哲学的でよくわからなかったのだけど、中盤の百瀬の長台詞にこの話の核心があるのだろう。コジマにはコジマ、母さんには母さん、二ノ宮には二ノ宮、それぞれの思いがあり、僕の気持ちに寄り添いはしても交わることはない。僕は僕の人生を生き、その先に見えるのがヘブンなのだろうと思った。

哲学的でよくわからなかったのだけど、中盤の百瀬の長台詞にこの話の核心があるのだろう。コジマにはコジマ、母さんには母さん、二ノ宮には二ノ宮、それぞれの思いがあり、僕の気持ちに寄り添いはしても交わることはない。僕は僕の人生を生き、その先に見えるのがヘブンなのだろうと思った。

額賀澪得意の青春小説。進学校の吹奏楽部が、全国を目指すストーリー。進路への葛藤や家庭の問題を抱えながら、理想の演奏へ突き進む過程が描かれる。主人公が優遇されすぎていて、他の登場人物の描写が薄く、共感しにくいのが個人的な感想。基と瑛太郎の2人を主役にしたため、手を広げすぎた印象。物語としては面白かった。

自分の母親を殺した大学生を探しながら、事件の真相にたどり着く周作。それはあまりにも優しく、悲しい物語だった。けれど、とても温かいものでもあった。 家族とはなにか、人の結びつきとはなにか、深く考えさせられる、素敵な物語だった。