ゼレンスキーがウクライナ東部のロシア人へのひどい扱いや、プーチンのロシアは我慢ならなかったし、EUが東への勢力の拡大を図らないという約束が破られたとあっては、結果は予想されたことだった。背後には軍需産業や産軍一体の巨大な思惑が透けて見える。その他、核の傘に守られているというのは、幻想に過ぎないと。なるほどと思わせてくれた。同氏の本は二冊目だが、大いに読むに値する。
何が面白かったって、シェイクスピアの言葉遊びの妙だ。場面の切り替えとも面白そうだが、これは演出や役者の力量次第でかなり印象が変わりそう。ただ、『ベニスの商人』で何が気に喰わないって、一ポンドの肉を正確に切り取らないとアカンという判決。市販の肉だって一ポンドを寸分違わず切り売りするのは不可能。明らかに無理難題、難癖の判決と、一人憤っていたことをふと思い出した。
「2組の双子の兄弟が取り違えられることから生じる混乱のおもしろさの中に、ロマンスや、離別した一族の再開という要素を加えて展開する『間違いの喜劇』という作品は初めて。見え見えの展開だが、こちらは言葉の綾より人間の綾なのかな。まあまあ。 松岡和子氏の訳業に敬意を示すばかりだが、やはり野暮な感想だが、シェイクスピア作品の面白さは実際の演劇は当然として、原書を楽しむにしくはない。
本書に関連する記事はネットでは乏しいが、幸い、「関門海峡百話、関門海峡国道トンネル、関門鉄道トンネル | 日本の歴史と日本人のルーツ」が見つかった。参照する値打ち十分である: https://ameblo.jp/shimonose9m/entry-12660152378.html
「源平の合戦の舞台となった壇之浦や、宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘が行なわれた巌流島がある関門海峡。その海峡をまたぐ関門鉄道トンネルは、世界で最初の海底トンネルであり、本州の下関市彦島江の浦町と北九州市門司区梅ノ木町を結んでいる。工事は1936年に着工され戦時下の1942(昭和17)年に下り線が、1944年に上り線が開通した。」: https://www.jcca.or.jp/dobokuisan/japan/chugoku/kanmon.html
【著者紹介】田中基(タナカ・モトイ) 1941年山口県生まれ。2022年逝去。早稲田大学第一文学部卒業。季刊誌『どるめん』を編集。古諏訪祭政体について研究するかたわら、縄文土器図像の神話文脈への変換を模索。都内から長野県富士見町に移住し、その後茅野市に転居。多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員、明治大学リバティアカデミー公開講座の講師なども歴任。
『アフリカの日々』というエッセイ文学での傑作の書き手なので、つまらないはずはないと一冊目の小説にめげずにトライ。そうでないと読まない。やや古風なタッチながら、うまく書き上げている。紀行という目の前の現実に捉われず、想像を羽搏かせる物語は自由度が高いが、吾輩は、イサク・ディネセンは、現実の相を観察し交流することで、彼女ならではの世界把握が出来ていたと思う。そのほうが適性があるのではと感じた。
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