「なかんずく、ジョーン・スカダモアのことを考えてはいけない。ジョーン・スカダモア？ーそれって、わたし自身じゃないの！いいえ、違うーええ、そうよ、わたし自身だわ、たしかに……」230 第二次アガサ・クリスティブーム到来。汽車がストップして一週間足らず足止めを食らっただけ、のはずなのに、なぜこんなに心抉る話になるんだ。そうではないはずと語り手が否定するも、いやそうであると、予感を越えて確信を抱かせるこの書き方の巧みさは何だ。何も感じない人もいるだろうが、ジョーン、ロドニー、子供、全ての立場に立って、斬られた。

「なかんずく、ジョーン・スカダモアのことを考えてはいけない。ジョーン・スカダモア？ーそれって、わたし自身じゃないの！いいえ、違うーええ、そうよ、わたし自身だわ、たしかに……」230 第二次アガサ・クリスティブーム到来。汽車がストップして一週間足らず足止めを食らっただけ、のはずなのに、なぜこんなに心抉る話になるんだ。そうではないはずと語り手が否定するも、いやそうであると、予感を越えて確信を抱かせるこの書き方の巧みさは何だ。何も感じない人もいるだろうが、ジョーン、ロドニー、子供、全ての立場に立って、斬られた。

「シーツの下にもぐって懐中電灯の光で本を読んだ子どもがどれだけいるでしょうね？ぼくはもっぱらコミックだったけど、よくやりました。」323 小島監督がXで「超おすすめ」と言っていた作品を本屋で買って読む。一気に読んだ。2023年の作品をもう翻訳として出してくれてありがとう創元推理文庫！またもや原題が余韻を残してくれるし、日本語の題もかっこいい。予想が次々に裏切られていき、とにかく気持ちが良い。ジャックの話がまた語られないかね、と思うくらいのめり込んだ。北極圏やワシントンを舞台に繰り広げられる最高のミステリ。

中学生の時に読書の面白さを教えてくれた星新一、乙一、そしてアガサ・クリスティ。そんなアガサ・クリスティの作品の中で、あまり理解できず、大したことないのでは、という印象を持っていたABCを再び読む。面白っ。記憶を消してもう一度推理小説を味わえたら、という願望を達成してしまった。なぜ当時理解できなかったんだろう。それだけ読む力が伸びたということか。間違った誘導をしてドキドキさせる書き方が上手いなあ。あれ、犯罪者に同情してはあかんと思いつつ…そこはやはりクリスティ。スッキリ終わってくれる。

「否定すべきは《己》ではなく、己が選んだ《方法》のみである。」「生きてる間にすることって、自分が何が好きなのかを探して、見つかったら、死ぬまでそれをやり続けるってだけです。」「どうせ最後は上手くいくんです。とにかく楽しいことをやってみる。」「どうせ最後は上手くいく！」

友達がジャケ買いして読んでいたので読んでみた。BL小説かと思いきや…。『初恋』的やり切れなさで幕を閉じた。ええ…。