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2024年4月の読書メーターまとめ

塩崎ツトム
読んだ本
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感想・レビュー
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438ナイス

2024年4月に読んだ本
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2024年4月のお気に入られ登録
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2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

塩崎ツトム
資本主義社会が人間に求めるものは「純粋」な存在であって、つまり24時間、勤め先の利益のために働く労働者であるか、24時間同じ娯楽にハマる消費者であるかのどちらかであり、「今の人生とは別の生き方があったかも」というものを見せる教養や知識、すなわち読書は「ノイズ」であり、社会に許容される読書とは、この純正であり続けるための読書「ひたすら効率よく行動し成長する」RTAのマニュアルみたいな自己啓発書だけらしい。基本ノイズばかりの脳味噌の持ち主で、そこから小説をひねり出す身としては困るのである。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

塩崎ツトム

ぼくも三島由紀夫賞欲しい!

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2024年4月の感想・レビュー一覧
7

塩崎ツトム
とりあえず2作品について。『金星の蟲』:方向性は違うが、人生というのは本来の期待とは別の方へ流れていってしまって「こんなはずでは」と思うものである。トーキング・ヘッズも「Once A Life Time」でそう歌っているではないか。『環刑錮』:様々な媒体に載っていて、読むのは通算3回目だけど、ようやく話の全体像がわかったぞい。
が「ナイス!」と言っています。
塩崎ツトム
資本主義社会が人間に求めるものは「純粋」な存在であって、つまり24時間、勤め先の利益のために働く労働者であるか、24時間同じ娯楽にハマる消費者であるかのどちらかであり、「今の人生とは別の生き方があったかも」というものを見せる教養や知識、すなわち読書は「ノイズ」であり、社会に許容される読書とは、この純正であり続けるための読書「ひたすら効率よく行動し成長する」RTAのマニュアルみたいな自己啓発書だけらしい。基本ノイズばかりの脳味噌の持ち主で、そこから小説をひねり出す身としては困るのである。
が「ナイス!」と言っています。
塩崎ツトム
授賞式のときにもらったガリ版、SFマガジン、そして単行本と計3回読んだ。読むたびに作品の解釈は微妙に変わるものだが、どれも「この作品はウエルベックの『ある島の可能性』と同じ地平に立っている作品じゃないか?」と考える。ただ、「ある島の~」を補助線にした語りはここには書かない。あと、3回目には第1回受賞作「みずは無間」と共通の実存問題について語っているのではないか、とも考えた。こちらとも別に語る気はないので、ぜひ両方読んで、比べてみそ。(つづく)
塩崎ツトム
2024/04/17 23:24

しかし、ネオ・ヒューマンたちは他星に移って、どうするのか。彼らは異星人と接触したときに備えた訓練をしていると言っているが、地球文明の「食べる・支配する・破壊する・咀嚼する」という、愛のようで愛でないものの呪縛から、本当に逃れられたのか?トムラの言葉からは無理そうな気配が漂う。移住先の他星文明がまったく未知のコミュニケーション手段を持っていた場合、彼らは間違いなく、そのコミュニケーション能力を「野蛮性」の証と見て、搾取し、破壊するのではないか。(つづく)

塩崎ツトム
2024/04/17 23:26

主人公は他者のままであり、隣人にはならずに、そのまま去る道を選んだから破壊と咀嚼から免れたのではなかろうか。この物語は、地球文明の実存と、その呪いの物語。生きることは誰か消費すること。人を呪わば穴二つ。呪いのペイ・フォワード。うるせえそれでも生きていかなきゃいけねえんだよ此畜生。

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塩崎ツトム
そういえばぼくが小学生のころにはあんなにたくさんいたミノムシがいなくなっていて、セミの鳴き声も小さくなり、宅地化が進んだせいでモンシロチョウもあまり見かけない。極地や南国のサンゴだけでなく、ぼくらの数メートル先の生き物たちがやばいことになっている。人類はもっと、自然の治癒力を回復させるために資源を投入しないといけないが、まずはもっと昆虫に対する同情(というのはおこがましいが)や関心を集めなければならなくて、やっぱり人間の心の問題なのだった。
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塩崎ツトム
日本語だとどちらも「力」と訳す単語にforceとpowerがあるが、オッペンハイマーが前者の神官とすれば、後者の神官はストローズだろう。powerに関する闘争はもっぱら身内・味方とされる集団の中で行われ、その当事者や攻撃者はしょっちゅう、自分の私怨を公憤と見誤り、局所的なムラの掟を国際的な取り決めどころか、まるで物理法則そのものとすら思いこむ。ストローズやマッカーシーのような人物の束の間の勝利や陶酔も、やがて外圧や自然の力の一撃であっさりと崩壊する。ストローズは江戸時代後期の幕府官僚の鳥居耀蔵と似てる。
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塩崎ツトム
難しすぎて電車の中で読んでいる途中で何度も居眠りしてしまった。それはそれとして、「存在する」ということを無条件に善とする西洋的発展史観に突きつける「ノン」の意志は強烈。生きていることが苦しいのは完璧な存在から遠いからではなくて、存在ということ自体がどうしようもなく最悪なことだからであり、だから疲労から回復して、完璧な状態に近いはずの、朝の蒲団から抜け出す事がここまで億劫なのである。そして闇は「虚空」だから恐ろしいのではなく、「ある」の塊だからこそ恐ろしいのだ。(つづく)
塩崎ツトム
2024/04/05 22:05

夜空は虚空だから恐ろしいのではなく、無限に「ある」から恐ろしく、「杞憂」の故事は多分、そんな「ある」ことの恐怖を「天が落ちる」という未熟な言葉で表現しようとしたのではなかろうか。この「ある」ということの最悪さ、現代の反出生主義やらなんやら、いろんな思想とも接続できそうだが、レヴィナスはそれでも、安易なペシミズムに流れることを拒み、「ある」ことからなんとか撤退して、そこに人間性を見出そうとする。(つづく)

塩崎ツトム
2024/04/05 22:09

そういえば不眠の状態、定位の状態……つまり横たわってただじっとしている状態の「非人称」に対する抵抗。この状態を人為的に作り出して、患者の回復を促すのがいわゆる「森田療法」だけど、レヴィナス哲学と精神医学、なにか接点のようなものはないのだろうか。

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塩崎ツトム
宇宙は一歩間違えるとホンワカパッパである。 「それどういう意味?」 「……思いつかん!」 言ってみただけだった!
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/10/15(4583日経過)
記録初日
2011/10/15(4583日経過)
読んだ本
1943冊(1日平均0.42冊)
読んだページ
651184ページ(1日平均142ページ)
感想・レビュー
1324件(投稿率68.1%)
本棚
5棚
性別
年齢
35歳
外部サイト
自己紹介

駆け出しの兼業作家。『ダイダロス』で第10回ハヤカワSFコンテスト特別賞いただきました。

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