ネタバレエンタメ小説！動きのある場面での描写が、スローモーションの映像のように鮮明なのが面白かったです。伊坂幸太郎さんの本は初めて読んだのですが、最初は独特な文章だなぁと思ったのに、いつのまにかすんなり読めるようになっていました。殺し屋の２人と、グレーな世界へ巻き込まれた普通の人の視点で同時進行で紡がれる物語は、最初3冊の本を同時に読んでいる感覚でしたが、「現代社会を生きるとはどういうことか」という一つの問いを共通して投げかけてくるように感じました。ラストシーンの解釈だけ、自分としてはまだしっくりきていませんが…

ネタバレ読んだことのないジャンルのお話で、面白くて一気読み！短編集は久しぶりに読みました。３つのお話が収録されていましたが、毛色が違っていて違う面白さを持っていました。 やっぱり『秋の牢獄』が印象的でした。北風伯爵という名の死が待ち構える私たちの毎日は、11月7日とどう違うのでしょうか。リプレイヤーほど思いきれはしないですが、ちゃんと11月7日を堪能して、11月8日に思いを馳せて生きなければ、なんて考えてしまいました。

ネタバレ中盤から「もしかして主人公の生前って…」と察していたが、その予測が的中してとてもほっとした。「カラフル」が生まれた時代から時が経っているはずだけど、今の10代にとても刺さる作品なんじゃないかなと思う。現実はこんなに上手くいかないかもしれないが、人はカラフル、いろんな色を持っているもの、それでいいんだと背中を押して、前を向かせてくれる作品。きっと何度でも読み返すと思う。出会えてよかった！