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2025年11月の読書メーターまとめ

トーマス
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2025年11月に読んだ本
13

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

トーマス
再読。伝統的英国ミステリーというような、1955年パイ屋敷で起きた、家政婦の転落死から始まる事件。被害者メアリと息子ロバート、その婚約者ジョイ。屋敷の主人マグナス、フランシ夫人。妹のクラリッサ。オズボーン牧師夫妻。医者エミリア。などなど事件前後で起きた人々の不自然な行動や、美しいサクスビー・オン・エイヴォンで起きた秘密が探偵アティカス・ピュントの手で少しずつ明らかになっていく。人物描写が巧みである人には好印象な人が他の人に嫌われるなど、読者に予断を許さずページを捲る手が止まらない。
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2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

トーマス

2025年10月の読書メーター 読んだ本の数:11冊 読んだページ数:3936ページ ナイス数:88ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/151288/summary/monthly/2025/10

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2025年11月の感想・レビュー一覧
13

トーマス
再読。伝統的英国ミステリーというような、1955年パイ屋敷で起きた、家政婦の転落死から始まる事件。被害者メアリと息子ロバート、その婚約者ジョイ。屋敷の主人マグナス、フランシ夫人。妹のクラリッサ。オズボーン牧師夫妻。医者エミリア。などなど事件前後で起きた人々の不自然な行動や、美しいサクスビー・オン・エイヴォンで起きた秘密が探偵アティカス・ピュントの手で少しずつ明らかになっていく。人物描写が巧みである人には好印象な人が他の人に嫌われるなど、読者に予断を許さずページを捲る手が止まらない。
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トーマス
シリーズ第三弾。オルダニー島の文芸フェスに参加することになったホーソーン&ホロヴィッツは、殺人事件を目撃する。本作も個性豊かで、unreliable tellersが目白押し。誰からも嫌われる島の有力者チャールズ・ル・メジュラー、その妻のヘレン、陽気な料理人のマークと助手のキャサリン、霊能者のリズとシド夫妻、児童文学家のアン、不自然な詩人マイーサ、地元の有力者ジュディスとコリンなどなど。まず物語がしっかりしていて、ハラハラする。全ての謎は提示されている中で、読書もミステリーにチャレンジする構造は前作同様。
トーマス
2025/11/26 21:42

注目したいのは、作中唯一感情移入できる役割のホロヴィッツの描写。非常に丁寧で感嘆する。常に敏感にポリティカルコレクトネスを意識し、殺害現場に慣れない姿はリアル。ホーソーンに塩対応されながらも、最終的には行動を共にするけなげさ。文芸フェスこそ自分の出番とばかりに張り切るが、ホーソーンに全部持っていかれる場面はもはやベタなコメディといっていい。張り切ると失敗する、調子に乗ると間違える。そんな少し情け無い姿を、我々はメタ的に受け止めざるを得ない。少々鈍重に描いても、それも全て作者の掌の上にいる。

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トーマス
シリーズ第二弾。離婚専門弁護士のプライスが、殺害された。謎の182の壁文字とともに。彼は過去洞窟遭難事件に関わっていた。ホロヴィッツが嘆くように、関係者がことごとくウソをついていたり、隠し事をしていたり、秘密が暴かれる度に少しずつ物語が進んでいく。プライスのパートナーであるスティーヴン、顧客のロックウッド、攻撃的なフェミニスト作家アキラ、無頼警察官グランショーなど個性豊かな人物が沢山。そしてホーソーン自身の謎が少し垣間見えつつ、ホロヴィッツは悩みながら謎に挑み、そして翻弄され続ける。
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トーマス
ある日、資産家の老婦人ダイアナ・クーパーは、自身の葬儀について事細かに葬儀社に依頼し、そしてその日のうちに絞殺された。穏やかで裕福な婦人の人物像はやがて、高名な俳優の息子、10年前に起こした死亡事故、劇場の出資トラブルなど、隠された事実が明るみに出てくる。面白いのは「私」はホロヴィッツ本人で、元刑事で有能だが人格的に難のあるダニエル・ホーソンによって執筆を持ちかけられ、事件の深みにどんどんのめり込んでいくところ。いけすかないホーソンを何とか出し抜こうと奮闘するが、全て掌の上。バディものとしても面白い。
トーマス
2025/11/22 19:09

ミステリーとして一級の上に、メタ小説になっているところがすごく面白い。私ことホロヴィッツが見聞きしたことは全て記載されており、フェアな謎解きチャレンジにもなっている。続きが楽しみ。

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トーマス
常に変化していく街、歌舞伎町。「いくら綺麗な建物ができたって一寸先は闇なんだ。(中略)加工されて美しくなっていく東京の中にも薄汚ない光景は残っている」と50年写真を撮り続ける篝氏。触れてはならない中国人達の住む、思い出の抜け道。商売センス抜群の風俗嬢アユ。ホスト、スカウト、ホス狂い風俗嬢らの生態系。黒人のキャッチやインターナショナルクラブ。ストーカー退治のチャーリー。そしてそんな歌舞伎町の人々を観察し、自らヤクザマンションに住む筆者。まさに街の有り様を描いたルポ。おもしろい。
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トーマス
3000年の歴史を持つ古代エジプトの、自然・小史・起源(ヒエラコンポヒス、ナカダ文化、墓からみた階層化、ビール)、神話とファラオの世界、王権やファラオの形成、死生観とミイラ、オシリス信仰、ピラミッドなどが詳述されている。カーとバーがふたたび合体してアクにならなければならないといった死生観や文化も面白いが、筆者の主たる研究テーマである王権の形成がやはり筆が乗っている。面白い。エジプトの世界もまた果てしなく広く深い。
トーマス
2025/11/20 08:49

「この階層化プロセスは、エジプトにおける複雑化成因の考察においても極めて示唆に富む。専業的狩猟者が経済的かつ宗教的優位性をもつ点である。ただし、渡辺氏の説では、定住した狩猟採集社会が対象であり、ヒエラコンポリスのナカダ文化は農耕社会である。 農耕という生産経済にどっぷり浸かった社会から特殊狩猟集団が出現したとは考えにくく、かれらの来歴はそれ以前に求められなければならない。」

トーマス
2025/11/20 08:52

「ヒエラコンポリスの地に狩猟民が定着した理由を考えたい。その一つに、立地面での好条件が挙げられる。(中略)その砂漠ルートの起点がヒエラコンポリスであったといえる。エリート墓地を涸れ谷に築いたのも、この砂漠ルートを意識してのことであろう。表玄関を入ったさきに、巨大で色彩豊かなエリート墓や列柱施設が立ち並ぶ。(中略) このように、狩猟民を始祖とするかれらエリートたちは、砂漠と南方のナイル上流を掌握し、そこで捕獲した特異な動物を用いた儀礼をつうじて、権力とイデオロギーの制度化をはかった、というのが私論である。」

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トーマス
シャーロキアンに向けた短編集。鑲藍旗人の福邇(フーアル)と同居することになった元武科挙の華笙(ホアション)。新疆で活躍されていましたね、から始まる「血文字の謎」。不思議な仕事を頼まれた男が巻き込まれた「紅毛嬌声」。うら若いエフィーにバークリー大佐の魔の手が迫る「黄色い顔のねじれた男」。艾愛蓮を巡る「親王府の醜聞」。翰林大人こと兄、福邁が密偵組織の親玉として登場する「ベトナム語通訳」。実在する何東が巻き込まれる「買弁の書記」。清末の香港がよく描かれており、後半になるほど面白くなった印象。
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トーマス
面白い。筆者の西成ルポのちょっとした続編や、モンゴル・インド・ネパール放浪記、歌舞伎町、横浜寿町ルポの断片など。短編集だが読み応えはある。西成チャイナタウン化、相変わらずなドヤ街の住人、ウルギーのマッチョマン、どうしようもないアル中運転手やトゥバ族のオヤジ。汗の匂いの漂いそうな三十時間の列車旅、マッサージ店勤務時代の退廃感、歌舞伎町と寿町。街の汚い部分もしっかり描きながら、本人の根底に品があるからか、読める。上手い、そして面白い。
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トーマス
ケンリュウ選の中国傑作SF短編集。・鼠年(陳楸帆)高度な知能を持ったネオラットを駆逐するために駆り出される大学生部隊の一幕。職を見つけられないインテリの焦燥感と、軍隊さながらの陰鬱な部隊生活、ネオラットとのグロテスクな攻防。完成度が高く面白い。・麗江の魚(陳楸帆)療養先の人工的な都市で出会った女性との逢瀬。しかし二人の出会いは計算されたもので、時間感覚の圧縮された患者と拡大された患者を交流させるものだった。徹底的に人工的な街での、砂上の楼閣のようなひと時。
トーマス
2025/11/09 18:15

・見えない惑星(郝景芳)ほらのような、不思議な惑星の話の数々。アイデア小ネタ集みたい。・コールガール(糖匪)これも良かった。単なるパパ活かと思いきや、小一は車の中で犬に仮託した掛けている何かや世界を見せる。・蛍火の墓(程婧波)夜と一体になった母と、昼と一体となった王女の話。魔術師のもたらす宇宙規模のロマンス。・円(劉慈欣)三体から抜粋。荊軻が秦の三百万の兵を持って巨大な人間計算機を作る話。

トーマス
2025/11/09 18:16

・神様の介護係(劉慈欣)老年期を迎えた神の文明は、二十億人の神とともに、かつて生物の種を蒔いた地球に帰還する。後に示唆される他の惑星との抗争は、三体を彷彿とさせるハードさ。

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トーマス
まだ若い二十代の著書が、文字通り裸一貫で西成のドヤ街で暮らした78日間のルポ。年齢にそぐわず筆致が落ち着いていながら、いかがわしい世界にどんどん踏み込むマインドが、ライターとしての天性だと思った。往年よりマシになったとはいえ、まだまだヤクザや覚醒剤中毒者がそこらを歩いており、なかなか足を踏み入れられない世界とどうしようもない人間模様に迫力を感じた。犯罪者より働かない生活保護受給者に向ける目が厳しくなっているのは、この街に染まった証か。著者の他のルポ本も読みたくなった。
トーマス
2025/11/05 18:36

話が出来すぎてあると思うほど、ヤバい人ばかり出てくる。以下引用。 「この三人、同じ時期に同じフロアにいたんやで。ホンマ動物園みたいな階で有名やったわ」 「まともな人間いないんですか」 「たまにおる。十年間、前借りもしないでコツコツと五百万貯めた奴がおったんや。S建設だけで五百万やで。そいつ突然辞めたと思ったら、三ヶ月後一文無しで帰ってきよった。全額競馬につっこんで溶かした言うとったで」 「全然まともじゃないじゃないですか」 「部屋でシャブ打ってる奴と比べたらまともや。そんな奴ぎょうさんおるんやで?」

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トーマス
筆者の疑問、つまり社会は健康で正社員で男性で家庭を持っているといった、マジョリティの幻想を想定して社会が成り立っていることの疑問はよくわかる。そして役所や福祉団体をたらい回しにされながら、根気強く自分の等級が下がったことがなぜすぐに通達されないかを問い合わせするあたり、哲学を背景に持っている芯の強さを感じた。しかし、企業や資本家に疑問を呈していることも分かるのだが、どうしたらいいのかが分からなかった。自分は労働時間を減らしながら成果を出さなければいけない立場なこともあり、後半はちょっと退屈に感じた。
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トーマス
まだ池袋にいかがわしさの残っていた70年代、筆者の子供時代の回想は不思議な家の掟から始まる。家の場所を知られてはいけない、派出所の前を通ってはいけない。そして、元気に働く母を尻目に、家には音を立てずに暮らす父がいる。元俳優で、爆破テロを起こし指名手配されていた父。筆者のタフな精神性もあってか、子供時代の描写は涙ぐましい場面もあるが、どこかユーモラスさもある。正直に話せないことで友人と壁がある描写にリアリティを感じた。長じて俳優、脚本家になる後半生より、子供時代の前半部が大変面白く読めた。
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トーマス
木曜殺人クラブ第三弾。本作も面白い。人間関係にも進展があり、またジョイスは犬を飼うけれど更に仮想通貨にも手を出している事が分かる。本作でも過去の殺人事件を調べるが、エリザベスとスティーブンが拉致されるという事件も起きる。快い仲間との交流、小気味よい展開、メンバー達の機知など、エンタメとして純粋に面白い。元KGBのヴィクトルや人気アナウンサーのマイクなど新キャラもいい。一方で亡くなった友人達や徐々に認知症の進行するスティーブンなど、老いや死の影も時に濃厚に立ちこめる。良い仲間と過ごす良い人生に如くものはない
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/07(5159日経過)
記録初日
2011/11/20(5146日経過)
読んだ本
1592冊(1日平均0.31冊)
読んだページ
481468ページ(1日平均93ページ)
感想・レビュー
814件(投稿率51.1%)
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