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2024年11月の読書メーターまとめ

KJ
読んだ本
9
読んだページ
3056ページ
感想・レビュー
9
ナイス
49ナイス

2024年11月に読んだ本
9

2024年11月のお気に入り登録
1

  • エジー@中小企業診断士

2024年11月のお気に入られ登録
2

  • 愛の伝道師カロン@下ネタを言う奴は、最低ですよっ
  • なつめいろ

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

KJ
「顔の現前」や「傷」というワードくらいしか知らなかったレヴィナス。思索の過程で顔は「現前するもの」から「痕跡としてしか捉えられないもの」へ。その根底には絶対的に他なるものとしての未来・他者が、「存在するとは別のしかたで」語られていた/無ではなく「ただ在ること」こその残酷さが押し寄せるイリヤの夜、身体論的にも語られる無限の応答責任、自らがそこに位置を占めてしまっていること自体を問い直す倫理的態度など、想像を絶する悲惨を経由した現代のテーマ群の入口を垣間見たという感覚。このあたりはもっと掘っていかなければ。
KJ
2024/11/24 18:02

雑感ではあるけれど、レヴィナスは仏教の縁起説のような「自己はただの結節点」という考え方を持ちつつ、そこに「自分が生じてしまったことへの責任」を持ち込もうとしているのかなと。そんなの不合理では?と思ってしまうけれど、「責任」をどうしても問いたださずにはいられない悲惨を経由したからこそ辿り着いた思想なのだろうなと邪推することしかできない。

が「ナイス!」と言っています。

2024年11月の感想・レビュー一覧
9

KJ
教師としての人となりがメイン、思想がサブというような構成だけどどちらも面白い/真善美へのアクセスはできないが語ることだけはできる、綻んでいく中で弥縫策を繰り出し続ける姿としての人間観。真実よりも「ちょうど良い真実らしさや偽善」が人生には重要という考えには哲学や社会性が矮小化されているような物足りなさを覚えるけれど、同時に大戦の爪痕を推し量ってしまう/真理へのアクセス不可能性が2種類の「沈黙」として表現され、それを音楽にも繋げる見方が新鮮で面白かった。無ではなく、無限の豊かさ=言い表せなさとしての沈黙。
が「ナイス!」と言っています。
KJ
解説の言葉がすべて/「言論嫌い〈ミソロゴス〉になるな」「それは野放図な人間理性至上主義ではない。絶えず人間の無力の反省に裏打ちされた理性への信頼と勇気こそギリシア思想のわれわれに残した最大の遺産ではないだろうか」/ロゴスによる展開が最後に神話で〆られるのはなぜ?
が「ナイス!」と言っています。
KJ
「顔の現前」や「傷」というワードくらいしか知らなかったレヴィナス。思索の過程で顔は「現前するもの」から「痕跡としてしか捉えられないもの」へ。その根底には絶対的に他なるものとしての未来・他者が、「存在するとは別のしかたで」語られていた/無ではなく「ただ在ること」こその残酷さが押し寄せるイリヤの夜、身体論的にも語られる無限の応答責任、自らがそこに位置を占めてしまっていること自体を問い直す倫理的態度など、想像を絶する悲惨を経由した現代のテーマ群の入口を垣間見たという感覚。このあたりはもっと掘っていかなければ。
KJ
2024/11/24 18:02

雑感ではあるけれど、レヴィナスは仏教の縁起説のような「自己はただの結節点」という考え方を持ちつつ、そこに「自分が生じてしまったことへの責任」を持ち込もうとしているのかなと。そんなの不合理では?と思ってしまうけれど、「責任」をどうしても問いたださずにはいられない悲惨を経由したからこそ辿り着いた思想なのだろうなと邪推することしかできない。

が「ナイス!」と言っています。
KJ
ネタバレ世界の中で自分の姿かたちを取り自分の癖を反復すること、「健康」に暮らすことへの違和感、それを抑圧するのではなくたとえ嫌悪を抱いても「そう在る」ことを承認し合おうとする関係構築/「パラノとスキゾ」の対比に繋がる人間観や、ケアの思想にも繋がる救いがあるように見える/岩との一体化や谷間こそ「高さ」が集まるという表現を始め、各描写の生々しさや美しさ。昔読んだテルレスの惑乱にあった「壁のさらさら音」に近いものを感じたけど、著者はドイツ文学者でもあり納得。バッドエンドになると思ってたけど違ってよかった。妻隠もよかった
が「ナイス!」と言っています。
KJ
著者の生き様や学問への姿勢に尊敬。各理論のエッセンスが詰まっていて、数式がほぼ出てこないので何とか読めた/実際の平均価格を予想できる「超合理性」などないことや、市場の不完全性(給与が下がりにくい等)こそがある程度の安定性をもたらすことを証明する不均衡理論、抽象的・普遍的な価値としての貨幣が自由・無限への欲求・不安定性を産んだとする貨幣論など、哲学書を読んでいるような気持ちになる/今度は市民社会論に取り掛かられる予定とのことで、実現を願うばかり
が「ナイス!」と言っています。
KJ
流し読み/巷でよく聞く点も多い気がするけど、体系化されているので助かる/リードの段階分け管理(移行判定の整理)、セグメント分けと個別最適化でCX向上、縦割りを滲ませる仕組みづくり/現場を徹底的に理解しつつ、主観の入る数値を注意深く解釈する、「指標化ありき」ではなく利益増の目的に沿う形で設計運用すること/分業による効率化前提の考え方が、いかにも最近のビジネスという感じだ
が「ナイス!」と言っています。
KJ
『スピノザ考』で取り上げられていた本。絶対的な必然の中で神を観想するという視線は似ている、けれど置かれた視点は「論証による精神の眼」なんて言ってられないほどの悲惨や苦しみの中。労働・科学・芸術に希望は持たせつつも、ここまでに自然・社会・自分自身を嫌悪感とともに見つめ、未来も想像力も慰めも拒否しながら、空いた真空に耐えようとする純粋さがあまりにも眩しい。
が「ナイス!」と言っています。
KJ
「対象依存型の言語的自己規定」。話す相手によって自身や相手の呼び方が変わり、そこにいない人までもが想像される日本語のハイコンテクストさ。この自己規定のあいまいさこそが、ケア的な行動や漏れる人間観など良い面で作用することもあるんだろう/日本人は自己主張が弱いと1973年この本で評されてるが、これは今でも同じか。この関係性の網で絡まっている状態は甘えだけでなく匿名性への志向とも相性が良いんだろう/「定義」は伝えられるが「意味」は伝達不可能という説明が興味深い。モノと言葉の分断性が強調されているのは時代だからか
が「ナイス!」と言っています。
KJ
縫い目のないパッチワークのような文体に感じた。個人の話、それを超えた家系・遺伝・土地の因縁をさらに超えた、人間それ自体のようなものが滲んでくる。ひたすら湿り気を感じるけれど、別に暗くは感じない不思議/それぞれの登場人物が、老い・高熱・怒り・情欲・酔いなどを通じて辻に至る。まるで意識の醒めきった認知症の世界に入ったように感じるけれど、時間も空間も超えた神の視点では案外こんな風に世界が視えているのかもしれない。
KJ
2024/11/01 23:54

「身に覚えがないとは、その身がはっきりしなくなれば、言っても甲斐のないことだ」「人が恐れることは、じつはとうに起こってしまっている、とまた声がした。怯えてのがれようとしながら、現に起こってしまって取り返しもつかぬ事を、後から追いかけている、知らずにか、それとも知っていればこそか、ほんとうのことはわからない、誰にもわからない、と聞こえた。」「ここは、誰にも見えないが、辻なのだ」

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2023/11/03(412日経過)
記録初日
2024/01/05(349日経過)
読んだ本
194冊(1日平均0.56冊)
読んだページ
58646ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
103件(投稿率53.1%)
本棚
1棚
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