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改訂新版 共同幻想論 (角川ソフィア文庫)

感想・レビュー
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将軍
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「国家」とか「法」とか「宗教」とかをまとめ上げるための何か「幻想」についての話をしていることはわかるのだが、「個人幻想」と「対幻想」と「共同幻想」と言ったような細かい区別はよくわからないし、「逆立」という造語も正直いうと意味をとらえづらい(両立できない、みたいなニュアンスだろうか?)。兄弟姉妹間が「擬似的な性関係」として捉えられているらしいところは少し特殊だと思った。いずれにせよ一読しただけではわからない。
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ふみ林
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多くの古典とされる思想書と同じようにまず読み物として面白かったです。遠野物語と古事記を軸に歴史を紐解いていく壮大なミステリを読んだみたいな気分です。吉本隆明さんの本は初めてなので当時どれだけ衝撃的なものとして受け取られたのかはまだ把握できてませんが、お名前を聞く機会が多い理由が少し分かった気がします。結構、自分の思考が刺激されるというか、この本について賛否両面から論ずる人が沢山いることまで含めて、自分の思想を深める叩き台としても有用だと感じました。
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MASAMI
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吉本さんの代表作。厳密に実証的にどうなのかはわかりませんが、古代(現代まで続く)国家成立の観念的な契機を独自の視点で分析している大変啓発的な著作。宇田亮一さんの解説本も参考になります。批判もあるのかも知れないが吉本さんはこの著作に限らず真に独創的な思索をした数少ない日本の思想家だと思います。
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チベスナ呑兵衛
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国、家族、夫婦…あらゆる共同体及び個を、自己幻想、対幻想、共同幻想…として掘り下げていく。まず、幻想とは何か?少なくとも観念・概念である事は確かである。そしてそのガイドラインを古事記、遠野物語に求める。確かに我々の奥底にしみついた大枠というのはこの2つに現れるのであろう。ぼんやりとしつつ明確に我々を取り巻く概念(幻想)を民族学・民俗学とは少し違う点で当代随一の知性で紐解く。大変興味深い一冊。
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みつ@---暗転。
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***** 院ゼミ課題本。ゼミで共有して話し合ったことでわかったところもあり、わからないままだったところもあり。それでも段々と面白く読めた。また読み返したら違う発見がありそう。スルメ本のようだ。しかし対幻想よお前だけは本当なんなんだ。吉本の説明が論理的にしっかりあることで「あ、あそこのあれはそういう意味な!わかった気がす………ん?」って繰り返しなることで、最終的に余計に混乱するってほんともう。
みつ@---暗転。

異性愛規範を前提にしてクィアを見ようとしない・無視する吉本があぶりだされてる、って指摘があって。でも、クィアをやっている僕からしても、それはこのテキストからは読めないだろうと思ったし、言った。同意してくれる参加者がそれなりにいたので良かった。日本古代人達には原始的なそれぞれの村落共同体の一員としてとして子を産む、育った子がまた子を産むという再生産が必須だっただろう。男ー女の対を想定するのは当然。吉本はセックスを含んだ関係性の話はしても、「愛」の話は異性も同性も近親間も問わず、一貫してしていないから。

07/20 04:11
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原玉幸子
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学生の頃に読み、巫覡(ふげき)との読み方だけで覚えていた本書の再読。巫覡と巫女が出て来たところで、丁度大学の一般教養で文化人類学的なアプローチを受講していて、古来部族間で巫女が果たした役割が(今では知るところの構造主義の捉え方と)同じ、と妙に納得した記憶でしたが、序で「民俗学や文化人類学とは違った……」と言い乍ら言及している領域ははっきりとそれらであるし、なら其々の大家には叶わない論考の気もします。現代は「吉本を読め!」ではないし、持て囃された当時が同氏の時代だったんだなぁと思います。(◎2023年・冬)
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紫羊
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がんばって読んでみた。著者による「序」が三つもあって、これらが全編通して最も難解だった。いきなり気持ちが折れそうになりながら読み進んだ。章を追うにつれ、かなり心許ない手応えながら、何となくわかったような気持ちになることもあったが、結局のところ、だから何なのかはわからないまま読み終わった。がんばったご褒美的に楽しみだった中上健次氏による解説は、実際のところ素晴らしいご褒美だった。
オサム兄ぃ

解説が「楽しみだった」に納得です。文庫本の大きな魅力だと思います。

09/29 17:42
紫羊

オサム兄ぃさん、コメントありがとうございます。本当に、解説の存在は大きいですね。この本に関しては特に、最後まで投げ出さずに読み通せたのは、ひとえに中上健次氏の解説への期待感、というか信頼感があったからです。

09/29 18:16
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あさ
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前回読んだ時の感想が何を読み解いたかわからず再読。「国家は共同の幻想である」日本の共同幻想はどのように成り立ち、そして国家としての形態になったのか、上流の小さなせせらぎがいつしか大河へ姿を変えていくように、もしくは宇宙のちりとガスの渦が星へと存在感を誇示するように国家の源流は性、民話、家族、境界、怖れといったものから規範、法の概念を経て国家へとなっていく、しかしその基盤はあると信じていた硬い岩盤ではなくガスのような空気の集合体であることを吉本氏は淡々と説いていく。読む側に余韻を残すさすがの名著でした。
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yutaro sata
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始めて読んだときは、全然分からないのにとにかく衝撃を受けた記憶があったのだが、読み返してみると、「とりあえず何を言いたいのかは分かる」ぐらいには理解が進んでいて感動する。しかしまだまだこれで終わりではなく、そうすると今度は、「吉本さんはどのような方法で『共同幻想論』を組み立てたのか」が気になってくる。関連書や入門書的なものに進みたいと思う。
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die_Stimme
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よるべき原典を『古事記』と『遠野物語』に限り、そこから個人の「自己幻想」、一対一関係の「対幻想」、より大きな社会の「共同幻想」というこれも最小限の概念セットで人間間の関係から国家の成り立ちまでを読み解く。むつかしいが、宇田亮一『吉本隆明『共同幻想論』の読み方』片手にようやく読み切れた。もう一度ぐらい読んでおきたい。
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ケー
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読書会課題本。 幻想を3分類してそれを遠野物語や古事記に当てはめて分析する語り口は哲学というより思想、批評。今の文芸批評の嚆矢と感じた。個人的には構造主義的な印象を受けたので割と入り込めて読めた。読みこなせているかはわからない。
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izumone
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初めて読んだのが大学生の時だから,かれこれ40年近く前になるのか。「やさしくなって」角川文庫へ・・・という世間の空気だった。そのときは何が問題になっているのかも分からず,ただ唖然としながら目を滑らせただけだったのを思い出す。さすがにこの年齢になると,著者が何を気にしているのかは少しは感じられるようになったかな,というのが今回の印象。各章のつながりが,個人→対→共同と移行していく流れとしてとらえられた。
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かれーらいす
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遠野物語と古事記を基に幻想を考察されている 現代は幻想と思われたものが現実になってきているが隠されていることが幻想になりそうだ
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わせりん
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ネタバレ戦後最大の難関本。「古事記」と「遠野物語」を中心に国の成り立ちを考える。西洋の考えは違うのではないかと疑問を投げ掛け、性を起源とした国の成り立ちを考える回路は新鮮だった。解説書を読んだ上で読むのは理解が速まる。もちろんまたまだ読み込む必要はあるが、読んだ経験をまずは良しとしよう。
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くり坊
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大学生の頃に手に取ったきり、読んでいなかった、有名な一冊。30年ぶりに、所属している地元読書会 https://kayoudokusyokai.mystrikingly.com/ にて、他メンバーから、読んでみるように勧められたので、図書館にて貸出してきました。正直、私の、現行の知的興味と被らないので、流し読みになりました。昨今では、この『共同幻想論』を読むためのハウツー本も出ているようです。そっちのほうに、どんなことが書かれているのか?が、少し、気になりました。
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なつのおすすめあにめ
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100分de名著を視聴してから読んでみたので、もう二年くらいダラダラ読んでいた。社会は様々な幻想から出来上がっている、自己幻想、対幻想、共同幻想という分類。エヴァのMAGIシステムが開発者赤木ナオコ博士の科学者としての「メルキオール」、母としての「バルタザール」、女としての「カスパー」をそれぞれ人格移植したOSとなっている~みたいな設定を中学生の時知って興奮したのだけれども、なんとなくそれに近い感動があった。神話や民俗学から国家を……いや、ぶっちゃけ性だと言えたからミシェル・フーコーと対談したのだろうか。
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yutaro sata
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心的現象論序説と同じでべらぼうに難しいです。でも好きです。
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KJ
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なかなか読みにくく、カロリーを消費するタイプの本だけど、その分非常に興味深く読めたとも言えるかな。遠野物語、古事記をベースに日本における共同幻想の在り方について考察していく一冊。この本だけだとちょっと尻切れトンボ感は否めないけど、やはり面白い考察だとは思う。特に「古事記」をベースにした共同幻想と対幻想の関係なんかは面白いこと考えるなと。「家」に対する価値観が変わりつつある昨今において、共同幻想と対幻想・自己幻想がどのように関わっていくのか、それが問題なのかも知れない
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Wocchan
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この本の2021年に於ける位置付けは? NHK100分de名著の2020/7テキスト最後の「現代に生かすために」がヒントか?
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ぽん
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なにを論じてるかいまいち分かんねーな。それを「できるかぎり言葉のいいまわしを易しく」(5頁)と言ってるから、なおさら困る。内容ゆえ簡明に語ることには限界があった、みたいな認識だったらともかく。これを本気で平易だというなら、著者は考えを改めたほうがいい。解題も解説も、分かりやすいとは思わない/問題意識というか、著者がなにに切実性を感じているかが全然伝わって来ないのだけれど。マルクス史観が根強かった時代だと、これが革新的に感じるのか?
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110rion
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全然意味わからん。中上健次の解説はすごいよくわかる
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m
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発刊当時は教養の上で必読の本として扱われたらしいが当方の読む限りこれはほぼ吉本氏のもっともらしく思いついた妄想としか思えなかった。国家や宗教などの上部構造として共同幻想という概念を案出し遠野物語や古事記を援用して自らの論を固めているがその根拠が主に自分の論に都合の良いように解釈した主観なので根拠としてぐらぐらなのだ。画期的な思想として局所的にもてはやされているが、共同幻想という概念が吉本氏の名前なしには出てこないあたり理論として微妙すぎる。ただ、古事記の表現を読み解く民俗学の本としてなら部分的に面白い。
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NAGISAN
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ネタバレ何度かチャレンジしたがやはり難解。1968年刊、マルクス、フロイト全盛時代、国家とは何ぞやと議論されていた時代で、著者の問題意識にも影響を与えている。「幻想」とは「(マル経の使用法とは異なる)上部構造」とのことのようだ。共同幻想、対幻想、自己幻想の三軸に区分し、当該軸の内部構造及び表現された構造、そして、三つの軸の相互関係を解明することから、アウフヘーベンできるとのこと。
0255文字
aya0514xi
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初読。
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白井天鶴
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「共同幻想」という概念をひたすら当て嵌めていくことに固執し、もちろんそれはある側面では正確なのかも知れないが、その概念一つで全てが丸く収まるわけがない。例えば「遠野物語」や「古事記」を元に展開する民俗学批評も、それを言ったら身も蓋もないんじゃないか、ということを「共同幻想」で蔑ろにする姿勢はどうかと思う。
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おくだたみお
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戦後最難解書なんて言われているから、読んでいてわからないことが痛気持ちい。人間が構築したシステムで社会は成り立っているなんて、すごく頭良さげで論理的ぽい捉え方じゃんくて、もっと人間、動物としての根本的な特徴で関わりあっているのだろう。そういうことを言っているのかな?そりゃ大小様々なナショナリズム(的なもの)があることは頷ける。読む前は、「僕の仲間は所詮幻想か」という悲しい話かと思ったけど、そうでもないし、むしろ逆か? 個人的には「わかりたいなー!」って思える本。
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