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2024年5月の読書メーターまとめ

黒井
読んだ本
7
読んだページ
2383ページ
感想・レビュー
7
ナイス
210ナイス

2024年5月に読んだ本
7

2024年5月のお気に入られ登録
1

  • 2015

2024年5月にナイスが最も多かった感想・レビュー

黒井
ネタバレ24-45】一気読み。面白かった! 種明かしを受けてもなお超人めいて映るのは凡人。何かを新しく知るのはまだ知らない事がある事実に直面することでもあるのだと、知性と好奇心の純度を人間の生き様や思い出にまで落とし込んでこんなふうにスリリングな物語へ昇華した成果で示してくれるなんてもう拍手喝采です。見たいように見る名もなき衆愚が生み出す濁流とのアンバランスさも込みで、己の納得を念頭に置いて突き進んだ二人だと思ってる。あと読了後に表紙左上の一文に気付いて、英語の厳格性に思いを馳せつつ日本語の奥行きにも触れた気分。
が「ナイス!」と言っています。

2024年5月の感想・レビュー一覧
7

黒井
24-49】著者初読み。きんと冷えた真冬の外気を呼吸でもって体内に取り込む時、澄んでいる感覚を根拠なく抱いて透徹の具現化みたいだと思う事がある。今は遠い季節を想いながら痛切さの滲む断章の連なりを読み進めた、始まりから終わりまで寄り添うあらゆる白を目の当たりにした。自然界に存在する「純白」を想像しようとしたけどうまくいかなくて、馴染み深いのは「白」なんだと思った。死の心象としての黒をも含めたあらゆるものを内包する白。本作が紡がれた経緯を思えば口にする事に躊躇いもあるけど、それでも美しい文章だった。
が「ナイス!」と言っています。
黒井
24-48】著者初読み。無機質な情報を突飛で現代的な着想へと昇華させたビザールな短編集。表題作のタイトルの元ネタは理系の人ならお馴染みのジョークだそう。そういった思いつきを実際に作品世界へ落とし込んだ結果の提示だけで終わってしまって若干肩透かしな短編もあったけど、逆にその「アイデア勝負」ならではのあっさり感が不気味さを際立たせる方に作用している『家に帰ると〜』が好きだった。『犯罪者〜』と『沈黙の〜』はすごいな、思考実験からの達成。前者はスマホ画面の向こう、私の知らないところで起きた話と言われても驚かない。
が「ナイス!」と言っています。
黒井
24-47】自分以外の誰かの何かのせいにして、委ねて流されて薄っぺらい言葉で築き上げたパッパラパーな防壁は呆気なく瓦解した後の阿鼻叫喚でもって完成する。物語の中なら見事な様式美。最初期の短編『河原のアパラ』でどん底に落ちた先の光を描いた事を思うと、より現実に即した生々しさに背筋が冷える。断絶の語感。/書かれて本になった作品が持つ魅力に変わりはなくとも、読む側のタイミング次第で時に個人的な思い出と絡み合って唯一無二の強烈な閃光を放つ事がある。『先生との旅』をそんなふうに再読する日が来た事をただ光栄に思う。
が「ナイス!」と言っています。
黒井
24-46】4年半ぶりに再読したら心に響く箇所が多すぎて付箋だらけになった。当時よりも好きな書店が増えた事を通じて、長年の経験に裏打ちされた辻山さんの選書におけるスタンスを文章で読めたのも大きい。「ずらし方」なんて選書や書店業界だけじゃなく発想やアウトプットにおいても大いに参考になるし。去年行った時に平台に積んでた最後の一冊を買ったら、会計直後にレジを出て空いた場所を埋められていた事を今も覚えてます。本書もまた「替えがきかない「切実」な本」だし、今も全国で増えてる独立系書店の新規開店の源泉でもあると思う。
が「ナイス!」と言っています。
黒井
ネタバレ24-45】一気読み。面白かった! 種明かしを受けてもなお超人めいて映るのは凡人。何かを新しく知るのはまだ知らない事がある事実に直面することでもあるのだと、知性と好奇心の純度を人間の生き様や思い出にまで落とし込んでこんなふうにスリリングな物語へ昇華した成果で示してくれるなんてもう拍手喝采です。見たいように見る名もなき衆愚が生み出す濁流とのアンバランスさも込みで、己の納得を念頭に置いて突き進んだ二人だと思ってる。あと読了後に表紙左上の一文に気付いて、英語の厳格性に思いを馳せつつ日本語の奥行きにも触れた気分。
が「ナイス!」と言っています。
黒井
24-44】話す自分と書く自分は別人だと言ってたのは森博嗣さんだったかな? 86年に書かれた春樹さんのヨーロッパ旅行記『遠い太鼓』から本書へと流れてきたわけで約15年の歳月もあるとはいえ、各エリアごとに座談会形式で和やかに語り合っているおかげで違う一面を見た気分に勝手になってる。ハワイのホノルルマラソンの章がキレッキレで笑った。マイタイの食レポといい忖度無しで書けたりとかあるのかな。あと都築さんの後書きは現代人にも必要な感性だと思う。ただ受動的なだけじゃなく損をしたくないって計算もあるから根が深いよ。
キク
2024/05/08 12:42

名古屋に転勤することになった友人に「そういえば、この本で名古屋もいってたな」と思い出して貸したのですが「面白いが、ガイド本としての有効性は全然ないね」とのことでした。まぁ、確かに、、、

黒井
2024/05/09 12:00

読み終えた以上ご友人のコメントに頷かざるをえないです😂でも面白いと思ってもらえたようなら何より…??

が「ナイス!」と言っています。
黒井
ネタバレ24-43】ある村で起きた不審死事件の真相を追う現在パートと、家族に置いて行かれ湿地で独り生きることを強いられたホワイトトラッシュ(貧乏白人)の少女の過酷な半生を語る過去パートが交錯して真相へ…という長編大作。自然描写を筆頭に、読ませる文章に引き込まれて時の経つのを忘れるのも小説を読む醍醐味だし「なぜ傷つけられた側が、いまだに血を流している側が、許す責任まで背負わされるのだろう?」など胸に染みる言葉も多い。ただ、捨て置けない程の美貌と才能のおかげで一発逆転…と思えてしまうのは流石に穿った見方すぎるかな?→
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/24(4589日経過)
記録初日
2011/11/24(4589日経過)
読んだ本
2120冊(1日平均0.46冊)
読んだページ
538438ページ(1日平均117ページ)
感想・レビュー
2046件(投稿率96.5%)
本棚
31棚
現住所
東京都
外部サイト
URL/ブログ
https://mstdn.jp/web/@h_sotd
自己紹介

2023年も、好きな本屋さんで自重せず本を買う自分でありたいです。ミニマリストを目指すのは書籍以外で。
アイコンはPQ2フリー配布画像より。

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