ほかには、カール・フォン・クラウゼヴィッツが提唱した「絶対戦争」という概念について。各国間の闘争がエスカレーションしていった結果、やがて起こることが予測される戦争のことなのだが、これがマルクス=レーニン主義の「階級闘争」や「革命」と重ねられている点が非常に面白い。双方ともにヘーゲルの弁証法の影響下にあり、「OSを同じくしている」という表現が大変言い得て妙だった。
とりあえずケインズについて気になった点を列挙してみると、大学で教鞭を取る「貴族」の元に生まれたこと(なにせ「男爵」である)、ケインズ経済学が「エリート主義的な側面が大きい」こと、経済学者のロイ・ハロッドが「(最終的には)資本主義を擁護している」と指摘していることや、そして「新古典派経済学」の楽天的な世界観を批判していること、など。
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