ネタバレ真辺が最終的に現実に戻って行ったのは嬉しかった。隣にきっと七草がいて見ていてくれるから、世界を信じられたのだろう。真辺の言う「私の本質は表層の方にある」はきっとこうありたい、と思う自分自身の姿だと思う。真辺は願ったままの行動をする勇気があるけど時折その在り方が正しいのか分からなくなるのだろう。だから近くでその姿を見つめて批判してくれる七草のような存在が必要で、素敵だなと思った。大地といい、真辺といい、人は1人では生きていけない事実を優しく肯定しているのがこの物語の好きな価値観だなと思う。

ネタバレ真辺が最終的に現実に戻って行ったのは嬉しかった。隣にきっと七草がいて見ていてくれるから、世界を信じられたのだろう。真辺の言う「私の本質は表層の方にある」はきっとこうありたい、と思う自分自身の姿だと思う。真辺は願ったままの行動をする勇気があるけど時折その在り方が正しいのか分からなくなるのだろう。だから近くでその姿を見つめて批判してくれる七草のような存在が必要で、素敵だなと思った。大地といい、真辺といい、人は1人では生きていけない事実を優しく肯定しているのがこの物語の好きな価値観だなと思う。

ネタバレ幼い子どもは無条件に守られるべきで、大人は未来への責任がある、時任の考え方は好きな価値観だなと思った。大地のような子どもは、どんなに大人びていてもやはり子ども扱いされるべきで本人もそれに甘えられる環境が必要だ。高校生の七草達は大人への過渡期だからこそ自分の行動の結果が何をもたらすか考えながらも、挑戦する勇気と慎重さを学ぶ時期なのだろう。時任はきっと先輩との思い出は辛いものだったけれど楽しかった時期に大人としての振る舞いをしていた姿を見ていたんじゃないのかな。

ネタバレ七草は他人を多角的に見るから優しいんだろう。ある点において欠点があってもその背景を考えたり、別の点を評価する。完璧な人間はいないと諦めている、言い換えれば他人にも自分にも満点を期待しないからこその優しさは冷酷だとも考えてしまうけれど。対して真辺は他人に満点を求める、というよりも完成を求めるのだと思う。不足があっても構わない、でも補うことを諦めるのは許さない。同じ姿勢を自分自身にも課すから彼女は真っ直ぐで美しくて悲愴的だと思う。他人に期待しない七草と、他人を諦めない真辺は2人とも正しくて優しい。

ネタバレ七草が真辺への恋心を自覚する話。七草は信仰を捨てることで真辺への恋心が生まれた。信仰と恋は方向性は似ているのかもしれない。憧れがその間に来るのかな。 階段島シリーズの人物達は言葉や対話を大事にしている。選ばれる言葉も伝え方も優しくて暖かくて好きだ。

ネタバレ佐々岡や水谷は一般的なこちらの感覚に近くて読んでて共感する。人に認められたいという思いからの善意の行動も、主人公になりたいという英雄的な行動もある種利己的かもしれない。真辺のような純粋なものに嫉妬を覚えてしまう気持ちも僻みだとは思う。それでも、そういったものを飲み込んで自分が今出来る最大限の正しさを演じようという気持ちは嘘ではないし人間的だ。 現実の世界だと彼らはきっと、他人との意見を擦り合わせて、価値観を統合していこうとする中で擦り合わされて消えてしまった価値観なのだろう。