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いちファンとして、井端と荒木という選手の個性を「おさらい」できる素晴らしい本でした。読みごたえがあるのは、特に荒木さんのパートです。恵まれた身体能力に任せて、時に不器用なプレーを見せる選手でしたが、彼がいかに慎重で臆病な性格であり、そして最後は失敗を恐れず思い切りプレーしていたか理解できました。非常に厳しい練習に耐えることで有名な選手であり、引退時にはあの落合監督が激賞していたことを思い出します。現在はドラゴンズのコーチを務めている荒木さん。彼の情熱が、ドラゴンズの若手にうまく伝わることを願います。
現役時代の井端さんは、情報から見下ろした感覚の画像が見える『アラウンドビューモニター』が付いているんじゃないか?と思えるようなプレーを見せることがありました。現在にも過去にも、グラウンドで起きていることを俯瞰的に捉える感覚がこれほど鋭い選手を、私は知りません。そんな井端さんのことを、「頭の中で考えたことをそのまま再現する能力がすごい」と荒木さんは評しました。3次元空間に加え、時間軸をも考慮できた選手というのは言い過ぎかもしれませんが、要所における井端さんのプレーには、そういう神がかり的な部分がありました。
30歳そこそこでこの本を書いた、若き時代の飯田先生の学問ぶりを想像すると、驚嘆するしかありません。きっと、年長の学者とのバトル数々の痛い目に遭いながら、今のスタイルを確立したのでしょう。しかし飯田先生の著書は、論理が整いすぎていて素人には必要以上に難解に感じられます。ラジオやテレビでの飯田先生のわかりやすさが、著書では感じられにくいのは残念です。良くも悪くも、東大出身の学者という印象を持ったりもします。
後半、やや急ぎ足になった感があったのが、残念でした。ハイデガーはもっとたくさん読ませてもらいたかったし、オルテガやアーレントも読みたかった。次は同著者の「東洋の哲人たち」を読みます。
「『まえがき』は最初の3行が命で、そこでピンと来なければその後もピンとこない」(p.64)・・・さすがに私はここまでの鋭い感覚は持ち合わせていませんが、読書を重ねるにつれて、『まえがき』でおおよそのことを掴むことが徐々にできるようにはなってきました。だからと言って『まえがき』で本を選ぶことは少ないですが、『まえがき』の内容を踏まえて本文を読むという『読書のカタチ』が、少しずつできているようにも思います。
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いちファンとして、井端と荒木という選手の個性を「おさらい」できる素晴らしい本でした。読みごたえがあるのは、特に荒木さんのパートです。恵まれた身体能力に任せて、時に不器用なプレーを見せる選手でしたが、彼がいかに慎重で臆病な性格であり、そして最後は失敗を恐れず思い切りプレーしていたか理解できました。非常に厳しい練習に耐えることで有名な選手であり、引退時にはあの落合監督が激賞していたことを思い出します。現在はドラゴンズのコーチを務めている荒木さん。彼の情熱が、ドラゴンズの若手にうまく伝わることを願います。
現役時代の井端さんは、情報から見下ろした感覚の画像が見える『アラウンドビューモニター』が付いているんじゃないか?と思えるようなプレーを見せることがありました。現在にも過去にも、グラウンドで起きていることを俯瞰的に捉える感覚がこれほど鋭い選手を、私は知りません。そんな井端さんのことを、「頭の中で考えたことをそのまま再現する能力がすごい」と荒木さんは評しました。3次元空間に加え、時間軸をも考慮できた選手というのは言い過ぎかもしれませんが、要所における井端さんのプレーには、そういう神がかり的な部分がありました。