ネタバレ蛇塚に必要な救済は神器で本能を消して花嫁の梓を忘れ、都合よく愛してくれる杏那と結婚することではない気がする。梓に酷い婚約を強要したり両親や使用人から守らなかったことを謝罪し、天狗の当主みたいに気持ちに整理をつけて次に行ったり、年下の瑶太ですら花梨と無理やり別れさせられた恨みを神器無しで克服したのに、梓を愛したまま杏那と結婚することの何が悪いんだろう？杏那も納得して告白し、蛇塚に断られても諦めなかったんだし。好きな人と結婚できなかったのは梓だって同じなんだし、蛇塚が成長しないまま結婚するのはまずい気がする。

ネタバレ乙女ゲームが舞台なのにBLが展開していくのもすごいが、アンドリムの中の人（前世が現代日本の男性）がノンケなのにヨルガと肉体関係を持ったのが兄妹カップル以上に展開が早いと思った。同じ女性を愛して憎み合っていた二人が衝動的に肉体関係と愛を交わす関係に至る一方、略奪や婚約と攻略対象と恋仲になったNLのナーシャ＆メリア姉妹の転落ぶりが酷い。リュトラは神殿長マラキアへの恋心もあり、早くも姉妹の性格の悪さを見限りはじめてシグルドと冤罪で贄巫女にしてしまったジュリエッタの味方に回るように。王太子も立場を悪くしていく。

ネタバレ血縁が全く無いと判明したシグルドとジュリエッタ。和解できた兄妹がは互いへの哀れみがいつしか恋愛感情にというのは展開が早いとはいえ、兄妹だから許されるスキンシップ（腕を組む、抱き締める）を貴族がしていたら血縁の無い異性と認識してしまってからあっという間に恋が燃え上がったのだと思う。ジュリエッタが贄巫女の残す遺書に書いたシグルドへの恋心をシグルドがまだ王太子を愛していると誤解し、手紙を取り上げ読んでしまったことで両想いに。一方で王太子を略奪したナーシャと薬漬けになったメリアは傲慢な言動で嫌われていき…。

ネタバレ立役者はジュリエッタだと思う。厚化粧も我儘な言動も幼少期から神殿に放り込まれた寂しさ、侍女は修道女で貴族の侍女と違ってメイク指導もしてくれないし。厚塗りの醜女で性格も悪いと嘲笑されていたが、アンドリムのメイク指導と「悪評で貶められた心優しい令嬢を演じるよう」誘導されただけで、本人は人格が変わったように清廉潔白で無垢な乙女のように振舞い、その言動で貴族や神殿の関係者、異母兄シグルドすら噂が中傷だと信じていく。ジュリエッタは父が自分を見てくれるようになったこと、周囲が優しくなったからと自分の演技に満足する。

ネタバレこの世界は乙女ゲームで宰相アンドリム公爵は悪役令嬢の父で成敗される役。しかし前世の現代日本で遊んだゲーム知識を全部思い出したことで、アンドリムは救済が無い娘のジュリエッタを愛する良き父親となり、公衆の面前で婚約破棄され、罰として生贄になるよう愛する王太子に命令された娘の報復を誓う。断罪が終わるもヒロインのナーシャと攻略対象の男性陣はアンドリムと神殿長を潰そうとするも逆に取り込まれていく。未熟か戦闘特化ダンディで権謀術数が弱いため、神殿長のマラキアと共に演技と偽造証拠でわざと悪役を演じたと信じ込まされていく

ネタバレBLの受であるアンドリムとジュリエッタがそっくりな父娘の一方、前妻ユリカノの忘れ形見である嫡男のシグルドは似ていない上、BLの攻で実母の元婚約者だったヨルガに酷似した容姿。アンドリムが権力で無理やりヨルガから略奪したユリカノがヨルガと不貞をして産んだ子だが、ユリカノが故人なのでアンドリムは自分の好感度稼ぎでユリカノと肉体関係を持ったことがない、悪質な貴族の妾にされそうな彼女を守るため強引に結婚したと壮大な嘘をカミングアウトしてみせる。ヨルガとシグルドはアンドリムが善人だと信じ始め…という所で次巻へ続く。