人間が生きていく上での正解などない。人生を整理することは不可能であり、思いどおりになる日などやってこないのだから、不完全でも現実を受け入れて生きていくことを語る内容。予測可能な人生などつまらない。不完全な今こそが本当の意味で実在している唯一の時間なのだから、自分の有限性を受け止めてやるべきことを決定しよう。

1980年前後から始まり現在まで長く続く日本の格差社会は社会を質的に変化させ、もはや格差は構造からくる階級社会へと変化していることをデータで紹介していく内容。非正規社員の独身者の階級となるアンダークラスに属する人たちは、この階級から抜け出すことは自力では難しい。政治でしか解決できないはずだが、彼らの声は少数派にとどまる。格差拡大によって社会全体が損失を被る、という意識を中間層や富裕層が持つのも自己責任論を乗り越える必要があり、簡単ではないのか……

努力を構造的にとらえ分析していく内容。インプットとしての努力には量と質のほか、設計と選択というさらに上の構造がある。そしてプロセスとしての努力は複数あり、アウトプットとしての努力も様々な報酬がある。これらを組み合わせて認知し地図を描くことで努力を俯瞰してとらえることができる。

一部の資産家によって富が独占されていた時代から富全体が増え資産家以外にも行き渡ったことで、格差が縮小してきたことを紹介する内容。年金制度と自宅の取得で庶民も資産を得ることができるようになった、といわれても……

簡単に法人が設立できるようになったことで、個人と法人を使い分けて賢く節税し手取りを増やす方法を紹介していく内容。本書はリーマンショック後に書かれたものの改訂版だが、あれから15年が経過して社会保険料の制度改正と保険料が増加したせいで、今は法人（社保）よりも個人（国保）のほうが節約できるようになっている、と。

相手に言葉で伝えて納得して行動してもらうために、思考を適切に言語化していくためのポイントを紹介していく内容。前提として語彙力を増やさないといろんな言葉が出てこない、と最後に身も蓋もない結論が（笑）

悩む人と悩まない人の違いは性格などではなく考え方の違いであるとして考え方を紹介していく内容。問題は解決しなくていい。問題の9割は「自分の思い通りではない」であるにすぎない。前提を変えるとたいていの問題は問題ではなくなる。それでも残った場合は、その問題を「具体的な課題」に昇華させることで一気に解決に近づく。結局何がどうなったらいいのか、目的から逆算して考えよう。

私たちの日々の選択と行動は無意識によって誘導されている。その様々な現象に名前をつけて対応を考える行動経済学の考えを紹介していく内容。何も考えずに行動すると相手が有利な方へ誘導される。複数の視線で考えていくとともに、自分自身を俯瞰して誘導されていると認識することが必要。

地理とは「地球上のことわり」であるとしてあらためて地理をきっかけに経済の普遍性と地域性について考えていくために資源や貿易、人口、文化を紹介していく内容。日本以外の資源輸入国はどういう貿易をしているのか、など地理の知識を再確認したうえで複数の視点で世界全体を俯瞰して考える、と。