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2024年10月の読書メーターまとめ

zunzun
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

zunzun
今井むつみ『学力喪失』につづいて、名著である。「論理的思考」とは誰もが必要だというがその実態とはなにか?先ず著者は、世界を席巻するヨーロッパの思考、4つの論理を紹介する。論理学、レトリック、科学、哲学である。これらについて説明した後、「論理的だと感じるためには、読み手側が期待した論理が展開されてなければならない」という米国の応用言語学者カプランの説を引く。つまり、「ああ、この人、論理的だ!」と感じるためにはその社会における合意がなされていなければ「論理的だ!」とはならないのである。
zunzun
2024/10/24 20:54

「日本の「感想分」は、真情を読み取る物語の読解とセットとなって、他者の五感を自己のもののごとく取り込み感じることで、他者の期待を理解し、その期待に応える行為を志向させる。そのような行為は、対立を避け、場の調整を行う高度な認知(現在では社会性に関わる非認知能力と呼ばれている)を養う機能がある。感想分は状況によって複雑に変化していく人間の心情と、場を構成する人間と自然と社会環境の関係を読み取って反応できる共感力を鍛え、子どもを社会かする。それは、形式的な善悪を超える道徳観を育てる。

zunzun
2024/10/24 21:01

と渡邊はまとめている。教育学者の幸田国広は国語教育を「隠れた道徳教育」と読ぶ。日本の国語教育とは生徒同士の自主的な相互理解という名目の監視を通して、 自己規律を誘うものだったのだ。SNSで「書く」とは学校でならった要素を凝集した「作文」のことだった。 私はこの『論理的思考とは何か』を推す。これは私たち日本人の思考様式にかぎらず、SNS言論が「なぜ、こんな窮屈で他罰的有様なのか?」を説明している本でもあるからだ。 日本人はSNS上でもお互いの共感や道徳をはかりあっているのである。 バカではないだろうか。

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
22

zunzun
今井むつみ『学力喪失』につづいて、名著である。「論理的思考」とは誰もが必要だというがその実態とはなにか?先ず著者は、世界を席巻するヨーロッパの思考、4つの論理を紹介する。論理学、レトリック、科学、哲学である。これらについて説明した後、「論理的だと感じるためには、読み手側が期待した論理が展開されてなければならない」という米国の応用言語学者カプランの説を引く。つまり、「ああ、この人、論理的だ!」と感じるためにはその社会における合意がなされていなければ「論理的だ!」とはならないのである。
zunzun
2024/10/24 20:54

「日本の「感想分」は、真情を読み取る物語の読解とセットとなって、他者の五感を自己のもののごとく取り込み感じることで、他者の期待を理解し、その期待に応える行為を志向させる。そのような行為は、対立を避け、場の調整を行う高度な認知(現在では社会性に関わる非認知能力と呼ばれている)を養う機能がある。感想分は状況によって複雑に変化していく人間の心情と、場を構成する人間と自然と社会環境の関係を読み取って反応できる共感力を鍛え、子どもを社会かする。それは、形式的な善悪を超える道徳観を育てる。

zunzun
2024/10/24 21:01

と渡邊はまとめている。教育学者の幸田国広は国語教育を「隠れた道徳教育」と読ぶ。日本の国語教育とは生徒同士の自主的な相互理解という名目の監視を通して、 自己規律を誘うものだったのだ。SNSで「書く」とは学校でならった要素を凝集した「作文」のことだった。 私はこの『論理的思考とは何か』を推す。これは私たち日本人の思考様式にかぎらず、SNS言論が「なぜ、こんな窮屈で他罰的有様なのか?」を説明している本でもあるからだ。 日本人はSNS上でもお互いの共感や道徳をはかりあっているのである。 バカではないだろうか。

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zunzun
刊行から六十年ほどたっており、ここに書いてあるせい「世界制作」=ヴァージョンという考えもそんなに奇抜なものではなくなっている。世界は各々の様式によって発見され、その切り口によって構成されたモノたちが存在するといった内容である。多様性や多元性などの相対主義の話か?と思いがちだが、グッドマン自体はどうやら「なんでもあり」は認めていないようで、正しいモノと正しくないモノはあり、それはその都度「適用=フィット」しているかで判断しなければならないとのこと。一章は主張のまとめがしてあるが、最後の章をのぞくと
zunzun
2024/10/23 23:48

新しい世界をつくりだすとかいているのであって、発想の大本はグッドマンにあったということなのではないだろうか。それなのに青田氏の本にはグッドマンのことは確かかいてなかったので、不可思議に思っていたのである。それにしてもまとめることが難しい。プリキュアは始まってから20年以上たっているわけだが、各プリキュアはそれぞれプリキュアだが異なる。これがヴァージョンということなのだろうか。

zunzun
2024/10/23 23:50

あるいは名前が変わったはずのTwitterを、我々はいまだにXとはよばずにTwitterとよぶ。正しくはXなのに。これは我々の「守り」による「投射」がTwitterをXと呼ばせないことといえるのかもしれない。

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zunzun
つくる会で有名な西尾幹二が訳したニーチェ『この人を見よ』である。この前に、『善悪の彼岸』や『道徳の系譜』、『ツァラトゥストラかく語りき』、『悲劇の誕生』を読んでいたが、この本はそんなに面白いとは思わなかった。面白いのは、西尾がニーチェ全集について語っている訳者解説である。西尾によれば理想社からでている『ニーチェ全集』—今は、筑摩文庫の『ニーチェ全集』だが—これの『権力への意志』はニーチェの実妹であり、ナチスの信奉者であったリザヴェータによって改稿されたものであると指摘されていて驚いた。
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zunzun
《読書とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費す勤勉な人間は次第に自分でものを考える力を失ってゆく。》という格言で著名な本。高校一年生だったとき、読書を始めたことを知った兄がくれた本が、『読書について』だった。その頃、10冊ほどしか古典を読んでいなかったが、この本を読み、もしかすると自分がこれからやろうとしていることは無駄なんだろうか?と萎えていた。その後、この哲学者の本『自殺について』『知性について』などをよみ、新潮社の『幸福について』で、心底、感激した。自分にとっては思い出深い本である。
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zunzun
今となっては文字が拡大されたが、自分が読んだときは英文やその説明文が米粒のように小さく、読みにくかった。 著者は朱牟田夏雄、岩波文庫において、「英語が超むずかしい!」といわれる『トリストラム・シャンディ』を訳した人物。それを漱石は英語で読んでたわけで凄い。モーム、グリーン、オーウェル、トインビー、ハクスリー、ラッセルなどの有名な小説家の文章がならべられており、胸をときめかせたものである。ただ、私が一番驚いたのはショーペンハウアーの文章が載っていたことで、「お久しぶりです」といいたくなった。
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zunzun
英作文がうまくできないときに読んだ本で、この本を読んだとき本当に感動した記憶がある。生徒の英作文を徹底的に添削し、どういう書き方をすれば点数が貰える英文になるのか。ネイティブっぽい英文とは何かがかいてある。そんじょそこらの英作文の本は「日本語を英語になおしているだけ」だが、これは本当に英文を書くとはどういうことなのかを示してくれた本。
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zunzun
この本はマジで難しかった。文学や科学っぽいドイツの文章もあり、戦前に書かれた本を改訂した出した本だった気がする。ただ10代の頃はこういう難しい本を攻略するのが好きで、とにかく挑戦したくてしょうがなかった。しかし、勉強する目的であれば、阿部 賀隆や横山靖のほうが良い。これは古い文章を好む人間が旧制高校的な教養主義を味わうためにある本だ。
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zunzun
こちらも独文解釈用の本で、すこし文学が多めにはいっている。横山靖ものよりは内容が軽く、最初の方でヘッセがあった気がする。実はこの本自体はそこまでやりこんだ記憶がない。たぶん、難しくなかったからなのである。
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zunzun
この青い表紙、黄色い横線がピッとはいっていて、感動してしまう。そんなことをいっているが当時、私ズンダは表紙が邪魔だったので捨ててしまった。独文解釈における伊藤和夫の解釈教室のような内容の本である。10行ぐらいの文章に単語の意味、文法解説が付してあり、坦々と進んでいく。Ⅰ・Ⅱとあるが、意外に読みやすい文章が多く、難渋なのは単語を覚えてないからではないかと思われた。若い頃はこういう参考書でも一生懸命やれるんやな~と感慨深い。
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zunzun
名著。この前に文法を説明した本を一冊やっていたが、はっきりいって、何もわからなかった。ところがこの関口存男の『初等ドイツ語講座』はあまりにもわかりやすすぎて、もしかすると自分は天才なのかもしれない!?と勘違いさせてくれるほどの本だった。特にここで理解したことは「復文」という「日本語→ドイツ語」への変換作業だった。毎回、講義の終わりに「例文」の項目があり、それを訳す。ここで単語や文法を記憶し、覚えているか確認させられるが、次は日本語をドイツ語に直すのだ。これが効果覿面で、みるみる理解できるように。
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zunzun
ドイツ語の勉強をしているときにつかっていた単語帳で、CDはなかったが、この本の特徴は造語法や英単語を単語の脇にそえることで覚えやすくしていることだ。5500語をまともに頭にたたき込もうとすると、おかしくなるが、単語の接頭辞や接尾語、語源、英語と対照を利用してくれたおかげで比較的、頭にはいりやすい。ただ、例文などはついてないし、コローケーションもわかりづらいので今だったら、絶対に使ってないとおもう。『場面別 ディアロークで身につけるドイツ語単語4000』を選ぶね。
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zunzun
医学用語とか犯罪用語とかそういうのがでてくる。中でも好きな単語はkleptomania(窃盗症)で、興奮した。今みると、ADHDとかWOKEとかincel、gig economy、internet meme、opt-in、troll、go viralなどが載っており、日本語でも多々みられるモノも多い。単語帳をひらくと余ほどに苦労したらしく、語呂合わせで無理矢理おさえたのもある。 vituperative(罵倒する)だが、「バイバイノチューははげしかった)と下記してあった。
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zunzun
マジで難しく、当時、殆ど知らなくて、「こんなの使うのか、本当に!?」と思って音を上げそうになった本。実際、やり遂げてみると、雑誌などを読んでいる際にたびたび出てきて、「ネイティヴの語彙力ってすごいな」と思わされる。これもひたすら暗記するしかなく、クリスマスの最中でもひとりでシコシコ勉強していた。
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zunzun
シリーズになっていて、1~4までの間に単語が計12000語収録されている本。当時はCDは別売りだったが今だとアプリなどでダウンロードできるらしい。ただ、CDを中心に暗記するというよりも、根性で何回も復習して覚えるしかない本で、面白みはない。例文なども付いているがそれは一部で、あとは殆ど単語が列挙されているだけで、非常に苦痛だった。のっている単語の水準は英検一級並で、最初の大問1を解く際に非常に役に立つが、しかし、パス単1級のほうが英検対策にはよい。こういう無味乾燥な本はつまらないが力にはなる。
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zunzun
昔、英語をやらなければならない時期があり、とにかく雑誌を読むことが必須だった。読んでみると、とにかく知らない単語だらけであり、一行の中に必ず一語はあるような有様だった。構文を取るだとかそんなことは単語を知らないと絶対にできない。単語あっての構文だと気づかされたのはこの本にある単語をほぼ9割は覚え終わり、『TIME』や『The Economist』を読めるようになってからだった。結局、語学は単語力がないとどうにもならないというのを教えられた。最初は莫大な量に圧倒されるが、慣れると暗記の楽しさに気づく。
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zunzun
『言語の脳科学: 脳はどのようにことばを生みだすか』(中公新書)で有名なチョムスキー派である酒井邦嘉氏による脳科学本。アンデシュ・ハンセン 『スマホ脳』をやんわり批判しながらも、彼と同じくデジタル中心の教育に異議を唱えている。表紙にもあるように「手書きで授業内容をまとめたり、紙の本で読んだ方が物覚えがよくなる」といったことが氏の研究の成果で分かっており、ChatGPTのような大規模言語モデルに頼るよりも人間の頭を使って思考を巡らすようにしなければならないと警鐘を鳴らす。素人向けに読みやすく簡潔な本である。
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zunzun
竹中平蔵や岸博幸などの論調が好きであればおそらくしっくり来る本である。労働人口が減少している日本において付加価値を高めた生産性をうみだせる質の高い労働者をつくらなければならないという考えである。なんだか昔から皆そういうこといってなかったっけ?と思うが。最初から最後までCXやDX、リスキリングなどの言葉が飛び交う。詰まるところ、因果関係が漠然としたまま「○○すればうまくいく」という論調で、本当かいな?と訝しんでしまうが、筋だけ考えれば、そりゃあ個人個人の技術が上がった方が良いとは思える。
zunzun
2024/10/21 17:12

もっと専門的な授業や教育をしたほうがいいとおもう。以前にもブログで紹介したことがある佐々木紀彦『米国製エリートは本当にすごいのか? 』や苅谷剛彦『グローバル化時代の大学論1 - アメリカの大学・ニッポンの大学 - TA、シラバス、授業評価』『グローバル化時代の大学論2 - イギリスの大学・ニッポンの大学 - カレッジ、チュートリアル、エリート教育』などを読むと、あちらは教育であり、こちらは学生を放置しているだけではないかと思えてしまう。今だとyoutubeで留学している学生の勉強風景がみられるが

zunzun
2024/10/21 17:15

ひたすら勉強に時間をかけており—もちろん、そういう大学ばかりでもないだろうが—これが理想的な大学の姿にみえる。結局は高専のような大学を増やした方がいいのではないだろうか。

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zunzun
発売当初に読んだ。紙一枚に自分が勉強した章とその日付を書いて半日後、一日後、二日後、三日後とほぼ「分野別過去問」を中心に勉強していけば資格は受かるというもの。要するに復習さえしっかりやっていけば資格はとれるのである。ここで大事なのはとにかく「分野別過去問」の存在である。勉強系の本では皆が次のように言う。「落ちる人は教科書ばかり読む。また、問題集を一冊も完成させないまま、何冊にも手を出し、どれも完璧にしないまま突き進み、試験に落ちる」である。多くの試験は過去問と予想問題を仕上げれば受かるのである。
zunzun
2024/10/21 16:28

「分野別」がすすめられている理由は、たとえば宅建だと「宅建免許を必要とする場合はどういった場合か」などがでるが、これだけでも何十通りの聞き方がある。 過去問を一回分やっただけど四択なので、四通りの聞かれ方しか身につかない。分野別だと数十回分の聞かれ方を一気に学べるので、 初心者の段階からものの数十分から一時間ほどで合格者と同様の水準に至ることができる。 また、他の勉強本にもよくかいてあることだが「インプット中心」は何も身につかない。教科書の内容は問題を解くことでしか身につかない。

zunzun
2024/10/21 16:28

まず問題が先にあって、それを解くために知識があるというのが資格試験である。 よって身につけるべき知識とは問題としてだされたものということになる。 それなのに、解かないでそれに関係する本ばかりを読んでいると、いつまでも知識が血肉にならない。 そのため問題が解けずに試験に落ちてしまう。必要なのは読書ではなくて正解を導くための行為である。

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zunzun
以前、簿記三級をとった際に使った本である。全12回分の試験問題が載っており、私はこれを六周ほどまわして、ほぼ満点が取れるほどやった。前に書いたように大問一はそもそも難しくない。しかし、「Bランク」の問題は手応えがある。これは大問2や3では如実である。そしてBランクははっきりいうと、「解けなくて良い」問題である。というのも12回のうち一回しかでてこないものばかりだからだ。そんな問題を解けなくても合否と関係がない。よってBランクを何回やっても出来なくていい。あと大問2の利息の経過勘定は無視して、棚卸資産や
zunzun
2024/10/10 13:46

減価償却、用語の定義などを極めた方が良い。この経過勘定が簿記三級のなかでもっとも難しく、手間がかかるからである。いってしまうと、勉強しないで落として良い。ただし、大問3にでてくる経過勘定は大問2と異なり、絶対に解くべき問題なので落としてはだめだ。詰まるところ、大問2の経過勘定は表を埋めるのが難しい。大問一と大問三は密接に繋がりがあるので、やればやるほど点数があがる。大問2は問題の種類が多く、対策が立てにくい。そしてこういったところは ほどほどに諦めて、点がとれるところで点をとる。これが対策である。

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zunzun
前に簿記三級の合格のために使った本。簿記三級は大問1~3まである。大問1と3でほぼ満点をとり、大問2を半分ほどとれば受かる試験である。この本は最新版だとカラー、QRコードで読み込めば精算表の問題を著者が実際に解く姿をみることができるので理解しやすくなっているようだ。簿記にかぎらずだが、資格試験は合格できればいいのであって満点をとる必要はどこにもない。むしろ満点を狙うほど解かせる気がない問題に無駄に時間をとられ、合格から遠ざかってしまう。大問1ぐらいの水準ならば勉強し始めてから一週間でほぼ満点を狙える。
zunzun
2024/10/10 13:55

大問3は精算表の問題である。決算整理後残高、精算表、財務諸表の三つのどれかからでるが、やっていることは大問1の仕訳であり、大問3の難しさは仕分けではなく、表の埋め方である。最初は紙にかいて仕訳をし、表をどのように埋めるかを身につける。求められる仕訳はすべて大問一と同じである。合格水準になると、そもそも紙に仕訳を書く量が減る。頭に仕訳が浮かぶからだ。経過勘定と「し~くりくりし~」を書くぐらい。約十五分程で解ける。私も最初は表の書き方が理解できずに苦戦したが、問題を二周したらそつなく解けるようになっていた。

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zunzun
『言語の本質』以降、大人気となった今井むつみ氏による学力を認知科学によって解析した本。彼女を含む学者達によってつくられた「たつじん試験」という単純な学力を測る試験ではなく、子供が分数、整数、小数、文章題などをどのように捉えているのかを把握可能な試験の結果をみる。そこで判明したのはできの悪い子ほど算数で習う概念を捉え損ねているということであった。彼等は分数とはなにか?割合とは何か?を正確に理解して居らず、手続き的な解き方をしているという。但し私ズンダがみたところでは40パーセントほどの生徒は
zunzun
2024/10/10 20:00

だが、全三百頁という新書としてはなかなか大部なモノを読み通していくと、学習する誰にとっても重要な本であることがわかるだろう。子供も大人も勉強しつづけているのだから。この本を無視していいわけがない。勉強が好きな人、教育に携わる人、あらゆる人間に読まれるべき本である。Twitterでも書いたが、個人的にささったのは「概念がわかっていない子とChat GPTは同様の答え方、考えたかをしている」という部分である。教育とは子供に対してその意味や概念の繋がりを間違いながらも教えていくということなのだろう。

zunzun
2024/10/10 20:06

ここで「アブダクション」がでてくる。アブダクションについては今井むつみ氏の『言語の本質』がうれたせいか、最近、とある本が復刊した。米盛 裕二 『新装版 アブダクション: 仮説と発見の論理』である。私がこの言葉を初めて知ったのはプラグマティズムの祖であるチャールズ・サンダース・パースを読んだときであり、又、日本のノーベル物理学賞をとった益川敏英氏が6番目のクォークの存在を仮説することで研究をすすめていったことを知ったときであった。子供の発育にはこの仮説演繹法が欠かせないという。人間とAIの違いである。

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zunzun
サリンジャーの傑作、『ライ麦畑で捕まえて』のホールデンが主役の作品が二作、、ホールデンの兄ヴィンセントが二作、その友人ベイブが三作それと関係ない女性が二作、若くして自○した七歳時のシーモアが手紙を書き殴る小説が一作。私はサリンジャーに明るいわけではないが、『ライ麦畑』と今作、また新潮文庫にはいっている『フラニーとズーイ』『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章』『ナイン・ストーリーズ』は読んでいる。おそらく解説などでみたこともあったが、まず驚くべきは『ライ麦』の主役—世界中の青少年に影響を与えた—
zunzun
2024/10/09 21:11

解説によると、サリンジャーの評伝には「彼の物語の七十五パーセントは二十一歳以下の人物に関する話であり、うち四十パーセントが十二歳以下の若者である」らしい。だとすると、この手紙はサリンジャーから若者に対する人生における振る舞い方、読まれるべき文学などをまとめたものではないか。でた当時、辛口で知られる批評家によって酷評の憂き目にあった『ハプワース』だが、実際、楽しめる作品ではなく、評価は、サリンジャーにとって人はどうみえていたかをはかるための物差しとしてみるものだろう。

zunzun
2024/10/09 21:16

サリンジャーが隠遁生活にはいるまでを描いた映画『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』、晩年のサリンジャーの手紙をあつかっていた出版社の女性が主役の『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』などがあり、サリンジャーを読む人は映画からみるといいかもしれない。特に前者を当時みたとき、私ズンダは「自分もこういう人生だな」と思わざるを得ず、少し泣いた。 さて、この短編を読んだことにより、一時期話題になった、新潮選書の『謎ときサリンジャー―「自殺」したのは誰なのか―』をいよいよ読むべき時がついにきたようである。

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/09/16(434日経過)
記録初日
2023/02/23(639日経過)
読んだ本
129冊(1日平均0.20冊)
読んだページ
36706ページ(1日平均57ページ)
感想・レビュー
105件(投稿率81.4%)
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自己紹介

ズンダと申します。Twitter、youtube、はてなブログ、noteをやってます。よかったら全部にきてみてください。

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