私の人生とは似ても似つかない生々しく重たい物語。小説で読まさられるのは苦しいのだが、プロローグの匂わせに一体物語は何処へ向かうのか惹きつけられてしまう。帰省の度に通り過ぎるしまなみ海道の穏やかな風景と対照的な重苦しさが、エピローグでは少しは晴れるのだが。おんまくの花火、一度は見てみるのも良いか。

選者も絶賛だが。ホラーというほど怖くない。時代が違うから現実味がないのかな。じゃあ、物語としてどうかと言われても。

舞台も物語も想像してたの真反対だった。殺伐とした物語を想像してたのだが、優しい再生の寓話。花を贈る人生って素敵だ。著者のオタクぶりも楽しいが、こんなとこでルーディ・ラッカーに再開できたのが最大の喜びではある。

面白かった。凄まじい探究心と行動力、鈴木まもるさんのニワシドリを探す旅に通じるものがあった。ゴキブリの産卵の所を奥さんに話したら「あ〜卵鞘な、ベランダの敷物の裏にいてびっくりした」と、盛り上がった。夫婦で卵鞘の話ができる幸せを感じました。それから、ゴキブリ誕生の瞬間を探す件も良かったですね。

理解はできないのだけど物理科学に基いた超ハードSFなんだけど、そこにどこまでが嘘か分からない作り物を上手に乗せて境目を曖昧に映画に出来そうなエンタメに仕上がっていて面白い。選評の「海を見る人」との比較には納得。

母の里の尾道の風景が思い浮かぶ。が、課題図書になり損ねた感の良い話というのが正直なところでした。ひっつきもっつきは福山でも言うが、それは植物で人のことではなかったなぁ。

帯にある散りばめられた謎ってのは確かにそうかもしれませんが、人が覚えられなくてページを行ったり来たり。今の子はこんなにいろいろ考えてるのかなぁ？私の頃は何も考えてなかった。

私の人生とは似ても似つかない生々しく重たい物語。小説で読まさられるのは苦しいのだが、プロローグの匂わせに一体物語は何処へ向かうのか惹きつけられてしまう。帰省の度に通り過ぎるしまなみ海道の穏やかな風景と対照的な重苦しさが、エピローグでは少しは晴れるのだが。おんまくの花火、一度は見てみるのも良いか。