ネタバレ久しぶりに藤井さんを読んだが、キャラ作りは過去作と共通のものがあり直ぐにワールドに入り込める。昭和のおじさんには劣等感しか感じないエンジニアのスキルも、今回はある理由から少し薄まって感じる。作者には珍しく命が奪われ、それでも淡々と進むのだけどディストピア感は薄い。客に希望を感じる、幼年期の終わりかブラッドミュージック。登場人物の言う「人のたぐい」が印象的。小島監督のコメントも読んでたから物語がテレビモニター上でどう再現されるか、という視点でも読めた。続けて校正的戦闘規範を再読せにゃ。

ネタバレタイトルが先か結末が先か分からないけど、最後のシーンを書くにはヴァンパイアだったのかなぁ。でもこのヴァンパイアはそれほど魅力的ではなかった。数学の場面は「天地明察」を思わせて面白いのだが。

ネタバレコロナ禍の直前に書かれたようだが、現実が物語を越えてしまったようで現実と比較しながらの読書になってしまったのは残念。600頁という長大な物語なのだけど抑揚に欠けるし社会が見え難い。主人公の一人の行動原理に納得いかない。クライマックスへの流れが平坦で高揚感がない。と厳しい評価になってしまいましたが期待が大き過ぎたかな。現実社会ではコロナ禍が落ち着いて再開された生ライブに行った時のことを思い出しました。マスク着用、声出し禁止のライブだったけど、アンコールで客電ついて振り返ったら、５階席まで満員だった風景。