佐藤究といえば暴力的な熱量を溢れ出させるスタイルと思っていてのだが、真逆の静かな熱が染み出してくる凛とした作品だった。三島は読んだことがないので、そこはなんとも言えないがそことは切り離して残りの頁数を気にしながら物語が何処へ向かうのか、エンタメとして楽しんだ。三島は読むべきですか？

父が遺した納経帳に空欄があることに気づき、代わりにお参りに行こうと考えてる。当初は父が見ることの叶わなかった風景を見に行こうと思っていたのだが、この本を読むうちに、父が見た同じ風景を見てみたいと感じるようになった。栄福寺さんは里山スタジアムへ行く途中にいつも看板が気になってたお寺。父はお参り済みだが私も行ってみたい。

章のタイトルにもある「奇人変人」。家庭を顧みない糞の糞のような放蕩人生を延々と読まされるという苦痛。でも横倉山で見た牧野博士の植物標本は素晴らしかった。また季節を変えて訪れたい場所です。

やはり酉島伝法さんは凄い。今作は音楽と月と太陽。うねるような生の中に知らずに取り込まれて、自分が人間じゃなくなっていく感覚が気持ち良い。読みかけて、一旦本を置いての繰り返しで、人じゃなくなるのと人に戻る名を繰り返すのもかなりのエネルギーを消費する。世界を創造する、それは神。

サイバーパンクは飾りです。ごった煮パンク。先の戦争の直後の八重山・台湾を舞台にした現代まで延々と繋がる物語。丁度今日は台湾総統選挙だったが歴史は途切れることなく。もうちょっと削ぎ落としてもよいかな、という部分もあり冗長でありましたがエンタメとして楽しめました。ラスボスを一番人間らしいと感じる私は心が捻れているかな？

佐藤究といえば暴力的な熱量を溢れ出させるスタイルと思っていてのだが、真逆の静かな熱が染み出してくる凛とした作品だった。三島は読んだことがないので、そこはなんとも言えないがそことは切り離して残りの頁数を気にしながら物語が何処へ向かうのか、エンタメとして楽しんだ。三島は読むべきですか？