
上野さんの図でいうならば、我慢してきたのは自然であり、家族であった。そして、男性が徴兵に口を噤んだように、「公の場で自分自身が決めかねていることを語ること、本当の自分の考えをではなく、逆のことを発言すること(91)」ではなく、沈黙を守り続けた。「クライマーズ・ハイ」を最近読んだが、まさに会社で働いて居る自分を棚に上げて、家庭での軋轢を疎ましく思う主人公なんかは、亭主関白の見本のような存在だった。そういう構造があるということ自体が問題だと、本書では述べられている。
市場という活動領域で活躍できない、あるいは活躍してはいけないとされている人たちを、私的領域に閉じ込めて、収奪の構造をさらに確たるものにする。その揺れ戻しが、やって来る。自分自身のケアさえまともに一人でできない人たちが、あたかも全知全能であるかのように振る舞っている様は、笑止千万、お山の大将、自分のおつむとオムツにまずは目を向けたらどうか。
暮坂(元々は政治部担当で編集畑を歩んでいたが、出世というエサにつられて広告局長となった。悠木の独断で朝刊の第2社会面に掲載する予定の広告をすべて外されてしまい悠木に詰問する。取引先に土産話を持ち帰る目的で墜落現場に赴く。記念撮影をするなどの目に余る行為を神沢に咎められ、殴打される。Wikipediaより)が、殴打された事実を社内に暴露せずに、自らの内に秘めようとする描写、公園で大きなマスクをしながら白河社長に頂いた老齢になった犬の世話をするシーン。
悠木とは対照的な人物であったが、暮坂を隠し見た悠木の胸中には、責めようにも責める事が出来ない同胞意識が芽生えていたに違いない。これ以上自我を押し通したら、あるいはこれ以上自我を押し殺したら、一生懸命零れないように気を配っていた何かが溢れ出してしまうような、限界すれすれの所で何とか1日1日を送っている。
学生です。基本的には図書館で借りた本を記録。所有している本については、あまり登録しません。リンクは欲しいものリストです。慢性的に金欠ですので、本のお恵みは、非常に有難いです。。
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暮坂(元々は政治部担当で編集畑を歩んでいたが、出世というエサにつられて広告局長となった。悠木の独断で朝刊の第2社会面に掲載する予定の広告をすべて外されてしまい悠木に詰問する。取引先に土産話を持ち帰る目的で墜落現場に赴く。記念撮影をするなどの目に余る行為を神沢に咎められ、殴打される。Wikipediaより)が、殴打された事実を社内に暴露せずに、自らの内に秘めようとする描写、公園で大きなマスクをしながら白河社長に頂いた老齢になった犬の世話をするシーン。
悠木とは対照的な人物であったが、暮坂を隠し見た悠木の胸中には、責めようにも責める事が出来ない同胞意識が芽生えていたに違いない。これ以上自我を押し通したら、あるいはこれ以上自我を押し殺したら、一生懸命零れないように気を配っていた何かが溢れ出してしまうような、限界すれすれの所で何とか1日1日を送っている。