進む場面も多く、その背景から説明的な文章も多く、楽しめる小説か、というと人を選ぶと思う。