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ハン・ガン(2)堀田 善衞(1)岡田 暁生(1)マイケル・オンダーチェ(1)コーマック・マッカーシー(1)イーユン・リー(1)アンナ・カヴァン(1)村上 春樹(1)22%ハン・ガン11%堀田 善衞11%岡田 暁生11%マイケル・オンダーチ…11%コーマック・マッカー…11%イーユン・リー11%アンナ・カヴァン11%村上 春樹著者グラフ上位10名
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なんといってもヴェラスケスの宮廷官女像について…。筆者の眼力。絵を描く人、鑑賞する者、作中で描かれる人、またそれを見る作中の画家、、、。思えば多くのまなかいがそこに描かれており、つまり何重もの視点の仕掛けがその作品の魅力として語られる。ヴェラスケスの巧みさを解き明かすものである一方、堀田善衛の鑑賞態度はロランバルトの「見る」ことの姿勢に通じるものがある。アカデミックよりアヴァンギャルドと評される所以かと腑に落ちた。
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作者はこの随想で語る「視点」の有りようについて文学に通じるものがあると意図的にそれを一旦横に置いている。体調崩したので晴れた休日だったのに久しぶりに定家について著作に目を通した次いでに読んでみたわけだが、この「視点」について一つの世界観をこの短い字数で構築しきっているあたり、実に爽快。愉しい時間だった。

04/27 18:44
0255文字
123
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再読。ドラマがきっかけ。村上春樹の描く無自覚な悪をもつ、或いは傷を被った登場人物らは、だからこそどこか現実離れしたところがある。そこから覚醒していく過程に様々な装置を通してもぐりこむ異界への経験がある。自身の傷、空洞は何か、省みることを人生で「やってみる」人たちの中に分け入る経験が短編で叶う作家はそうはいない。巨大地震は人の闇に直結した隠喩でもあり、しかし地震そのものでもある。無意識下に私達を支配する巨大な恐れはいつも圧倒的だが、私達はそれを語り分かちあい、踊り、共に生きぬくしかない。
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無自覚なままでいることによって自分自身にかえりうちに合う話をカポーティの初期の作品で読んだことがあるが、村上春樹というのはそういう書き方を絶対にしない。登場人物はどこか離人症のようでもある。(それも一つの知性の現れのように思う。)だからドラマの「アイロンのある風景」で絵を描き続ける男が役者という肉をもって登場し、冷蔵庫にさいなまれている様子をみたとき、これは村上春樹ではないな…と少し思った。わかりやすくなってはいたけれど。

04/27 17:17
123

でも、ドラマ全体におもしろかったです。みみずくんのよさ…

04/27 17:18
0255文字
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共同体の軋轢、親の愛情の重さや子供たちが個を生きようとするときの葛藤やそこから逃れてアメリカで映画のような人生を送る人たち、彼らの孤独。短さのわりに一つ一つの話に奥行きがある。小野正嗣がこの作品について、異国の言葉で作家が書いたからこそ表現としての葛藤があるみたいなことをどこかで述べていたと思うけど、確かに表現に華美さはなくサラリと運ばれていくあたり、そういった葛藤を経ての洗練、ということか。再読だったけどいつも小説の終盤にはねじけそうな主人公の心情に話が高まっていき、よい小説だったな、といつも思う。
0255文字
123
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巨大な虚無の門を見た、という表現が相応しいのか。「悪」は人物として鋳造されることなく、それは原爆として、それを淡々と世にもたらす機関としての父親が描かれる。そして言語つまり人間にとって「2001年宇宙の旅」的な変数について。小説冒頭では、主人公アリス(端的に「不思議の国のアリスのイメージを担ったワンダラー)が言語を否定する場面から始められる。真理が無そのものとして目前に果てしなく広がる光景に主人公は死を選びとる。科学や数学について難解だったのでどこまで想いが読み取れたかは自信がない。
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神話的な小説の構想については、いつものメキシコがないつまり多層的な地理的な、いわばフォークナー的な表現はない。そういう今まで見られたこの作家の小説としての仕掛けは遺作『通り過ぎゆくもの』でも抽象化されている。どこからその悪が及ぶのかは明瞭ではない。が、実像がほぼ描かれていない(癌治療のためにえせ療法を求めて南米に渡った、という科学者でありながらそれを貫けなかったという点で揶揄されているくらいの)父親は、訳者の述べている通りキッドの鰭の責任の所在そのもののはず。

04/17 18:29
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父親の知性や『ブラッドメリディアン』の男の爆薬についての知性、『悪の法則』のマフィアの悪行のシステマティックさ。『通り過ぎゆく者』では政府が「敵」になっていく。主人公たちはその悪の手中から逃れることは悉くできない。それは厳然たる事実ということになる。「戦争の神」についてのくだりを思い出す。私達は非力だし、世界は果てがない。

04/17 18:33
0255文字
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第一章の彼女の夢からは、獣としての、人としてのあり方から単に逃れようとしている女を書こうとしているのだと思っていた。けれど第二章での対照的な、欲情を齎さない「交配」で彼女は生を取り戻す。樹として成ることは、彼女にとって死を伴うことになるが、別の形で生きることだった。時に描かれる力強さ。第三章で、姉の目を通した森に何か官能が宿り、獣性を帯びたように描写される。恐らくは彼女の生命の投影、とするより、彼女そのものを見いだしているのか。
123

家族からの呪いに無力だった彼女の、恐ろしいほどの孤独の中で選び取った、新たな生き方。時に見せる力強さは、作者の与えた彼女の物言わぬその生き方の矜持の表れでもある。第二章は後戻りできない破滅への分岐点ともなるが、生命力を喪失しつつある芸術家の姉の夫による解放は、彼女の生命への贈与となる。作品として彼女の生命が芸術家によって抽象化され、決定付けられていく過程には引き込まれるものがあった。

07/31 06:00
0255文字
123
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壮絶な精神の格闘のずっと高みの先から見下ろすような、作者の気高い孤高がある。選ばれし者にのみ許されるその筆で、静謐な中心で、高い山の頂きで、射抜くような獣の眼で我々夾雑物を見下ろしている。私の中で山岳ものといえば、本書になった。氷は都合の良い展開の作品だが、こちらは良かった。
0255文字
123
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コンテキストを否定せず、されどテクスト主義者のようなまっさらの眼がないと、核心は得られないのか… わざ言語のあたりが非常に面白かった。
0255文字
123
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極限の中で生かされている感受性は、恋のためのものだったりする。そうか、この小説は人の官能を描いているのかと思った。過去10年の読書記録の中でも上位にくる小説。ラストは確かに官能の創出。何度も読みたい一冊。
0255文字

読んだ本
12

読んでる本
4

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2

読みたい本
24

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2024/02/23(433日経過)
記録初日
2024/02/23(433日経過)
読んだ本
12冊(1日平均0.03冊)
読んだページ
3268ページ(1日平均7ページ)
感想・レビュー
8件(投稿率66.7%)
本棚
0棚
自己紹介

風邪をひいたときに風邪薬を飲んで独特の感受性で読むのが趣味 時間を経て古層になったそれを書くこともある なんとなく残るものだけ あまり読まなくなった

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